美しさ、強さ、香りのよさなど、さまざまな特徴で人気の東濃ひのき

前回紹介した岐阜県・東白川村の、「東濃ひのき」をふんだんに使った家がリーズナブルに建てられるフォレスタイル。フォレスタイルのパンフレットには東濃ひのきの6つの特徴が紹介されている。

1/木肌が淡いピンク色で美しい
2/香り高く、木目が美しい
3/艶があり、時と共に光沢が増す
4/ほぼ真円で加工性が高い
5/年輪幅が均一で目が詰まっている
6/ねばりがあり、強度にも優れている。

写真を見ているだけでひのきの香りが漂ってきそうな、ぬくもりに満ちた住まい(フォレスタイル施工例)写真を見ているだけでひのきの香りが漂ってきそうな、ぬくもりに満ちた住まい(フォレスタイル施工例)

フォレスタイル事務局の古田さんにも、東濃ひのきの魅力を教えていただいた。

「東濃ひのきは裏木曽というだけあって陰が多い場所で生育するため、成長が遅いのです。ゆっくり育つ分、普通のひのきの倍ぐらい目が詰まっているのが特徴です。ほぼ真円になっているため柱材としてはかなり高性能の強い木になるので、耐震性能に優れた家を建てることができます。
あとは香りが違いますね。私は慣れてしまったこともありますが、遠くから東白川村に来られた方が東濃ひのきに接すると、香りが強く、よりひのきのいい香りがするとおっしゃいます」

そんな高級ブランド材の東濃ひのきをふんだんに使った家を、価格を抑えながら自由設計で建てられるのがフォレスタイルの魅力だ。

東濃ひのきの柱、家具や名産品などのプレゼントは村からの助成。村を挙げて家づくりをサポート

フォレスタイルで家づくりを楽しむ人に、東白川村では多彩なプレゼントを贈っている。家を建てた多くの施主が魅力に感じているのが、東濃ひのきの柱、まるまる1棟分のプレゼントだろう。

その条件は、1,000万円(税込)以上の新築・増改築を契約し、村内の工務店が工事を行った場合。また、工法は一般的な在来軸組工法に限られる。家の建築後は見えなくなる構造柱などにも東濃ひのきを使うという贅沢なつくりは、林業が盛んな東白川村が地域振興を目的に運営するフォレスタイルだからこそ可能な、魅力的な助成のひとつだろう。

「家の大きさによりますが、東濃ひのきを10本使おうが50本使おうが、全部村が負担します。その分、建築費から引くことができますのでお客さまにもメリットがありますし、工務店さまも受注しやすくなるというメリットがあると思います。以前、お客さまから相談があり、ハウスメーカーで80万円ほどの価格を提示された丸太の大黒柱も、村の製材組合に問い合わせたところ数万円で可能とのことでした」

たまったポイントは農産物などのほか、家と合わせた家具とも交換が可能だ(フォレスタイル施工例)たまったポイントは農産物などのほか、家と合わせた家具とも交換が可能だ(フォレスタイル施工例)

また、工事が順調に進み、記念すべき上棟式には村長をはじめ東白川村の関係者も出席してお祝いをするという。その際、神棚などの木工品、美濃白川茶など、村からのお祝いの気持ちを届けているそうだ。

ホームページからマイページにメンバー登録を行うと、木の家シミュレーターなどさまざまなコンテンツを利用でき、マイページへのログインや木の家シミュレーターでの間取りの保存、掲示板への書き込み、クイズへの挑戦など、利用頻度に応じて自動的にポイントが加算。たまったポイントは上棟が確認できたら無垢材のテーブルやテレビボードなどの家具、地元産のお茶や野菜などの農産物、名産品などから最大40万円分までのプレゼントと交換できる。

「1ポイント1円で交換できます。20万円分ぐらいは多くの方が獲得されるので、お米や朴葉寿司、お茶などの定期購入をされる方がいるほか、家の雰囲気に合う家具が欲しいということで、ひのきのベッドやテレビボード、テーブルなどを作ってもらう方もいらっしゃいます。最近は東白川村産のお米がおいしいと好評ですね。ポイントの有効期限は、家の完成後から1年間となっています」

