同棲解消は、お互いにとって大きな負担となる出来事です。少しでも気持ちよく新生活へ踏み出すためにも、お金に関する問題をクリアにして、トラブルが起こらないように準備を進めましょう。

今回は同棲解消で考えなければならないお金の問題を中心に、家を出ていくまでにしなければならないことや、新生活のスタート費用を抑えるコツなども併せて解説します。
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同棲解消で考えなければならないお金のこと

 

同棲解消で、もめてしまいやすいのがお金の問題です。まずは、具体的にどのような問題を整理しなければならないのか、3つに分けて詳しく見ていきましょう。

 

まず考えなければならないのは、これまで二人で住んでいた賃貸物件の費用に関するポイントです。

 

同棲解消までの家賃や退去時の修繕費用、契約期間によって発生する違約金などは、どちらがどのくらい負担するのかを明確にする必要があります。

 

特に、どちらか一方が引き続き同じ物件に残る場合には、退去費用の精算が難しくなるため注意が必要です。

 

カップルの場合、将来に備えて共同の口座で貯金をする場合もあります。この場合は、もめないためにも、きちんと分配の方法と期日を決めておく必要があります。

 

そのうえで、特に分配でトラブルになってしまいやすいのが、共同で購入した家具や家電についてです。家具や家電をどのように分配するかは、お互いが納得できるまで、きちんと話し合う必要があります。

 

また、ローンの支払いが残っているものについては、その後の返済負担の方法も含めて検討することが大切です。

 

上記に加えて、同棲解消時には新生活にかかる費用も考えておかなければなりません。新たに賃貸物件を借りるためには、初期費用や引越し費用が発生するので、一定額の貯金が必要となります。

同棲解消にかかるお金

 

それでは、実際のところ同棲を解消するためにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか。

 

ここでは、同棲解消で必要となる「旧居の退去費用」「新居の契約費用」「引越し料金」の3つの費用について目安や内訳を解説します。

 

旧居の退去費用は、「部屋の広さ」「退去時の状態」「入居時に敷金を支払っているか」で変わります。一般的な1LDKの場合、清掃や軽度な修繕費用などで5万~8万円程度の費用がかかります。

 

ただ、敷金を事前に預けている場合は、その範囲内で対応してもらえるケースも多いので、物件の退去費用自体は追加で払わなくて済むこともあります。

 

また、退去にともなって不用品を処分する場合には、処分費として2万~5万円程度かかります。

 

具体的な金額は処分を依頼する相手によっても異なり、自治体のほうが民間の不用品処分会社よりも安く収まります。ただ、自治体の回収サービスは引き取りまでに時間がかかってしまうこともあるので、早めに予約を取ることが大切です。

 

新居を契約するためには、敷金や礼金などの初期費用が発生します。初期費用の計算方法は物件によっても異なりますが、合計で「家賃4~6ヶ月分程度」が目安です。

費用項目

費用の目安

敷金

家賃0~2ヶ月分

礼金

家賃0~2ヶ月分

前家賃

家賃1ヶ月分

日割り家賃

家賃の日割り計算額

仲介手数料

家賃0.5~1ヶ月分+消費税

火災保険料

1万5,000~2万円

保証会社利用料

家賃の30~70%(必要な場合のみ)

鍵の交換費用

1万~2万円

たとえば、新たに家賃7万円の物件を借りるのであれば、「28万~42万円」程度は準備しておく必要があるということです。

 

引越し料金は荷物の量や依頼するシーズン、移動距離によっても異なりますが、単身用パックなどを利用すれば、2万~4万円程度で収まるのが一般的です。退去時にできるだけ不要なものは処分して、荷物の量を減らしておきましょう。

 

旧居の退去費用は合計で7万~13万円程度で、二人で等分すれば1人当たり「5万円程度」と計算できます。

 

そこに、新居の入居費用として「30万~40万円程度」(家賃7万円の場合)、引越し料金「2万~4万円」を合わせると、合計では「約40万~50万円」が必要になるということです。

 

さらに、新たに家電などを購入する場合は、その分の費用も用意しておく必要があります。

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賃貸借契約書

 

これまで住んでいた物件を引き払う際には、いくつか注意しなければならない項目があります。ここでは、2つのポイントに分けて見ていきましょう。

 

賃貸物件には契約期間があるため、同棲を解消したからといって、これまで住んでいた物件をすぐに退去できるわけではありません。

 

契約期間の途中で解約するためには「退去予告」が必要であり、契約書に記載された期限までに行う必要があります。

 

多くの場合は、「退去日の1ヶ月前まで」となっていますが、それよりも前に期限が設定されているケースもあるので、必ず契約書を確認しましょう。

 

どちらか一方が同じ物件に住み続ける場合は、契約形態をきちんと確認することが大切です。なぜなら、契約者が1人だった場合は、「同居人側」に出ていく義務があるためです。

 

また、連名で契約していた場合は、名義変更をすれば1人が住み続けることはできますが、家賃負担額が大きくなる点には注意が必要となります。

新居を探す

 

同棲解消を決断したら、実際に家を出るまですべきことを整理して、スムーズに済ませる必要があります。ここでは、具体的な手順を追って確認してみましょう。

手順

  • 新居を探す
  • 住んでいる物件の解約手続きを行う(退去予告の期限を確認する)
  • 荷物の整理と共有財産の分配
  • 公共料金の解約手続き
  • 退去費用の負担分を決める
  • 引越しの手配
  • 引越し、各種手続き

同棲解消を決断したら、それぞれの引越し先の目星をつけることが大切です。賃貸物件は入居できるまでに時間がかかるので、少なくとも退去予定日の1ヶ月前には行動をスタートする必要があります。

 

また、併せて現在住んでいる物件の解約手続きを行いましょう。これによって、具体的に現在の住まいを出ていく日取りが明確に決まります。

 

そこからは、荷物の整理や共有財産の分配、公共料金の解約手続きなど、やらなければならないことが数多くあります。二人で相談をしながら、進めていくことが大切です。

 

引越しが完了したら、同一市区町村内への引越しなら「転居届」、異なる市区町村への引越しなら旧住所で「転出届」、新住所で「転入届」をそれぞれ提出する必要があります。

 

また、郵便局で郵便物の送付先変更手続きも済ませておくと安心です。

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物件情報

 

同棲の解消は予測できるものではないため、十分な貯金がない状態で決断するケースも考えられます。ここでは、費用を抑えて新生活をスタートするための方法を見ていきましょう。

 

初期費用の多くは家賃を基に計算されるので、まずは家賃の安い物件を見つけるのが原則です。そのうえで「敷金・礼金なし物件やフリーレント物件を探す」「仲介手数料の安い不動産会社を探す」などといった方法があります。

 

フリーレントとは、入居後の一定期間にわたって家賃がかからない物件のことであり、新生活スタート後の費用を節約できる選択肢のひとつです。

 

引越し費用を抑えるなら、「時期を調整する」「荷物量を減らす」といった方法が挙げられます。しかし、同棲解消の場合は、自由にタイミングを調整できるわけではないので、基本的には荷物量を減らすことを考えましょう。

 

たとえば、「必要のないものは相手に譲る、処分してしまう」「家具・家電を新たにそろえるなら引越し先で購入する」など、運搬する荷物を減らす意識を持つことが大切です。

 

新たに家具・家電を購入するなら、複数の店舗やインターネットで価格を調べて、相場をきちんと確かめることが大切です。また、あまり機能性の高いものにこだわらず、必要最低限のものからそろえていくのがコツです。

 

新生活のスタート時には、あまり金銭的なゆとりがない場合もあるので、優先度の高くないものは、生活に余裕が生まれてから購入するようにしましょう。

 

特に新品へのこだわりがなければ、リサイクルショップやフリマアプリなどを活用するのもひとつの方法です。

引越し

 

  • 同棲解消時には「旧居の退去費用」「共有財産の分配」「新居への引越し費用」の3つを考える必要がある
  • 旧居の退去費用は部屋の広さや状態、敷金を預けているかによって異なる
  • 新居の初期費用は「家賃4~6ヶ月分+引越し料金」が目安
  • 諸条件によって必要な金額は異なるものの、合計で40万~50万円程度のコストが目安
  • 退去時の注意点や同棲解消後にすべきことも確認しておこう
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