千葉を代表する公園として親しまれる千葉公園
千葉公園とは、JR千葉駅の北側約600メートルの場所に位置する千葉市の公園である。広さは約16haであり、東京の日比谷公園とほぼ同じ面積となっている。公園内にはオオガハスの群生を観賞できる池や、スポーツ施設が配置されており、千葉市民にとってなじみのある公園だ。
最寄り駅であるJR千葉駅は千葉市内最大のターミナル駅となっており、千葉駅から歩いて行ける千葉公園は交通利便性が高い。千葉市のホームページでは、千葉公園のことを「千葉のセントラルパーク」とも称しており、都心のオアシス的な存在だ。
JR千葉駅は複数路線の結節点となっており、「Y字」状に線路が延びている。千葉駅周辺は、Y字に延びた線路によって「東口」「西口」「北口」の3つに地域が分断されている点が特徴だ。
東口は大通りの先に千葉県庁があることから、繁華性が最も高く、オフィス街や歓楽街が形成されている。西口は埋立て前の旧海岸線に近く、もともとの面積が狭かったこともあり、商業繁華性は低い。
北口は主に一戸建ての住宅街が広がっている。千葉公園は住宅街が広がっているJR千葉駅の北口側にあり、緑豊かな住環境を形成するシンボリックな存在となっている。
「市の花」オオガハス
千葉公園はオオガハスの群生が見られることから、根強いファンが多い公園だ。オオガハスは古代ハスとも呼ばれており、1951年(昭和26年)に植物学者の大賀一郎博士が千葉市内で約2,000年前の種を発見し開花に成功させたものとされている。
オオガハスは千葉市の指定の花であり、千葉市のキャラクターである「ちはなちゃん」もオオガハスをモチーフにしている。
オオガハスは誕生秘話もさることながら、凛として咲く優美な姿そのものが美しく、愛好家も多い。毎年6~7月に見頃を迎え、開花時期には千葉公園は多くの人でにぎわっている。千葉公園は単なる公園ではなく、オオガハスという集客パワーを持っている点が一つの特徴である。
千葉公園の現状
千葉公園は、戦前までは旧陸軍の鉄道第一連隊があった場所だ。千葉市や習志野市はかつて軍郷とも呼ばれ、広い軍用地が存在していた街である。両市には、広い軍用地を公園や大学などに転換したケースが多い。
千葉公園も軍用地を転換した施設であり、1946年(昭和21年)に総合公園として整備することが決定されて生まれた公園だ。昭和40年代には現在とほぼ同じ形になり、現在ではさまざまな施設が老朽化を迎えている。施設全体としてのバリアフリーは十分ではなく、トイレも暗いといった課題がある。
戦後はほとんど樹木のない状態であったが、現在では植栽された樹木が大きく成長しており、逆に公園内の暗さや見通しの悪さを生み出している。強風時には倒木や落枝の懸念も生じている状況だ。
また、千葉公園は、周辺施設との回遊性が低いという課題もある。千葉駅からアクセスする道路の歩道も狭く、外灯も少ないため夜間は歩きにくい。近くにある千葉市中央図書館との往来もしにくい点も課題だ。千葉市中央図書館は比較的新しくきれいな施設であるため利用者も多いが、千葉公園との一体的な利用ができない状況にある。
さらに千葉公園内にはなぜか車道が通っており、公園内を安心して利用できない部分も残っている。
千葉市が公表している「千葉公園再整備マスタープラン」には、「地域の回遊性・連携」といったキーワードも上がっており、園内道路の見直しや周辺地域も含めた一体的な整備がもくろまれている。
今後求められること
千葉公園再整備マスタープランでは、千葉公園の目指す将来像として以下の4点を挙げている。
千葉公園再整備マスタープラン千葉公園のめざす将来像
(1)緑と水辺に囲まれた心地よい公園
憩いの場として心地よい空間とするために、樹木環境やビューポイント、休憩スペースの整備が求められている。樹木に関してはランドマークとなる大きな木は残し、公園内を暗くしている樹木に関しては間引きしていくことが想定されている。また、千葉公園の最大の特長であるオオガハスの群生も、全体を見渡せるようなビューポイントが整備される予定だ。
