西宮北口駅と武庫之荘駅の間、武庫川橋梁上に新駅を設置
阪急電鉄神戸線は大阪梅田駅から神戸三宮駅までを結び、そのまま神戸高速線に直通し新開地駅に至る。大阪と神戸という2つの都市を結び、その途中尼崎市、西宮市、芦屋市と、住宅地としても人気の高い地域をつなぐ、都市間輸送の大動脈だ。
そんな阪急神戸線に、新駅「武庫川新駅(仮称)」が設置される予定だ。2022年11月には、阪急電鉄株式会社、尼崎市、西宮市の3者間で、新駅設置に関する基本合意の署名式が行われた。新駅は、西宮北口駅(西宮市高松町)と武庫之荘駅(尼崎市武庫之荘一丁目)の、ほぼ中間点に設けられる。
両駅間には武庫川が流れることもあり、約3.3kmの距離がある。駅間距離が長いため、両駅間の住民はいずれかの駅までバスを利用する人も多い。そのため、新駅を望む声は多かったのではないだろうか。
実はこの新駅設置については、長年にわたり検討されてきた。1942(昭和17)年、当時の瓦木村が西宮市と合併する際、その覚書に既に本件が含まれていたというのだ。つまり2022年に新駅設置の基本合意に至るまでに、実に80年を要したことになる。LIFULL HOME'Sが実施した「みんなが探した!住みたい街ランキング2023近畿圏版」の借りて住みたい行政区ランキングでは、1位が西宮市、2位が尼崎市となっており、どちらも住宅地として人気が高い。その地域内で新駅ができれば、人口動向により好影響をもたらすだろう。人口が増えれば市の財政安定につながるため、新駅設置を検討するにあたり重要なポイントだ。
新駅のホームは2004年に改築された武庫川橋梁上に2面、つまり上下線それぞれに設置されるという。改札口は2ヶ所。武庫川をはさんで両岸にそれぞれ設け、西宮市・尼崎市それぞれの住民が利用しやすいよう考慮する。
大阪と神戸のまん中。どちらにもアクセス良好な西宮北口駅と武庫之荘駅
武庫川新駅の神戸寄りの隣駅になるのが西宮北口駅。大阪寄りの隣駅になるのが武庫之荘駅だ。どちらも、大阪と神戸の両方面にアクセスしやすい便利な地域である。西宮市といえば、阪神甲子園球場や、正月の福男神事で有名な「えべっさん」で知られる西宮神社など、全国的に知られたスポットがあるが、「西宮」とだけ耳にした場合、関西ではこの西宮北口駅付近を思い浮かべる人が多いかもしれない。「ニシキタ」と呼ばれることも多いこのエリアは、「大阪と神戸のちょうど真ん中」とよく表現される。西宮北口駅は、阪急神戸線の特急停車駅であり、また、阪急今津線が交差する駅でもある。阪急神戸線、今津線双方の利用者がいるため、駅の乗降客数は多く、阪急電鉄全駅内で3位を誇る。
駅南側には阪急百貨店や阪急西宮ガーデンズなどの大型複合商業施設、また世界的指揮者・佐渡裕氏が芸術監督を務める兵庫県立芸術文化センターなどがあり、西宮北口駅周辺を目的地として来る人も多いエリアだ。とはいえ駅北側にはアクタ西宮など、日常に欠かせないショッピングセンターもあり、おしゃれでありながら、日常の暮らしの利便性を感じさせる街だ。駅周辺には大規模マンションが多いが、少し歩くと閑静な住宅地が広がる。
1995年の阪神・淡路大震災以降、駅の南東エリアでは長らく商業施設などの開発が進められてきたが、その締めくくりとして2023年9月には、阪急西宮ガーデンズ西側に賃貸住宅、オフィス、商業施設からなる地上14階建ての新しい複合ビルも開業予定だ。
一方、武庫之荘駅は、普通と通勤急行が停まる阪急神戸線の駅だ。西宮北口駅ほど規模は大きくないが、阪急電鉄全駅内で乗降客数が9位となるなど、多くの人が利用している。武庫之荘駅は尼崎市の西端にあたり、大阪っぽいにぎやかさやをイメージされることが多い尼崎の印象とは、少々異なる。
