土地や不動産の調査時や境界線を設ける際に、“公図“(こうず)を求められることがあります。公図という言葉を耳にしたことがあっても、具体的な内容がわからず、一般的な地図と混同されている方も多いかもしれません。

今回は公図とは一体どういったものなのか、取得方法と併せて紹介します。

 

公図とは、土地の大まかな位置や形状を表した図面で、その多くは明治時代の地租改正の際に作成されました。

 

現在の登記所(法務局)には、土地の区画を明確にするための資料として地図が備え付けられていますが、地図が備え付けられるまでの間、“地図に準ずる図面”として地図代わりに公図が備え付けられていました。

 

当時の技術では正確な測量が難しかったこともあり、現状とは異なることもありますが、公図以外に土地の位置や形状が記載されている資料がない地域では、土地の大まかな位置や形状を把握するための資料として今でも利用されています。

 

現在では“地籍調査”という事業のもと、公図を正確な地図へ置き換える作業が進行していますが、2018年(平成30年)度末時点で進捗率は全国平均52%にとどまっています。

 

登記された一筆の土地ごとに区切られた図面である公図に比べ、地図は住宅や商業施設で区切られた図面です。現在においては、地図のほうが土地の面積や距離、形状、位置についての正確性が高く、土地の詳細がより把握しやすいでしょう。

 

公図から正確性の高い地図に書き換えられつつあるため、1つの土地に両方の図面が存在することはありません。

 

公図は、法務局や支局、出張所といった登記所で取得できます。公図を取得したい不動産の地番を控え、法務局に備え付けられている申請書に記入したら、係員に提出しましょう。

 

この際、注意すべきポイントとして、記入に必要な地番は「○○区○○町○丁目○-○」といった一般的によく見かける“住居表示”とは異なります。地番がわからない場合は、登記所に備え付けてある“ブルーマップ“と呼ばれる地図で確認をするか、登記所の職員に聞いてみてください。

 

また、公図は入手に限らず、閲覧もできるので、確認だけしたいという場合も法務局を訪れましょう。
 

公図は法務局の委託を受けたサービスを通してインターネットでも取得可能ですが、現在すべての地図や地図に準ずる図面のデータ化が完了しておらず、データ化されていない土地に関しては、不動産のある地域を管轄する登記所のみでしか閲覧・取得ができないので注意が必要です。

 

また、郵送を希望する際は、法務局のホームページで申請書を入手し、記入後に収入印紙(1筆につき450円)を貼り付けて郵送すると、数日程度で公図が自宅に届きます。

 

法務局など登記所が遠い方や自宅が遠方にある方はインターネットや郵送などの取得方法も活用しましょう。

 

公図しか資料がない地域では、土地の境界(筆界)に関する記録が十分でないため、隣家との境界がわからず土地を十分に活用できない、面積表記が曖昧になるため土地が売買しづらいといったトラブルが生じる可能性もあります。

 

特に後者の場合、過去の測量が正確でなかったため、登記されている土地面積が間違っていることがあります。

 

トラブルを避けるためにも、隣人と確認をしたうえで境界標を設けるなど、日頃から境界がきっかけで起こり得るトラブルの防止に努めましょう。隣人立ち会いのもと、正確な実測図を作成するのもトラブル防止に効果的でしょう。

 

公図は大まかな地図であるため、現状とずれていることも多々ありますが、土地の所有権や境界に対しての影響はありません。公図は、あくまで土地の大まかな位置や形を知るために使われます。

 

精度の高い地図に比べ、明治時代につくられた公図は、精度自体は低いものの、地図が備わっていない地域では重要な書類として扱われています。ほかにも当該土地が分筆されたものではないか、公図と同じように土地が活用されているかなどの確認ができます。

 

このように、公図を上手に活用することで購入予定の住宅用地や現在住んでいる土地などの調査に役立てることができるので、必要があれば公図の取得手続きをしてみてください。

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