(2)一日、一年を通して賑わいや交流を生む公園
訪れたくなる公園とするために、広場空間やスポーツ施設、駐車場、トイレの整備が求められている。現在の千葉公園はオオガハスの開花時期には高い集客力はあるが、一年を通じて多くの人が訪れるかというと、そうでもない状況にある。年間の来場者数を上げるために、体育館や競輪場があるスポーツゾーンを中心ににぎわいが創出できる空間が整備される予定だ。
(3)まちとつながる公園
千葉公園へのアクセスを向上させるために、地域の回遊性や連携が向上するような整備が求められている。
1つ目としては、近隣にある千葉市中央図書館とのアクセス向上だ。現在、図書館と公園は施設としては断絶しており、自由な往来がしにくい。双方を往来できるバリアフリーのプロムナードが整備される予定であり、互いの施設によい影響を与えることが期待されている。
2つ目としては、JR千葉駅からのアクセスの整備である。具体的には、歩道を広げ、外灯や誘導サインを設置し、アクセスしやすくなることが求められている。
(4)みんながつくり育てる公園
公園の管理運営力を向上させるために、持続可能な運営体制の整備も求められている。
民間企業やボランティア団体の協力を得ながら、整備後の管理体制を築き上げていくことも課題だ。幸いにも千葉市にはオオガハスに関連するボランティア団体が多く、毎年千葉公園で行われる「大賀ハスまつり」には多くのボランティアが協力して運営がなされている。オオガハスに関してはボランティアによる公園の運営の一部が既に確立されており、整備後もスムーズにボランティアが運営に参画してもらえるものと思われる。
整備予定施設
千葉公園では、スポーツゾーンを中心に既に整備が始まっている。整備の第1弾は、2021年10月よりオープンした自転車競技場である「千葉JPFドーム」だ。
千葉JPFドームは、自転車競技の国際規格に基づいた250メートル木製トラック(バンク)を有する多目的スポーツ施設となっている。バンクと観客席との間に柵がないため、臨場感あふれる観戦を楽しめるだろう。
整備の第2弾は、「(仮称)千葉公園体育館」の建設である。「(仮称)千葉公園体育館」は、2023年の3月に供用開始される予定である。
スポーツゾーンでは新たな施設が整備されており、今後、「賑わいエリア」と「ドーム前広場」も続く予定となっている。
「賑わいエリア」と「ドーム前広場」の整備に関しては、大和リース株式会社を代表企業とするグループが2022年2月に事業予定者として決定している。整備の具体的な内容は、「8,000平米の芝生広場」や「飲食店」「スケートボード等の走行施設」「150台程度の駐車場」「ビューポイント」の整備だ。芝生広場はもともとあった野球場を撤去することで生まれる予定である。
「賑わいエリア」「ドーム前広場」の整備・運営事業は、主に公園内を整備する第1期整備と位置づけられており、終了後に地域の回遊性・連携を強化する第2期整備に移行することになっている。
今後の計画
公園内を整備する第1期整備に関しては、具体的なスケジュールが明らかになっている。工事は2023年1月ごろに着手し、供用開始は2024年春ごろとなっている。
一方で、周辺環境を整備する第2期整備に関しては、具体的なスケジュールは明らかになっていない。「千葉公園再整備マスタープラン」によれば、第1期整備の終了後に第2期整備が行われるイメージ図が示されており、恐らく2024年あたりから着手するものと思われる。なお、再整備といっても工事は公園内の一部を仮囲いしながら行っているだけであり、現在でも千葉公園は普通に利用できる。
特にオオガハスが見られる綿打池の周辺では工事が行われていないため、オオガハスを観賞したり、池の周りをランニングしたりすることは可能だ。千葉市はオオガハスの発祥の地でもあるため、興味があれば一度、千葉公園を訪れてみるのもいいだろう。
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