幕張豊砂駅とは

幕張新都心幕張新都心

2023年春にJR京葉線において、「幕張豊砂(まくはりとよすな)」という新駅が開業予定となっている。場所は「海浜幕張」駅(東京駅から37分)と「新習志野」駅(東京駅から34分)のほぼ中間地点であり、イオンモール幕張新都心の目の前となる。

所在地としては「千葉市美浜区浜田2丁目」となっており、千葉市と習志野市の境界付近に位置する。新駅の目の前にあるイオンモール幕張新都心は、「千葉市美浜区豊砂」という地名に所在するため、駅名の由来にもなっている。

2020年に開業したJR山手線「高輪ゲートウェイ」駅と同じく、「幕張豊砂」駅の名前も公募方式で決まった。「幕張豊砂」駅の特徴としては、鉄道の操車場(ヤード)に隣接した箇所に建設されるという点である。操車場に隣接した敷地に建設される駅という点に関しても、JR山手線「高輪ゲートウェイ」駅と共通である。

幕張新都心出典:幕張新都心拡大地区新駅設置に係る基本調査結果の概要について 幕張新都心拡大地区新駅設置調査会 新駅の位置

「幕張豊砂」駅は、JR京葉線の南西側にイオンモール幕張新都心があり、北西側に操車場が広がっている。北西側は操車場によって街が分断されており、新しい駅舎は南西側のイオンモール幕張新都心に向けて建てられる。

ただし、北西側に対しては自由通路が整備される計画だ。自由通路は駅舎の工事が完了した1年後に開通する予定となっている。自由通路ができれば、「幕張豊砂」駅から操車場の北西側に抜けることができるようになる。
操車場の北西側には千葉運転免許センターがあり、「幕張豊砂」駅ができれば千葉運転免許センター側へも歩いて行くことが可能となる。

操車場にできた駅は、近隣の人であれば近くのJR総武線「幕張本郷」駅をイメージすると分かりやすいといえる。JR総武線はJR京葉線と並行して走っており、「幕張本郷」駅は「幕張豊砂」駅の北西側に位置する。

「幕張本郷」駅も操車場に沿ってできた駅であり、操車場の反対側へは通路を渡って往来できるようになっている。たまたま、どちらも「幕張」という地名がついた駅になるが、駅の構造も似たような形になると予想される。

新駅開発の経緯

幕張新都心幕張新都心

千葉市が公表している資料によると、新駅はまず2015年12月25日に幕張新都心拡大地区新駅設置調査会という組織が立ち上がってから検討が始まっている。 当時の幕張新都心拡大地区新駅設置調査会の構成員は、千葉市、習志野市、イオンモール、千葉県となっている。

その後、2017年12月15日には組織が幕張新都心拡大地区新駅設置調査会から幕張新都心拡大地区新駅設置協議会に変更され、メンバーからは習志野市が離脱し、千葉県と千葉市、イオンモールが構成員となった。2018年4月20日にはJR東日本と新駅の位置や費用負担割合に関する協定書が締結されている。新駅の工事は、2020年7月下旬より着手し、2023年春に開業予定となっている。

新駅建設の費用負担の割合はイオンモールが2分の1、千葉県と千葉市、JR東日本がそれぞれ6分の1となっている。なぜイオンモールの負担が2分の1もあるかというと、新駅ができることで最も利益を享受することができるのがイオンモールだからだ。

幕張新都心拡大地区新駅設置調査会は、2015年12月25日に立ち上がったが、イオンモール幕張新都心はその2年前になる2013年3月に既にオープンしている。実際にイオンモール幕張新都心を見に行くと、新築当初から「おそらくここに駅ができるのだろう」と思われる空間が出来上がっており、新駅を想定した形でイオンモール幕張新都心が開発されたものと推測される。

ほかの地域の人は、一企業であるイオンモールがなぜ新駅を造れるほどの力があるかと疑問を抱くかもしれない。実はイオンモールはお隣の「海浜幕張」駅に本社を構える企業であり、市民に多くの雇用を生み出しており、千葉市では有力な地元企業なのだ。

そのため、単なる一企業ではなく、地元の有力企業としての意向が働いたことから、新駅構想が実現したものと推測される。

出典:「幕張新都心拡大地区新駅設置に係る基本調査結果の概要について」
https://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/kotsu/documents/makuharishineki-kihoncho-gaiyou290131.pdf

「幕張新都心拡大地区新駅設置の事業進捗について」
https://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/kotsu/documents/20201030makuharishinneki.pdf

「「幕張新都心拡大地区新駅設置に関する基本協定書」を締結しました」
https://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/kotsu/documents/kyougikai_press_300420.pdf

幕張新都心出典:千葉市 幕張新都心拡大地区新駅設置の事業進捗について

幕張豊砂駅により期待されること

「幕張豊砂」駅が開業されることで、以下の2点が期待される。

「幕張豊砂」駅東側。海浜幕張駅の幕張新都心および千葉県運転免許センター方面「幕張豊砂」駅東側。海浜幕張駅の幕張新都心および千葉県運転免許センター方面

(1)イオンモール幕張新都心へのアクセスが良くなる


1つ目は、イオンモール幕張新都心へのアクセスが良くなる点だ。現在、イオンモール幕張新都心の最寄り駅は「海浜幕張」駅であるが、「海浜幕張」駅からイオンモール幕張新都心へは約980mの距離にある。980mなので徒歩分数に換算すると徒歩13分となるが、歩いて行くには少し遠いと感じる。「海浜幕張」駅からは巡回バスが通っているため、実際にはバスを使う人も多い。

「幕張豊砂」駅ができれば、駅の目の前にイオンモール幕張新都心があるため、今よりも買い物がしやすくなるといえる。また、同じく豊砂にはコストコホールセール幕張倉庫店もあり、「幕張豊砂」駅ができればコストコホールセール幕張倉庫店へも電車で買い物に行くことができるようになる。

一方で、イオンモール幕張新都心やコストコホールセール幕張倉庫店で働く人たちにも「幕張豊砂」駅はありがたい存在となる。今までは職場に行くのに自家用車が必要であったが、電車でも通勤できるようになるメリットは大きいだろう。

(2)千葉運転免許センターへのアクセスが良くなる


2つ目は、千葉運転免許センターへのアクセスが良くなる点だ。千葉運転免許センターは、免許の取得や更新を行う施設であり、千葉県内に住む多くの人が利用している。千葉県には運転免許センターが千葉市と流山市の2ヶ所にしかなく、千葉市の運転免許センターは常に混雑状態となっている。

千葉市の千葉運転免許センターは、現時点では「海浜幕張」駅が最寄り駅となっているが、「海浜幕張」駅から歩くには少し遠い場所に位置する。「海浜幕張」駅からはバスを利用する人が多く、バスの所要時間は約5分だ。多くの人が利用する施設の割には、少し不便な場所にあるというのが千葉運転免許センターの印象だ。

千葉運転免許センターは「幕張豊砂」駅の操車場を挟んで東側に位置しており、自由通路が開通すれば「幕張豊砂」駅が最寄り駅となる。運転免許センターが駅から歩ける距離になれば、多くの人の利便性が向上することが期待できる。

「幕張豊砂」駅東側。海浜幕張駅の幕張新都心および千葉県運転免許センター方面千葉運転免許センター

幕張豊砂駅周辺の開発の可能性

JRの新駅ができれば、気になるのは駅周辺の開発可能性だ。
千葉市では、「幕張豊砂」駅南西側の豊砂エリアに「幕張新都心豊砂地区地区計画」を立てている。
https://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/keikaku/gaiyou/documents/06makuhari-toyosuna.pdf


地区計画は、建築可能な建物の用途等を定めた街づくりの計画のことである。幕張新都心豊砂地区地区計画では、業務市街地の形成を目指すことを目標としており、住宅は建築できない用途として位置づけられている。そのため、駅前の土地にマンションが建つ可能性は今のところ低い。

また、地区計画の範囲の中には用途指定が明確になっていない広大な空き地が含まれている。この空き地は幕張メッセの駐車場の敷地となっており、幕張メッセがある限りは駐車場以外の用途には転用されないと推測される。さらに、地区計画の南西側のエリアは公園となっており、その先はすぐ東京湾の人工ビーチが広がっている。

よって、駅の南西側にマンションが建つような土地はほとんどなく、「幕張豊砂」駅近くに新たなマンションが建つようなことは期待できないといえる。一方で、マンションに関しては、現在隣の「海浜幕張」駅において幕張ベイパークの開発が推進中である。

幕張ベイパークには、最終的にタワーマンションが6棟建つことが計画されており、約4,000戸の住戸ができ、約1万人の人が住む街が計画されている。規模としては、元東京五輪選手村のHARUMI FLAGの一回り小さい街となる。

幕張ベイパークでは既に2棟のタワーマンションが竣工しており、現在は3棟目の工事に着手している。幕張近辺に新築マンションを探すのであれば、幕張ベイパークが有力候補となるだろう。

「幕張豊砂」駅南西側。公園および幕張メッセ駐車場が広がる。その先はすぐ東京湾となっており、マンション等の開発余地は見込めない「幕張豊砂」駅南西側。公園および幕張メッセ駐車場が広がる。その先はすぐ東京湾となっており、マンション等の開発余地は見込めない
「幕張豊砂」駅南西側。公園および幕張メッセ駐車場が広がる。その先はすぐ東京湾となっており、マンション等の開発余地は見込めない幕張ベイパーク開発状況。3棟目のタワーマンションが建築中 (2022年2月時点)