東白川村を代表する工務店営業のような仕事にやりがい。東濃ひのきが知れ渡ることにも喜びを感じる

お話をお伺いした東白川村役場 フォレスタイル事務局の古田千也さん。「産直の東濃ひのきを使用した質の高い木の家を、お求めやすい価格で建築します。建てたい家の間取りや予算等に合わせてご希望の建築士や工務店をご紹介します。お気軽にお問い合わせください」お話をお伺いした東白川村役場 フォレスタイル事務局の古田千也さん。「産直の東濃ひのきを使用した質の高い木の家を、お求めやすい価格で建築します。建てたい家の間取りや予算等に合わせてご希望の建築士や工務店をご紹介します。お気軽にお問い合わせください」

2010年にフォレスタイルを開始してからおよそ15年。工務店や施主の評価はどうなのだろうか。

「先日お会いしたお施主さまは、フォレスタイルを選んでよかったとお喜びでした。価格面の魅力のほか、工務店さんは何でも相談ができて安心だったということでしたし、大工さんの腕もいいと感じたそうです。
ほかのお施主さまも、思ったよりリーズナブルに家を建てられてよかったと評価してくださり、考えていた以上に木をふんだんに使えたこと、また帰宅したらひのきのいい香りに包まれてリラックスできる、とお話しでした。相談に来られる方は、木を使った家を建てたいとご希望の方が多いので、より満足度の高い家になるのではないでしょうか。

あとフォレスタイルの特徴だと思いますが、家を建てる人にとっては、やはり公務員が間に入っているという安心感があるようです。『行政からの紹介で家を建てるのだから、工務店も適当な仕事はできないだろう』と考えていらっしゃるようですね」

フォレスタイルのやりがいについてお聞きした。

「村民相手に仕事をするのではなくて、どちらかというと村外の人とお話をすることが多く、『うちの村の工務店で家を建てませんか』という、仕事内容としては工務店さまの営業担当に近い感じでしょうか。行政の職と少し変わっているところが面白いと思いますし、お施主さまから直接声が聞けること、例えば『フォレスタイルで家を作って満足している』という声もあれば、『もう少しこうしたかった』などという反応もあったりしますし、そのようなお話を次回の家づくりにどう活かせばいいかを考えることも楽しいと感じています。

あと、東白川村の東濃ひのきが少しでも有名になって、その名前を見たりするとうれしいですね。まさか東京の方から『家づくりで東濃ひのきを使いたいんです』などと受注があるとは思わなかったですし、地元の名産が広く知れ渡ることを誇らしく思います。

先日完成した家の写真撮影に何件かお邪魔させていただいたのですが、『暮らしやすい家を建てられてよかった』という生の声をお聞きしました。フォレスタイルの担当者は変わっていきますが、それぞれの担当者がお施主さまからお喜びの声をお聞きしている満足度の高い事業ということもあり、とてもやりがいと責任のある仕事だと感じています」

県外にもフォレスタイルのシステムを無償で提供。一方で後継者育成などの課題も

フォレスタイルは、長野県の信濃町、和歌山県の竜神村にシステムを無償で提供している。

「東白川村と同様の取り組みをしたいとご連絡をいただきました。それぞれ地元産の木を活用した家づくりを行っています」と古田さん。特に費用などは徴収していないという。

フォレスタイルの施工エリアは基本的に岐阜、愛知、三重の東海3県。ただ、施工エリア外であっても工務店がOKなら施工を行うという。

「以前、東京都内にお住まいの方から、どうしても東濃ひのきを使った家を建てたいというご相談がありました。ぜひ東白川村の腕のいい大工さんを連れてきて家を建ててほしいという依頼があり、工事期間の宿泊代は全部負担するということでしたので、都内まで行って家を建てたこともあります」

県外にまで魅力を発信する、東濃ひのきをふんだんに使ったフォレスタイルの住まい。広がりを見せる一方、課題もあるという。後継者問題だ。

「林業も農業も同様なのですが、後継者問題は以前からあります。村内に10社ある工務店も、次の世代がいる工務店さんはおそらく2~3社ですので、現在の社長が引退したら家を建てられる工務店が大幅に減ってしまう可能性があります」と古田さん。

もちろん手をこまねいているわけではなく、後継者育成のために、東白川村では隣の白川町と共同で1997年(平成9年)に木造住宅建築のスペシャリストを養成する「濃飛建設職業能力開発校」を開校。東白川村からも講師として指導に出向いているものの、現在、村の生徒がおらず、後継者の育成ができていないのが悩みと話す。

