北綾瀬駅の再開発の概要
東京都足立区の北綾瀬が、大きな転換点を迎えている。
千代田線との直通運転を契機に本格化した再開発は、駅周辺だけでなく、エリア全体に関わる大きな転換点となっている。今回は足立区役所へのインタビューと現地取材を通して、“新しい北綾瀬”がどんな未来を描こうとしているのか、目指す方向を探っていく。
かつての北綾瀬駅は、千代田線の支線にひっそりと位置する、小さな“終着駅”のような存在だった。都心へ向かうには綾瀬駅で必ず乗り換える必要があり、通勤時間帯の不便さは住民の大きな悩みのひとつだった。それでも駅の外にはしょうぶ沼公園の豊かな緑が広がり、静かで落ち着いた住宅街としての魅力は確かにあった。
状況が大きく動いたのが2019年、千代田線の直通運転が始まり、北綾瀬は“アクセス面で一気に都心と並列に並ぶ駅”へと生まれ変わった。始発駅として座って通勤できる快適さ、高速道路の加平ICへの近さという交通の強みがそろい、街のポテンシャルは一気に開花した。
そして今、その変化が本格的に形になり始めている。
2025年6月、駅直結の大型商業施設「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」が開業。
地上4階・地下1階の館内に、大型スーパーや大型フードコートなど、地域の“日常の必需”が集約された。ペデストリアンデッキで北改札と直結し、駅を降りてすぐに施設に行ける。
さらに、隣接する駅前交通広場も整備され、王子駅・八潮駅方面へ向かうバスが発着する新たな交通拠点として生まれ変わった。
歩車分離の動線がきれいに整理されたことで、駅前の滞在性と安全性は大きく向上している。
駅前が活性化する一方で、街の“自然”と“落ち着き”はそのまま残っている。
しょうぶ沼公園には約8,000株のハナショウブが植えられ、6月には見渡す限りのショウブが広がる。電車が近づくにつれ、車窓から一気に緑が視界を埋め尽くす光景は、都内でも珍しい“駅前の自然景観”だ。
こうした再開発によって、北綾瀬は今、「かつてはアクセスに課題があった静かな街」から
「利便性と自然の近さが溶け合う新しい生活拠点」へと進化している。
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足立区役所で北綾瀬の再開発についてインタビュー
足立区役所の職員である、大越さんと小宮さんに、北綾瀬エリアの再開発について詳しい話を伺ってきた。
―まずは北綾瀬エリアの特徴について教えてください。
大越さん:北綾瀬については、もともとは綾瀬駅で必ず乗り換えが必要な支線の終着駅という位置づけで、正直、利便性の面では綾瀬に一歩譲る住宅街だったと思います。
ただ、東京メトロ千代田線の直通運転が始まり、なおかつ始発駅になったことで状況が一気に変わりました。北綾瀬から座って大手町方面へ行けるというのは、通勤される方にとって非常に大きな魅力で、住民の方からの評価も高いと感じています。
小宮さん:鉄道の利便性が上がったタイミングに合わせて、民間の開発も動き出しました。以前は「店がポツポツあって、なんとか生活はできる」という程度の駅前だったのが、ららテラス北綾瀬ができたことで雰囲気がガラッと変わりました。
―再開発の現況について教えてください。
大越さん:区としては、北綾瀬は綾瀬駅とはまた違う強みを持たせていきたいと考えています。車のアクセスの良さに加えて、駅前にしょうぶ沼公園があり、少し足を延ばせば東綾瀬公園など緑の多い環境もある。こうした特性を生かして、「子育てファミリーが暮らしやすい街」という方向性を意識しています。
その一環として、ららテラスの中に子育てサロン北綾瀬を整備しましたが、平日昼間でもにぎわっていて、商業施設と子育て支援機能の相乗効果が出ていると感じています。
小宮さん:利便性が向上した一方で、ほかと違って、まだ開発の余地があるという点から期待しているという声はありますね。
大越さん:これまでは「昔から住んでいる方が多い街」という印象が強かったのですが、今後は再開発の進行に合わせて、若い世帯の流入が本格化してくるフェーズに入っていくと思います。始発駅の利便性、駅前商業施設、公園環境という3つの要素がそろったことで、北綾瀬はこれからさらに伸びていくポテンシャルの高いエリアだと捉えています。
新しく生まれ変わった北綾瀬を歩いてみた
実際に北綾瀬駅周辺に足を運んで、再開発による変化を体感してみた。
駅北側へは、ペデストリアンデッキを渡ってそのまま直通で「三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」へ。休日の買い物はもちろん、仕事帰りにふらっと立ち寄るにも申し分ない利便性だ。
スーパー、書店、ファッション、100円ショップ、そして約10店舗が並ぶフードコートまでそろい、日常生活に必要な機能が “駅前だけ”で完結する。
高架下の空間を生かした商業施設「M’av北綾瀬Lieta」には、カフェ、テイクアウト専門店、雑貨店など、生活に寄り添う店舗が10店ほど並び、駅周辺に心地よいにぎわいと人の流れを生み出している。
駅の南側へ行くと、しょうぶ沼公園の豊かな緑が広がる。買い物と自然のどちらも駅周辺で完結するのは、北綾瀬ならではの大きな強みだと実感した。
また、駅前を通る環七によって車での移動もスムーズで、「電車・車・徒歩」のすべてがバランスよくかみ合う希少なロケーションでもある。
こうして歩いてみると、あらゆる角度から“暮らしやすさ”が積み上がっていることが実感できる。街の空気に触れながら、ここ北綾瀬がこれから本格的な発展期へ入り、人がさらに増えていく“入り口”に立っていることを強く感じた。
再開発で生まれる“新しい北綾瀬”
北綾瀬の再開発は、単に駅前を便利にするだけではなく、“暮らしの質そのもの”を底上げしている。ららテラス北綾瀬の開業で買い物や外食が駅前で完結するようになり、生活動線は驚くほどスムーズになった。
さらに、駅南側にはしょうぶ沼公園の広い緑地があり、都市の中で“自然を日常的に感じられる”環境が整っている点も大きな魅力だ。電車・徒歩・車すべてにおいてアクセスが良く、日常生活のストレスを軽減する機能がそろっている。
何より、始発駅として座って都心へ通える快適さは、働く世代にとって非常に嬉しいポイントだ。通勤の負担が減ることは、そのまま暮らしのゆとりにつながるだろう。
開発余地のある土地も点在しており、これからの成長の余白をしっかり感じられる。北千住や綾瀬のような商業集積型の街とは異なり、北綾瀬が目指しているのは「子育てファミリーが安心して暮らせる、ゆとりある生活圏」だ。
自然環境を生かしながら生活利便性をさらに磨き、駅から公園へ、住宅地へと続く“歩いて心地よいエリア”をつくっていく。新しい北綾瀬はそんな未来へ向かい、今まさに進化のスタートラインに立っている。
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