シングルファーザーとして子育てに取組みながら、住宅ローンを返済していくには事前の計画を十分に練っておくことが大切です。
共働きの場合と異なり、1人で返済を担っていかなければならないので、無理のない返済プランを立てておくことが重要だといえます。また、住宅ローンの返済が途中で難しくなってしまったときの対処法についても検討しておきましょう。
この記事では、シングルファーザーが抱えがちな住まいに関する不安や悩みを解決するポイントを解説します。
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住宅ローンの返済金額の目安

住宅ローンについて考えるときのポイントとして重要なのは、いくらまで借りられるかではなく、返せる金額の範囲内で借りることです。
年収や完済時の年齢、子育てにかかる費用などを踏まえて、実際にシミュレーションを行っておくといいでしょう。
ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使って、年収別にどの程度の金額であれば無理なく借りられるのかを試算してみました。
年収 | 借入限度額の目安 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
300万円 | 2,025万円 | 6万2,000円 |
400万円 | 2,711万円 | 8万3,000円 |
500万円 | 3,397万円 | 10万4,000円 |
600万円 | 4,083万円 | 12万5,000円 |
700万円 | 4,736万円 | 14万5,000円 |
800万円 | 5,422万円 | 16万6,000円 |
900万円 | 6,107万円 | 18万7,000円 |
※年収の25%を基準にして、毎月の返済額を計算。自己資金なし、借入時の年齢30歳、返済期間35年、固定金利1.5%で試算
上記の借入限度額はあくまで目安であるため、担保となる不動産の資産価値などによっても変わってきます。
しかし、借入額を減らせばその分だけ毎月の返済負担も軽減できるので、どの価格帯の住宅を取得するかをじっくりと検討してみましょう。
父子世帯の平均年収

シングルファーザーは1人で子育てをしながら仕事に取組まなければならないので、収入が減ってしまうこともめずらしくありません。
独立行政法人労働政策研究・研修機構のデータ(※)によれば、父子世帯の平均年収は623万5,000円となっています。二人親世帯が734万7,000円であるのと比較をすると、年間で100万円程度の差があることが分かります。
また、小さな子どもを抱えている世帯のほうが、子どもの年齢が上がっていくにしたがって、経済的に苦しいと感じる割合が増えていく傾向にあります。
※ 独立行政法人労働政策研究・研修機構「第5回(2018年)子育て世帯全国調査」
物件を探す 無料で住まいの窓口に相談する受けられる支援制度

そのため、父子世帯においても、母子世帯と同様にさまざまな公的支援を受けられます。受けられる支援制度としては、主に次のようなものが挙げられます。
受けられる支援制度
- 児童扶養手当
- ひとり親家庭等医療費助成
- 就学援助
- 家賃援助
- 自立支援教育訓練給付金
- 保険料負担軽減制度
- 上下水道料金の減免制度 など
子育てについて経済的な面で困ったときは1人で悩まずに、自治体の窓口に相談をすることが大切です。ただし、上記に挙げた各種手当や養育費などは住宅ローンの返済とは切り分けて考えましょう。
子どもを安心して育てられる環境を手に入れるために、必要に応じて支援制度を活用してみてください。
住宅ローンの返済が難しい場合の対処法

住宅ローンの返済が大きな負担となっているときは、早めに別の手段を取ることも重要です。具体的な方法としては「住宅ローンの借り換え」「返済プランの見直し」「任意売却」「リースバック」などが挙げられます。
住宅ローンの借り換えや返済プランの見直しは、金融機関との相談が必要になるので担当者に希望を伝えてみましょう。
任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなったときに金融機関の承諾を得て、担保としていた自宅を売却する方法を指します。金融機関の承諾を得ること以外は、通常の売却と変わらないので相場に近い価格で売却できる可能性があります。
そして、リースバックとは不動産会社などに自宅を買い取ってもらい、その後も同じ家に家賃を支払いながら住み続ける方法です。売却資金を得ることができ、かつ引越しの必要もないので子育てに与える影響を最小限にとどめられるでしょう。
さまざまな視点から、状況にあわせた対応を取っていくことが大切です。
物件を探す 無料で住まいの窓口に相談する住宅の売却を考えるのもひとつの方法

住宅ローンの返済を続けていくのが厳しい場合は、住み替えを検討して家計への負担を減らすのもひとつの方法だといえます。
自宅を売却するときは不動産会社と話をする必要があるので、売却に至るまでの基本的な流れを把握しておきましょう。
自宅を売却するときの流れ
現在住んでいる家を売却するときの基本的な流れは、次のとおりです。
自宅を売却するときの流れ
- Webを通じて、大まかな売却価格を把握する
- 不動産会社に自宅の売却を相談し、査定を行ってもらう
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売却活動を進めて、購入希望者を見つける
- 内見対応を行う
- 買主と売買契約を締結する
- 物件の引き渡し・決済
- 確定申告を行う
自宅の売却を検討するときは、いきなり不動産会社と話をするのではなく、Webを使って大まかな売却価格を把握することが大切です。
たとえば、不動産流通機構が提供している「REINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)」というサイトを使えば、自宅周辺の類似物件の取引価格を知ることができます。
ある程度相場を把握してから、不動産会社に査定を行ってもらいましょう。Webから物件情報などを入力するだけで査定を行ってもらえる机上査定と、実際に現地へ不動産会社の担当者にきてもらって査定を行ってもらう訪問査定があります。
不動産会社から提示される査定額や提案内容に納得できたら、仲介業務を依頼するために媒介契約を結びます。売却活動そのものは不動産会社が行ってくれますが、進捗状況などは定期的に確認しておきましょう。
購入希望者が現れたら、所有者として物件の内見対応を行う必要があるので、内見日に合わせて室内の清掃を行うことが大切です。購入希望が申し込まれたら、条件面や売買価格などをすり合わせて売買契約書を作成します。
売買契約書で決めた引き渡し日に、代金の決済を行うと同時に物件を引き渡します。売却を完了するまでには4~6ヶ月程度の期間が必要になるので、早めに取りかかることが重要です。
また、売却をした翌年の2月中旬から3月中旬にかけて確定申告を行う必要もあるので、忘れずに申告しましょう。子どもの成長に合わせて、どのタイミングでいくらお金が必要になるかを踏まえて、自宅の売却を進めましょう。
売却を相談する不動産会社を探すまとめ
- 住宅ローンは借りられる金額ではなく、返せる金額を借りるのが基本となる
- 二人親世帯と比べると父子世帯の年収は低くなる傾向があるので、自治体の支援制度を活用しよう
- 住宅ローンの返済が難しいときは、ローンの借り換えやリースバックなどさまざまな選択肢がある
- 子どもが成長していくにつれて必要なお金も増えていくので、どの時期にいくら必要になるのかを把握しておこう
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