日本全国の木材製品・技術の展示
東京ビッグサイトで2019年12月10・11日に開催された「WOODコレクション(モクコレ)」。国産材を利用することの価値を見いだすとともに、今後の木材産業の発展に向け、日本全国の木材製品・技術を展示するイベントだ。主催は東京都、後援は林野庁、(一社)全国木材組合連合会、全国森林組合連合会、(公社)国土緑化推進機構である。
5回目となる今回は、「JAPAN WOOD.JAPAN PRIDE. -日本の木材 日本の誇り-」がテーマ。
41都道府県から合計268の企業・団体などが参加した。会場内は、都道府県をエリアごとに分けた製品・技術の展示ブースを中心に、製品に用いられている国産材のコレクションコーナーなどが設けられている。「WOODデザイン賞2019」「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」の受賞作品展示コーナー、また、メインステージでは建築家や専門家によるセミナーなども行われ、さまざまな角度から日本の木材利用の現状を知ることができる。展示されている製品や技術、利用方法から、新しい木材利用の方向性を見ていく。
国産材の魅力や地域ごとの特徴などが理解できる
日本の森林率は約7割。国土の3分の2が森林である。
木は日本人にとって暮らしの中で馴染みの素材であることは言うまでもない。日本各地の国産材にはさまざまな樹種があり、その材質に適した利用方法がなされている。
今回のイベントでは、国産材の素材感を体感し、素材としての国産材の魅力を知ることができるように工夫されている。特徴的なのは、出展する都道府県の国産材のパネル紹介と丸太のカットの展示。改めて日本の森林の多様性、地域ごとに異なる気候風土、林業文化が育んだ材を確認することができた。
主たる展示である各都道府県ブースでは、組合や協議会など地域全体での木材産業の取り組み、エリアの企業による木材を利用した建材からインテリア、小物まで、さまざまな商品や技術が展示された。
住宅建材や家具、屋外で用いるアイテムなど。「木育」製品も充実
各都道府県のブース展示では、製材や建材など樹種の特性を生かし、床材や木質のタイルなど多様な樹種を用いたもの、伝統的なデザインだけでなくすっきりとしたモダンなデザインの建具などが提案されていた。
また、ログハウスなどのプロトモデル、趣味を楽しむ小屋やセルフビルドの組み立て式の物置など、人気が続いているDIY向けの商品も多くみられ、小屋タイプのサウナなど、暮らしにゆとりを生み出すアイテムも充実。ここ数年、グランピングなどが注目されているが、屋外での時間、自然を楽しむ提案も増えているように感じた。
水まわりの機器としては、天然木材の浴槽、洗面ボウルやキッチンキャビネットなど、こだわりを表現できるアイテムも揃っている。それぞれ機器としての性能や使い勝手が高められ、プランニングによっては個性的な空間を実現できるだろう。
建築物の性能に関わる部材の開発も進んでいる。たとえば、カラマツやトドマツなどの針葉樹のチップを使用した木質繊維断熱材(ウッドファイバー)、不燃性能などを高めた建材や横架材など。また、森林資源を利用した耐火・吸音・化粧ボード、ヒノキの畳床など、さまざまな利用方法がみられた。
その他、家具や小物などの傾向のひとつに「木育」に役立つアイテムが多くみられたことも特徴だろう。
子ども用の椅子やテーブルといった家具や遊具、パズルや積み木など、幼いころから本物の素材に触れる機会を増やすことを目的としたものが充実していた。家庭や保育施設などで用いることを前提とした製品展開となっている。
デザイン賞や建築賞からも木材利用の傾向がみられる
国産木材利用事例の紹介として「WOODデザイン賞2019」や「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」の受賞作品の展示もなされ、それらからは、最近の多様な木材利用の傾向がみられた。
木の良さや価値を再発見できる製品や取り組みについて、消費者目線で表彰する「ウッドデザイン賞2019」の今年の優秀賞には、中高層木造ハイブリット建築を実現する技術の実証や木造平屋倉庫、間伐材を用いた木製ストロー、樹木から生まれたファブリックなど、多彩なアイテムが選ばれた。
また「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」は、東京において木材利用の新たな可能性を開拓する革新的・モデル的な建築物または木質空間を評価・顕彰したもの。新たな木材需要を喚起するような技術やデザインを表現した店舗や施設などが選ばれていた。
国産材の木塀の展示。木との付き合い方を示すセミナーも
全国各地の国産材を使用した木塀の紹介スペースでは、さまざまな樹種やデザインを展示。近年、問題点も挙げられているブロック塀の代わりとして、木塀を利用することも考えられる。街の景観保全などの観点からも、木塀は今後、積極的に検討したいアイテムになるのではないだろうか。
その他、期間中には今後の木に関するセミナーも開催。建築家からの木や自然素材の用い方の提案、研究者からの都市での木造の取り入れ方、環境からのアプローチ、メーカーからの樹種利用への提言などさまざまな角度からの樹木の活用方法などが示された。
暮らしの中で用いられる木材は、環境問題や地域振興、技術面の進歩や消費者ニーズなどを踏まえ、さまざまな製品やアイデアが多くみられる。性能やデザイン性を高めることで、各分野での素材としての可能性は、まだまだ広がっていくように思う。自治体ごとの取り組みもあり、今回はエリア展示という構成であったが、製材や建材、家具や建具、雑貨小物など、技術や商品の比較できるような展示も今後見てみたいと感じた。
また、どのような形であれ、家づくりの中では木材を利用することになる。
住宅建築を検討しているのであれば、地方自治体によっては、そのエリアの材を用いることで住まいづくりへの補助が受けられるケースも。
補助についてだけでなく、それぞれの地域での木材への取り組みを確認した上で進めて欲しい。
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