駅前は商業施設や飲食店などがそろっていて、便利だが喧噪感はなく、街の印象は落ち着いている。公園も多く、また春になると、線路沿いの見事な桜並木が乗降客や地元の住民を楽しませる。
大阪梅田駅へは、ラッシュ時でも17分程度で行ける便利な立地でありながら、閑静な住宅地が多い武庫之荘駅は、乗降客の多さからも住宅地として人気が高いエリアであることがわかる。また、西宮北口駅周辺にもいえることだが、武庫之荘駅周辺はフラットな地形でアップダウンが少なく、高齢者でも生活しやすい。
阪神間でも屈指と言える住環境をもったこの2駅の間に、新駅は設置される。
新駅に期待する両市。検討報告会が示したメリットとは
西宮北口駅と武庫之荘駅の間は、阪急神戸線において最も駅間距離が長い区間だ。阪急神戸線は2020年に開通100周年を迎えたが、1942年の瓦木村と西宮市の合併時の覚書にすでに新駅の話が盛り込まれているということは、比較的初期の頃から要望があったことになる。
西宮市を中心に検討されてきた新駅構想だが、2013年には尼崎市も加わり、兵庫県、尼崎市、西宮市、阪急電鉄の4者で構成する「武庫川周辺阪急新駅に関する検討会」を設置。新駅の事業効果や整備の考え方等について検討が重ねられた。
駅ができることで周辺地域にどのような効果がもたらされるのだろうか。
2021年9月には、「武庫川周辺阪急新駅に関する検討報告書」で、検討会での分析結果が発表されている。その内容はこうだ。
設置予定の新駅の約1km圏域に限定した、新駅設置の有無による将来人口の差は、新駅を設置した場合、西宮市では「増加傾向が顕著」とされ、尼崎市では「減少に抑制効果」があるとした。税収見込みの差については、新駅設置により西宮市では年間約2億円の増収見込み、尼崎市では年間約1.22億円の増収見込みとしている。また新駅近隣の鉄道駅、たとえば西宮北口駅・武庫之荘駅はもちろん、JR甲子園口駅(西宮市)、JR立花駅(尼崎市)からの転換利用者人数(乗降)は、西宮市・尼崎市合計で2万2,623人であるとした。両市はそのほかの効果として、河川敷を活用した地域の活性化交流促進や、南北の地域間交流の活性化、放置自転車の減少なども見込んでいる。
住宅地としてますます注目される駅近立地
都心では駅近物件の人気は依然として高い。高齢世帯や単身世帯が増加すると、車がなくとも気軽に出かけることができ、買い物や通院にも困らない生活至便な駅近物件が好まれる傾向は、より顕著になっていくだろう。
高度成長期に開発された阪神間の高級住宅街の多くは、いわゆる山手に広がっている。駅から離れ、バスや自家用車が交通手段となる地域も多い。住民が年齢を重ね、そのような坂道の多い住宅地や、駅から遠く車が必要な住宅地での生活が困難になってくると、やはり駅近の住まいを望むケースも増える。
新駅ができるということは、新たに駅近物件が生まれるということだ。つまり新駅周辺はその利便性の高さから、住宅地としての価値も向上するだろう。
尼崎市が挙げる新駅設置効果に「まちの魅力向上による転入増加」とあるのがまさにそれだ。西宮市も「公共交通の利便性向上による人口増加」を新駅設置効果としている。両市とも、今後、住宅地として駅近の重要性がますます高くなると見込んでいるのだろう。
鉄道の利便性が向上すれば、交通手段の転換が図られ、自動車利用の減少による道路混雑の緩和や環境負荷の低減も期待できる。
武庫川の両岸は、松並木の茂る高い堤防や、河川敷緑地として美しく整備され、良好な景観を保つ。新駅開業後、周辺はどう変わるのだろうか。阪急電鉄、西宮市、尼崎市は新駅設置の具体化に向け連携し、10年以内(2032年まで)には設置したいとしている。
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