「住み心地」の判断をしてから購入できる、新サービス
私たちが購入を前提に住まい探しをする場合、「条件に合った住まいを…」と思う。
住まい探しはインターネットの普及でさらに情報を得やすくなり、たくさんの物件を検討し、スペックごとに条件を比較できる時代になっている。
生活を左右する駅からのアクセスや交通状況、周辺環境、物件の築年数、間取りなどは数字から判断出来たり、現地に実際に足を運んでみることで、ある程度は「自分の条件に合っているか」は検討・判断できると思う。それでも、やはり住まい探しに一抹の不安が付きまとうのは、「自分は本当にこの住まいでいいのか」「納得しているのか」という自問自答に明確な答えが出にくいからであろう。
それには二つの課題がある。
一つは、居住用不動産の売買について一個人として複数回経験することがないため、充分な知識をもって物件を選ぶことが困難なこと(成功体験・失敗体験双方がない事)。
そしてもう一つは、スペック情報だけではわからない「住み心地(感覚や感性を含む)」を判断できないからだ、と感じる。例をあげれば、「周辺の生活音は気にならないのか?」「ご近所とのコミュニケーションはどうなのか?」「(集合住宅であれば)管理は本当に大丈夫なのか」など、実は“住んでみなければわからないこと”の要因が「住み心地」に大きく関係し、満足度に反映するからである。
2015年10月8日…“住んでみなければわからない”ことに向けた新たなサービスが始まった。
大和ハウスグループの大和リビングマネジメント株式会社(以下、大和リビングマネジメント)が同社の不動産仲介会社である大和エステート株式会社(以下、大和エステート)を通じて、「住んでから買う」「貸してから売る」を実現する「2WayHouse(ツーウェイハウス)」サービスの提供である。
今回、サービスを行う両社の担当者にお話を伺ってきた。
「売りたい人」「買いたい人」2つのニーズ
同社が手掛けたサービスの概要は以下の通り。
売却希望者と購入希望者は購入額の価格合意の後、売買契約を締結する。だが、売買の履行は364日後(約1年後)としており、どうしても納得行かない場合は売買契約を解約する方法がある。買い手側は、住環境等を確認後、実際の購入を判断でき、売買成立の場合、毎月の賃料の4割が売買代金に充当され、残り4割が売却希望者の収入になり、その他の2割が大和リビングマネジメントの手数料となる。売買不成立の場合は買い手側は、支払った家賃を放棄し、物件は損害保険により原状回復費用が補償され、また新たに購入者を募るという仕組みである。
買い手側は、まずは買いたい物件に賃貸感覚で住むことができ、さらに家賃の中から売買価格の積み立てもできる。買い手側のニーズは、先に述べたことで十分に想像がつく。
それでは、売り手側のニーズはどうであろうか?
大和エステート営業部の土田さん、櫻井さんにお話を伺った。
「昨今、様々な事情で住みながら売却が困難というケースが見受けられます。例えば、近年増えているケースでは離婚などによる住み替えの場合です。このケースの多くが売り急ぎをしてしまい、本来の価格より安く売ることになる事実も見受けられます。また、売る際に加算されるリフォーム費用の心配などもあります。売り主側はまずは定期借家契約を結んで一年後の購入希望者を募り、家賃収入を得ることで自己の住み替えのプランも練ることができます」。
その他にも老人ホームに入居する方や実家の相続、マンションを持っていて結婚で他に住む予定があったり、二世帯住宅に移るケースなどが考えられるという。
賃貸と仲介…双方の強みをサービスに活かす
仲介を行う大和エステートと賃貸物件管理を手掛けてきた大和リビングマネジメント、双方の強みを今回のサービスでは活かしているという。
それでは、賃貸ビジネス側からの視点はどのようなものだったのだろうか?大和リビングマネジメント経営企画部中野さんに伺った。
「大和リビングマネジメントでは、これまでもサツキ(保険、インターネット、電子書籍、ビデオ・オン・デマンドなどのサービス付き)やタダシ(タダシ賃料を選択することで敷金・礼金・更新料を0になる)、連帯保証不要制度など、現在のライフスタイルに沿うサービスを展開してきました。実は現在、家を持っているお客様は“貸そうか、売ろうか”で迷われている方もいらっしゃいます。今回は買い手側の“住んでみなければわからない”といったニーズを“一度借りて住んでみる”といった形式でサービスを提供していますが、売り手側の“貸しながら、売る”というもう一つの側面もあります。
我々の会社は多くの賃貸物件管理の経験から、設備や室内のリフォームもネットワークとノウハウで適正価格で行うことができます。また、物件の管理経験でアドバイスを行うことも可能です。そういった意味では、売り主さんのリフォームコスト負担や心理的負担もサービスの中で、ある程度解決できることがある、と感じています」という。
「住んでから買う」「貸してから売る」という新しいサービス…冒頭に述べたように、ユーザーがたくさんの住み替え経験を積むことが困難な状況で、このサービスを通じて「納得のいく住まいの購入、住まいの売却」が進み、結果的に売り主・買い主双方の満足度があがることを期待したい。
公開日:




