省エネ住宅として注目を集めているZEH(ゼッチ)。この記事では、そのなかでもZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)の概要やZEHとの違い、補助金などについて解説します。
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ZEH Orientedとは?

ZEH Orientedの概要を説明する前に、まずは前提となる「ZEH」についておさらいしましょう。

ZEHはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称のことです。

 

住宅において「エネルギー収支ゼロ以下」を目指し、「断熱」「省エネ」「創エネ」の3要素を必要とします。具体的には、住宅に断熱性や省エネ性能を持たせて一次エネルギーの消費量を少なくさせます。

 

ほかに、太陽光発電などでエネルギーを生産することで、建物内で使用しているエネルギーの収支を限りなくゼロに近づけることを目指します。

 

(詳しくは「ZEHとは? メリットや注意点、補助金について分かりやすく解説」をご覧ください)。

ZEH OrientedはZEHの一種で、都市部対応型のZEHです。東京23区の都市部などでは、立地や面積の問題で太陽光発電が十分にできないこともあるでしょう。

 

また、多雪地域など一部のエリアで太陽光パネルなど「創エネ」設備がなくてもZEHの条件を満たす建物のことを指します。

 

とはいえ、ZEH Orientedの一次エネルギー消費量(「創エネ」による相殺分を含まない)削減率はZEHと同じ20%です。

 

具体的な条件や範囲は下記のようになります。

具体的な条件や範囲

条件

  • 広義のZEH条件を満たしている
  • 北側斜線制限の対象となる用途地域である
  • 敷地面積が85平米未満(約25坪)

 

範囲

  • 都市部狭小地、もしくは多雪地域に建てられた住宅
    (ただし、平屋は除く)

ZEHのなかに、特定の条件がついた住宅がZEH Orientedです。

 

太陽光発電こそありませんが、ZEH住宅の高断熱化、高効率な省エネ性能といった条件は満たしている必要があります。また、都市部狭小地に建てられた住宅であることも違いのひとつです。

 

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ZEHはほかにも種類がある

ZEH Oriented以外にもZEHには種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

Nearly ZEHは、ZEH Orientedのように寒冷地や日射量が少ないなど、地域制限に配慮したZEHのことです。ZEHは一次エネルギーの削減率が100%であるのに対し、Nearly ZEHは75%ほどに設定されています。

 

(詳しくは「Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)とは? ZEHとの違いや補助金について分かりやすく解説」をご覧ください)。

ZEH Readyは、太陽光パネルや蓄電池といった「創エネ」の設備が今はなくても、年間の一次エネルギー消費量を50%削減し、将来的に設備を取り入れればよいとされている住宅です。

 

(詳しくは「ZEH Ready(ゼッチレディ)って何? ZEHとの違い、補助金について解説」をご覧ください)。

ZEH+は、ZEHのなかでも一番高性能な住宅です。

 

ZEHの条件を満たしたうえで「外皮性能のさらなる強化」「HEMSでの住宅エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備および電気自動車による省エネ」の3要素のうち2要素を満たす必要があります。

 

一次エネルギー消費量(「創エネ」による相殺分を含まない)削減率はZEHが20%なのに対し、ZEH+は25%以上となります。

Nearly ZEH+は、Nearly ZEHをさらに高性能化したものです。

 

こちらも「外皮性能のさらなる強化」「HEMSでの住宅エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備および電気自動車による省エネ」の3要素のうち2要素を満たす必要があります。

 

ZEH+と同様に、一次エネルギー消費量(「創エネ」による相殺分を含まない)削減率は25%以上となります。

ZEH-MはNet Zero Energy House Mansion(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の略で、ZEHの集合住宅版と言われています。

 

省エネ率は階が高くなればなるほど維持が難しくなるので、階層に応じて推奨基準が定められています。

 

(詳しくは「ZEH-M(ゼッチ・マンション)とは? 基準やメリットについて分かりやすく解説」をご覧ください)。

 

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ZEH Orientedでも補助金はもらえる?

ZEH Orientedでも補助金を申請することができます。

 

2022年度における戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業の四次公募はすでに受付が終了していますが、2023年度も予算が組み込まれており、ZEH支援事業は継続して行われる予定です。

 

最新情報についてはハウスメーカーや事業者ホームページの公募要領をこまめに確認するようにしましょう。また、ZEH Orientedは太陽光パネルを使用しないため、それに関する補助金は利用できないため注意しましょう。

 

下記では、ZEH Orientedが対象となる「ZEH支援事業」の対象や金額など、主なポイントを紹介します。対象となる住宅の基準や期間など、詳しくはZEH支援事業の専用サイトを確認しましょう。

対象

  • ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented

 

金額

  • 55万円/戸

    補助対象住宅に蓄電システム(定置型)を導入する場合は2万円/kWh、補助対象経費の3分の1または20万円のいずれか低い額が加算されます。

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ZEH OrientedはZEHの一種で、都市部狭小地や多雪地域など、太陽光パネルなど「創エネ」設備がなくてもZEH住宅の要件を満たした住宅のことを指します。詳しくは「ZEH Orientedとは?」をご覧ください。

ZEH Orientedは2018年から始まった制度で、以前は同じ場所にZEHの家を建ててもNearly ZEHと呼ばれていました。現在のNearly ZEHは過去のものとは認定条件が異なるうえに、ZEH Orientedとも同じではありません。詳しくは「ZEHはほかにも種類がある」をご覧ください。

ZEH OrientedでもZEH支援事業など、補助金はもらえます。ただし、同じZEH住宅でも太陽光パネルの補助金はもらえません。毎年制度が変わるため、必ず最新の情報を確認するようにしましょう。詳しくは「ZEH Orientedでも補助金はもらえる?」をご覧ください。

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更新日: / 公開日:2023.03.17