フリーランスの人にとって、持ち家は「自宅用と事業用で活用できる」「家賃よりも毎月のローン返済額が低い場合もある」など、状況によっては賃貸よりもメリットを得られるケースもあります。住宅ローンの利用に不安を感じる人もいるかもしれませんが、安定した収入があればローンを組んで家を買うことは可能です。今回は、フリーランスで家を買うときのポイントを見ていきましょう。
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フリーランスの住宅ローン借入額

収入や立場にかかわらず、住宅ローン審査では借入額と年収のバランスに無理がないかが細かくチェックされます。そのため、まずは収入に応じてどのくらいまでなら無理なく借りられるか、目安を把握しておくことが大切です。

 

ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使って、年収別の借入可能額を計算しました。

世帯年収

毎月返済額

借入限度額

20年ローン

25年ローン

35年ローン

300万円

6.3万円

1,306万円

1,575万円

2,058万円

400万円

8.3万円

1,720万円

2,075万円

2,711万円

500万円

10.4万円

2,155万円

2,600万円

3,397万円

600万円

12.5万円

2,590万円

3,125万円

4,083万円

700万円

14.6万円

3,026万円

3,651万円

4,768万円

800万円

16.7万円

3,461万円

4,176万円

5,454万円

※全期間固定金利1.5%で計算した場合

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家を購入する際の自己資金

フリーランスの場合、収入の安定性を考えると、「あまり長期にわたる返済計画は立てたくない」と感じる人も多いのではないでしょうか。一方、先ほどのシミュレーションでも明らかなように、月の負担額が同じなら、返済期間が短ければ短いほど借入限度額は少なくなります。

 

そこで、重要となってくるのが「頭金」の存在です。無理のない返済計画を立てるうえで、頭金は大事な役目を果たします。

頭金として用意した分には、当然ながら利息が発生しません。そのため、同じ金額を調達するにしても、頭金の割合が多ければ多いほど総支払額は少なくなります。

 

また、住宅ローン商品のなかには「フラット35」のように、頭金を一定の割合以上用意することで、金利が低くなるものもあります。そのため、負担を少しでも減らしたいときは、できるだけ頭金を多く用意しておくことが大切です。

住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によれば、フラット35を利用して住宅を購入した人は平均して、1~2割程度の頭金を用意していることが明らかにされています。

 

自己資金

割合

土地付き注文住宅

440.5万円

10.0%

注文住宅(建物の建築のみ)

619.0万円

17.5%

建売住宅

247.3万円

7.1%

新築マンション

758.1万円

16.7%

中古一戸建て

198.7万円

8.0%

中古マンション

343.4万円

11.6%

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開業届

フリーランスでも適切な借入金額であれば、住宅ローンを利用することはできます。しかし、審査においては一般的な給与所得者よりも、注意しなければならないポイントが多い傾向にあります。以下で5つの注意点を見ていきましょう。

住宅ローンは返済が長期にわたることが多いため、審査においては瞬間的な収入よりも、安定的かつ継続的な収入が評価されます。そのため、審査を受けるときには、最低でも過去3期分の「確定申告書」や「納税証明書」の提出が求められるのが一般的です。

 

また、金融機関の多くは、「過去3年連続で黒字であること」を条件としています。直前期の所得が多くても、その前の年あるいは前々年の所得が低ければ、審査では不利に働いてしまいます。

住宅ローン審査では、売上ではなく所得が重要なポイントとなります。そのため、節税対策として経費を増やすなど所得を抑える工夫をしている場合は、審査通過が難しくなってしまうケースもあります。

住宅ローン審査では、その他のローンの借り入れ状況や返済状況、税金の納付履歴もチェックされます。クレジットカードやビジネスローン、自動車ローンなどで滞納履歴があれば個人信用情報に影響し、審査で大きなマイナス要素となります。

 

特に、フリーランスの場合は納税の機会が多いので、給与所得者以上に細心の注意が必要です。

一般的に、無理のない毎月返済額は月収の25%以下、つまり「年収の48分の1以下」とされています。フリーランスの場合は、給与所得者よりも審査ハードルが高くなることを考えて、少しゆとりのある設定を意識しておくといいでしょう。

 

また、現在借り入れ中のローンがある場合には、その返済分を差し引いて返済計画を立てることが大切です。たとえば、毎月自動車ローンで2万円ずつ返済しているのなら、住宅ローンの毎月返済額はローンシミュレーションなどで計算された額よりも、2万円低く設定しましょう。

住宅ローンは居住を目的とした住居の購入のみに使えるローンであり、金利が低く設定されている分、用途は厳しく制限されています。たとえば、原則として別荘や賃貸用物件などの購入には使うことができません。

 

自宅兼事業所として住宅を購入する場合は、少なくとも「2分の1以上が自己の居住用」であることが利用の条件となるので、要件から外れないように注意しましょう。

フラット35の仕組みとメリット

これまで見てきたように、フリーランスで住宅ローンを利用するときには、会社員よりもハードルが高くなってしまうのは事実といえます。しかし、「フラット35」なら安定した収入などの条件を満たしていれば、比較的スムーズに利用できることが多いです。

フラット35とは、独立行政法人の住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取扱う長期固定金利の住宅ローンです。民間が扱う住宅ローンとは審査の基準が異なり、フリーランスでも利用しやすい仕組みとなっています。

 

主な特徴としては、以下のポイントが挙げられます。

フラット35の主な特徴

  • 確定申告書等は直近1期分のみでOK
  • 固定金利で資金計画が立てやすい
  • 保証料、保証人不要
  • 物件の担保評価がより重視される

フラット35のもっとも大きな特徴は、直近1期分のみの状況だけで審査を受けられる点にあります。先ほども解説したように、ほとんどの金融機関では3期分の収入証明書類が必要とされるので、この違いはとても大きなメリットです。

 

また、保証料、保証人は不要なので、フリーランスでも安心して利用しやすいのが特徴です。

前述の理由から、フラット35はフリーランスでも利用しやすい住宅ローンとされています。しかし、あくまでも審査の基準や仕組みが異なるだけで、決して審査そのものが緩いというわけではありません。

 

収入に対する毎月返済額(返済負担率)が特に重視されるほか、通常の住宅ローン以上に「物件の担保価値」が厳格に審査されます。規格や規模、断熱性・耐久性などにおいて、一定の技術基準を満たしていなければ利用ができないので、購入する物件選びに注意が必要です。

 

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相談窓口

初めて住宅を購入するときには、施工会社の選び方やスケジュール、資金計画などの面で分からないことが多いものです。そのため、住まい探しについて、何でも相談できるところがあると心強いでしょう。

 

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、住宅の購入について専任のハウジングアドバイザーに無料で何度でも相談することができます。「住まい選びや家づくりについて」はもちろん、「資金計画や住宅ローンの仕組み」「不動産会社の選び方」など、総合的にアドバイスをもらえるので、不安を解消しながらマイホーム購入を進められるのです。

 

新築・中古を問わず、住まいに関する幅広い悩みについて聞いてもらえるので、気軽に利用を検討してみましょう。

住まいの窓口に相談する
  • 収入から見て無理のない借入額を計算しておくことが重要
  • 頭金の重要性と目安を理解して自己資金の金額を決める
  • フリーランスで住宅ローンを利用するための注意点を押さえておく
  • フラット35は利用しやすい仕組みになっているが、審査の基準を知っておくことが大切
  • 住まい選びや資金計画については「住まいの窓口」に相談するのも1つの方法
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更新日: / 公開日:2022.01.25