今度取り組みたいのが、ICT技術などを駆使した、より楽しく効率よく進められる家づくり。

「フォレスタイルの開始当初、木の家シミュレーターを使ってwebサイト上で間取りを作成できたり概算金額を算出できたりするのは、かなり先進的な取り組みだったと思います。現在でも間取りの作成はできても、概算金額まで算出できるシステムはほとんどないのではないでしょうか。
ただ、今は当時よりICT技術が格段に進化していますし、5年先10年先を見据えて、何か新しい施策に取り組もうと考えているところです」

空き家バンクの整備やさまざまな補助金の支給など、移住定住政策も積極的に展開

一部を除く多くの自治体と同様に、人口が減り続けている東白川村。移住定住政策にも注力していると話す古田さん。

「20年後だったと思いますが、村の人口が1,000人を切るというシミュレートが出ていて。村では、空き家バンクの整備など移住定住政策に力を入れ、最近まで使われていた空き家を活用した体験移住なども積極的に行っています。田舎なので家が大きいことが特徴で、林業や農業に興味のある方などのご利用が多いですね。DIYが上手な方が多く、DIYをしながら住んでみたい、という方が移住して来られるなど、人口が増えるところまではいきませんが、人口減少は緩やかになっています」

東白川村の、空き家バンクホームページ東白川村の、空き家バンクホームページ

村民が暮らしやすいように、また他の自治体からの移住定住者を獲得するために、東白川村ではさまざまな支援制度を用意。120万円を上限に、水道加入分担金の40万円還付、浄化槽設置補助金の50万円増額上乗せ、Iターン・Uターン奨励助成金30万円の支給などを行っている。
村で新婚生活を始める夫婦には住宅取得費用・住宅賃借費用、引越し費用、リフォーム費用の一部を、1世帯あたり上限30万円まで補助。29歳以下の場合は上限60万円となっている。

また、お金のかかる子育て世帯にも配慮し、村内で暮らし、村内の保育所に入所している3歳以上の児童の保育料の無料化、高校へ通学するためのバス代を無料にしたり、自家用車を使う生徒には、月額1万円を補助する高校生通学支援事業補助金制度なども用意している。

全国から人が集まる「つちのこフェスタ」などのイベントも開催。川沿いの道のドライブも楽しい、自然豊かな東白川村

つちのこ本気捜索。今年の賞金はなんと132万円!つちのこ本気捜索。今年の賞金はなんと132万円!

東濃ひのきや白川茶が有名な東白川村では、毎年5月につちのこフェスタを開催。全国から多くの人が訪れるという。

「つちのこの目撃例がおそらく日本でいちばん多い村で、毎年5月3日につちのこをみんなで探そうというような、つちのこフェスタを開催しています。村の人口がおよそ2,000人なのですが、今年は2,500人ぐらい集まりました。村内よりも村外の方が多くいらっしゃいます。今年は遠いところでは北海道から、昨年は沖縄から来てくださった方がいました。毎年春に盛り上がるイベントです」

フェスタでは、「つちのこ本気捜索」「つちのこ宝さがし」「つちのこ捜索ラリー」「マスつかみ」「特産品抽選会」「丸太切り競争」などのイベントが行われ、飲食屋台村も出店するという。つちのこ本気捜索はキャリーオーバー発生中で、なんと今年の賞金はつちのこ生体1匹あたり132万円となっている。

緑豊かな山に囲まれ、道沿いには清らかな川の水が流れる東白川村。美濃太田駅からのレンタカーでのドライブは爽快そのものだった。
そんな自然豊かな東白川村の名産品、東濃ひのきをふんだんに使った癒やしの木の家を建てたい人は、ぜひフォレスタイルのwebサイトをご覧いただきたい。

■東白川村/フォレスタイル
https://www.forestyle-home.jp/

■東白川村
https://www.vill.higashishirakawa.gifu.jp/

■東白川村 移住・交流サイト
https://www.vill.higashishirakawa.gifu.jp/tsunagaru_navi/ijyu_koryu/

つちのこ本気捜索。今年の賞金はなんと132万円!毎年5月3日に開催されるつちのこフェスタ。県外からも多くの参加者が集まり村がにぎわう一大イベント

公開日: