地震大国・日本における、地震時の死亡要因
地震はなぜ起きるのか。
知っている人も多いと思うが、地下岩盤にかかる力に岩盤が耐えられなくなった時にズレが起こり、それが地震の発生につながる。
いわゆる地下岩盤がプレートと呼ばれるものだが、気象庁のホームページによると「日本周辺では、海のプレートである太平洋プレート、フィリピン海プレートが、陸のプレート(北米プレートやユーラシアプレート)の方へ1年あたり数cm の速度で動いており、陸のプレー トの下に沈み込んでいる。このため、日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっ ており、世界でも有数の地震多発地帯となっている」という。世界の震度6以上の地震の約2割が日本で起こっているというから、日本が地震大国と呼ばれるのもわかる。
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、今でも被害の影響が残るが、被害の多くは津波によるものであった。しかし、沿岸地域以外で起こる地震の多くの死亡要因は、地震による揺れ等による直接死だという。その直接死の要因の中でも、阪神淡路大震災時の報告である1995(平成7)年の「神戸市内における検死統計」(兵庫県監察医)によると、83.3%が建物倒壊等による死亡であった。また、その次に多い死因は火災だが、火災発生の要因もまた、建物の倒壊などが関係しているという。火災による死因も入れると、命を守るはずの建物が倒壊することで命をうばってしまう、一番の要因になっているのだ。
日本に暮らしている以上、命を守るために地震に強い住まいは、重要であることは言うまでもない。
地震保険とは、どういうものなのか
住まいの倒壊は、人の命にかかわる。
しかしそれ以外にも、大きな問題として、大切な資産が失われてしまうこと、そして住む家がなくなることでもある。震災後、命の無事の次に考えるのは、暮らしの無事や安全が成り立つかどうかであろう。
地震の際の補償を考えるときに、地震保険がある。必ず加入をしなければならない保険ではないが、家を購入する際に、検討する方が多いと思う。
損害保険の一種である地震保険は、地震や津波による災害で発生した損失を補償する保険。1966年5月18日に「地震保険に関する法律」の公布・施行を受けて、国と民間の損害保険会社が共同で運営する制度として誕生した。単独での加入はできず、居住用の建物や家財を対象とした火災保険(住宅火災保険・住宅総合保険・店舗総合保険等)に入っていることを条件に、加入することができる。地震保険は契約時に加入しなくても、保険期間の途中で契約することもでき、その場合、火災保険を契約している損害保険会社または代理店に相談することになる。ただし、大きな地震発生リスクがあがり、警戒宣言が出る場合は「地震保険に関する法律」にもとづき、地震防災対策強化地域については、地震保険の新規契約ができなくなる場合がある。
地震保険の補償内容は、居住の用に供する建物(不動産)および家財(生活用動産)となるが、現金や有価証券、自動車などは対象外となる。
地震保険では、保険の対象である居住用建物または家財が全損、大半損、小半損、または一部損となったときに保険金が支払われる。地震保険に関する法律施行令の改正(平成29年1月1日施行)により、「半損」が「大半損」および「小半損」に分割されたが、支払の範囲は表のとおりとなる。
「万が一の倒壊時、最大5,000万円まで」を給付してくれるが、地震保険で補償される範囲は、もともと火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で、地震保険の保険金額を決めることになっているため、全損となった場合で地震保険の保険金額の100%だったとしても、もとの建物の補償の50%が上限となる。
地震の被害で自宅が倒壊してしまったら、結果、保険で家を建て直すことは難しい。地震保険は、倒壊した住宅を建て直すための資金ではなく、被害にあった生活保障のための保険であるようだ。
そんな中、自社の家を購入したユーザーに、「万一地震で住まいが全壊、または半壊したら、責任を持って原状復帰する」というサービスを提供する会社がある。パナソニック ホームズ株式会社が提供する「地震あんしん保証」について、商品企画室の北郷 進也さんにお話を聞いてきた。
躯体を強固にし、まずは倒れない住まいを。高層ビルにも採用される耐震技術を戸建てにも採用
「パナソニック ホームズでは、社名がナショナル住宅のころから、防災住宅の概念をもとに住まいの企画・開発を行っています。ご存じの通り、日本は昔からの地震大国で、近年でも2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と大きな地震の被害がありました。耐震と防災は住まいにとって重要であり、引き続き取組んでいくべき、課題でもあります」と、北郷さんはいう。
