政策金利が30年ぶりの水準に。実質金利は依然としてマイナス

12月18日から19日に行われた金融政策決定会合で、日銀は政策金利を0.25%上げ、0.75%程度(誘導目標)とすることを決定した(19日発表)。政策金利が0.75%となるのは1995年9月以来、30年ぶりのこととなる。物価上昇が続いていることに加えて、最近は円安傾向が続いていることから輸入物価が上昇し、結果として物価上昇に拍車がかかることを警戒しての利上げと考えられる。

しかし、現状のインフレ下における0.25%の政策金利上昇が、不動産市況に与える影響は限定的であると思われる。借入れを行う際の名目金利は今回の利上げにより上昇するだろう。しかし、名目金利から物価変動の影響(予想インフレ率)を差し引いた金利である “実質金利” でみれば、依然としてかなり低い状況にある。例えば、直近において1.8%で借入れを行ったとすれば、1.8%-2.7%(日銀が10月の展望レポートで示した2025年の予想インフレ率)=-0.9%となり、実質金利は “マイナス金利” となっている。

今回の利上げで為替相場は多少円高に振れると予想されたが、今のところその気配はない。これが続けば輸入物価は上昇し、建築資材の高騰につながる。建築費の上昇は今後も避けられないだろう。

長期金利2%超え。収益不動産価格への影響は予断を許さない

また、19日には長期国債金利が2%を超えた 。長期国債金利が2%を超えるのは26年ぶりで、こちらも大きなインパクトがある 。長期国債金利は不動産投資におけるベース金利となるため、期待利回りが上昇する可能性があり、そうなれば収益不動産の価格においてネガティブ要因となる。

しかし、ここ数年は賃料も上昇しているため相殺する形になりそうだが、ここからさらに上がる可能性がないともいえず、予断を許さない状況といえる。投資家や購入検討者は、目先の金利動向だけでなく、賃料水準や物件の資産価値をより客観的かつ冷静に見極める必要があるだろう。

吉崎誠二の不動産投資ニュースピックアップとは

不動産エコノミストの吉崎誠二が、不動産投資に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。投資家や業界関係者はもちろん、不動産投資に関心がある人にとって、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。

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