そのためには、まずは住まいの躯体を強固にすることが求められる。
「パナソニック ホームズでは、住まいづくりにHS構法(制震鉄骨軸組構造)という、最高ランクの耐震等級3を誇る頑強な構造技術を導入しています。これは、高層ビル建築にも採用される制震技術を応用した技術で、「アタックダンパー」を採り入れた耐力壁「アタックフレーム」で揺れを低減し、「引張」「圧縮」の両方で耐力を発揮します。
耐震実験では、東日本大震災の築館波などの大地震57回、さらに中地震83回という140回にも及ぶ過酷な振動実験を実施しました。また、阪神・淡路大震災神戸波の4.3倍のエネルギー量である東海地震を想定した施設の限界加振にも挑戦しましたが、構造体に大きな損傷はなく、繰り返す地震に耐える強さを実証しています。」
実際に、同社の住まいは、度重なる巨大地震でも「倒壊ゼロ」という実績を残しているという。
調査やアンケートから見えてきた防災の課題と不安
躯体に自信を持ち、実際に度重なる地震にも「倒壊ゼロ」の実績を持つ同社が、なぜ今回「地震あんしん保証」サービスを行ったのだろうか。
「弊社では、2019年に防災意識調査を行いました。そこから浮き彫りになった課題のひとつとして、“継続した防災の備えのは難しい”ということがわかりました。その課題から提案させていただいたのは、『家の備え×ご家族へのサポート×IoT』で、防災力が持続できる家づくりです。
先にお話しした躯体の強さとともに“家の備え”として、停電時約3日分の電気を確保できる太陽光+蓄電システムや、断水時は約3日間の飲料水を確保できる貯水タンクを備える等、家自体が防災の備えを持続できます。また、施主様専用サイト「Panasonic Homes CLUB」において、備蓄品の入替や災害後の設備復旧手順等の情報提供等、人の意識が及ばない防災を喚起する「防災リマインダー」を用意。お施主さまの有料会員制度「あんしん倶楽部」では、被害に応じて見舞い金を支払う補償サービスなど、住宅業界初となる『防災持続力を備える家』を発表しました。
そして、今回、もうひとつ、2019年6月に地震保険に加入している戸建住宅購入者への調査から見えてきたユーザーの不安が“地震保険で住まいの50%しか保証されないこと”でした。地震保険が“生活の再建”であることに対して、お客様達は“住まいの再建”を望んでいることだという、そのギャップがみえてきたのです。
弊社の建物が倒壊しないという自信をもっていても、自然災害のことですからどうなるかわからない…漠然とした不安にも対応しようと思ったのです」という。
「住まいの安心」を本質から考え、生まれた「地震あんしん保証」
「調査から見えてきたユーザーの不安を、弊社の住まいを購入された方々には払拭していただきたい。せっかく自社での住まいの耐震技術に自信があるのですから、“万が一”を不安に思うお客様のために、2020年4月から、建替えや補修を保証する『地震あんしん保証』サービスを開始しました。」
地震あんしん保証の概要は以下だという。
対象物件: 制震鉄骨軸組構造(HS構法)・大型パネル構造(F構法)の耐震等級3を有する居住用建物(賃貸住宅・賃貸併用住宅を含む)
適用範囲: 計測震度6.8以下の地震の揺れによる建物の全壊、大規模半壊、半壊
保証内容: 全壊時:建て替え、大規模半壊・半壊時:補修を行う
被害判定方法: 市町村が判定して発行する「罹災証明書」および「住家被害認定調査票」による
保証限度額: 1回の地震につき1棟あたり、建物価格、または5,000万円のいずれか低い金額
年度保証限度額: 年度内に日本全国で発生した保証対象物件の損壊に対する保証額の総額
2021年度:4億円、2022年度:6億円、2023年度:8億円、2024年度以降:10億円
保証期間: 引渡し日から10年間
「このことにより、自社のお客様には、建物再建の不安がなくなり、地震保険の保証は"暮らしの安心"のために使うことができます。このサービスは、2020年4月以降契約された対象建物のお客様全員に適用されます。弊社の基本は、松下幸之助 創業者が唱えた『良家』づくりとなります。その住まいづくりの基本となる『強さ』と『暮らしやすさ』のNo.1の家づくり、そして“CS No.1~すべてはお客さまのために”の精神で、こういったサービスや家づくりを今後も検討していきたいと思います」と北郷さん。
住まいは、命を守るものであり、資産である。
建物の損害時の不安がなくなるというのは、「住まいを失う」というもっとも⼤きな精神的な不安が解消できるだろう。地震大国日本だからこそ、躯体への自信があるからこそのサービスだと感じた。
■取材協力
パナソニック ホームズ株式会社
https://homes.panasonic.com/
■地震あんしん保証
https://homes.panasonic.com/common/jishin-hosho/











