- 資産価値は「値上がり益」を狙うものではない
- 「資産価値が高い家」とは、購入したときよりも高く売れる家だと誤解されがちです。しかし、物件の価値は購入時がピークで、その後は築年数に応じて下がっていくのが一般的。値上がり益を期待するのではなく、価値が下がりにくい物件を選ぶことが重要です。
詳しくは、「資産価値とは、『買ったときより値上がりする物件』ではない」をご覧ください。 - 物件の「価格」と「資産価値」は別物である
- 新駅の開業や周辺施設の充実によって物件の価格が上がることがあります。これは、人気が高まり「買いたい」という人が増えたためであり、物件の資産性そのものが向上したわけではありません。資産価値と、需要によって変動する価格はイコールではないのです。
詳しくは、「資産価値とは、『買ったときより値上がりする物件』ではない」をご覧ください。 - 資産価値とは、価格を維持するための「要素」
- 資産価値とは、物件の広さ、駅からの距離、総戸数といった、購入後に変えることが難しい客観的なスペック(要素)のことです。これらの要素が充実している物件は、価格が下がりにくい傾向にあります。ただし、資産価値だけでなく、快適さや安全性とのバランスも考えて住まいを選ぶことが大切です。
詳しくは、「資産価値とは価格を維持するための『要素』をご覧ください。」
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住まいの資産価値について、さまざまな書籍や連載をしている中山さん。連載の第1回では「資産価値」ってそもそも何なのか、住まい探し初心者のHさんが中山さんに聞いてみました。

Hさん:中山さん、資産価値って何ですか?
中山さん:急にどうしたのHさん。
Hさん:今、家を建てたくて探し始めたところなんですが、先輩が「資産価値」を考えて家を買うのが大事だって言うんです。資産価値って「買ったときよりも高く売れる」のが、資産価値が高い家ですよね? 家族の夢が詰まった家を建てるのに資産価値なんて必要なんですか?
中山さん:うーん、どうも資産価値について勘違いしているようですね。でも、資産価値はどんな人にとっても大事なことですよ。まずは資産価値の理解からすすめていきましょうか。
資産価値とは、「買ったときより値上がりする物件」ではない
よくある誤解は、資産価値が高い物件とは「買ったときより値上がりする物件」のことだと捉えているケースです。実はこれは間違い。物件の資産価値は買ったときがピークで、そこから築年数に応じて価値も価格も下がるというのが一般的です。
築年数が経過すれば建物は少しずつ劣化しますから、それに伴って資産価値も低下していきます。「資産価値の高い物件を購入して儲けよう」「買ったときの値段よりも高く売って、そのお金でもっといい物件を買おう」というのは、資産価値の考え方ではありません。

資産価値に対する考え方の基本は、購入後にも価値の目減りがほかの物件よりも少ないものを買うこと、もしくは自分が気に入った&購入したいと思った物件の資産価値がどれくらいあるのかを確かめることです。
そもそも資産価値と価格は似て非なるもの、イコールではありません。
つまり買ったときよりも価格が上がることがあるのも、資産価値が上がっていることによるものではないのです。
たとえば、購入した時は不便な場所で物件価格も相応に安かったのが、数年後に鉄道の新線が開業し、新駅ができて「駅前物件」になったとか、近所に大きなショッピングセンターが建設されて買い物や食事や余暇を過ごすのが一気に便利になった場合は、物件のニーズが高まることで価格が上がったりします。
また、景気が拡大する局面では住宅地価が上昇し、それと連動して物件価格が上昇することがありますし、インバウンドで観光客がたくさん来るようになって地域経済が活性化し、住む人や働く人が増えて住宅価格が上がることもあります。
これらは人気が出たことで買いたいという人が増えたために「価格」が上がったのであって、資産性そのものが良くなったということではないのです。
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資産価値とは価格を維持するための「要素」
では資産価値とは何かというと…。
資産価値とは、長年にわたって「価格」をほかの物件と比較して高く維持するための「要素」だと思ってください。
つまり建築された後からは簡単に変更できない物件の客観的なスペックのことです。
物件の専有面積や敷地の広さなどはほぼ変わりませんし、マンションであればタワー型かどうか、大規模物件か否かという物件の総戸数や形状も変えようがない「要素」です。一般的には最寄り駅からの所要時間や距離も上記のようなことがなければ変わることはありません。
このようなスペックが良好な住宅は、長年生活を続けていくうえで便利で快適に過ごすための「要素」でもありますから、こういう「要素」が数多く備わっている物件は、もともと人気もあるでしょうし、値下がりする可能性が周辺のほかの物件に比べて低いと考えられるのです。
ただし、現在ではこういった「要素」がたくさん備わっている物件は、人気になることが売主サイドにも明らかですから(売主は当然のことですがプロですし)、販売価格も強気に設定されることが多いので、価格の高い物件がスペック的にも「資産価値の高い物件」と見ることも概ね間違いではありません。
しかし、冒頭説明したとおり、「資産価値」と「価格」はイコールではありませんから、なかには“価格が高いだけで資産価値があまり高くない物件”や“価格の割に資産価値が高いと考えられる物件(があれば掘り出し物ということになりますね)”もあるということです。
大切なことは、資産価値が高い「要素」だけを重視しないことです。
資産価値の「要素」以外にも、家族が安心して過ごせるか、近くに心安らぐ公園や施設があるかなど、居住面における快適性や安全性(防犯・防災)も住宅を購入するうえでとても重要な「要素」ですから、それらのバランスが取れている「住まいとして総合的に気に入ったもの」を選ぶことがもっとも大切なのです。
Hさん:中山さんありがとうございました。だいぶ資産価値について詳しくなりました。それで今日話に挙がった「要素」なんですが、資産価値の高い要素を持った物件を見極める方法ってありますか? 駅近のほうが資産価値が高いって聞いたんですけど…。
中山さん:うーん、まだまだ理解が足りていないみたいですね。では次回は駅近と資産価値について考えてみましょうか。


よくある質問
Q. 1 家探しを始めたばかりです。「資産価値」ってよく聞きますが、一体どういう意味なのでしょうか?
A. 1 資産価値とは、購入後に価値が下がりにくい性質のこと。多くの人が「買ったときより高く売れること」と考えがちですが、それは誤解です。物件の広さや駅からの距離といった、購入後に変えられない客観的な「要素」で決まり、これらの要素が充実していると価値が下がりにくくなります。
Q. 2 「資産価値の高い家=高く売れて儲かる」ということではないのですか?
A. 2 いいえ、それは誤解です。基本的に家の価値は購入時がピークで、築年数とともに下がっていきます。「資産価値を考える」とは、儲けることではなく、将来売却などをするときのために、価値が下がりにくい家を選ぶという考え方です。
Q. 3 購入したときよりも、家の値段が上がることがあるのはなぜですか?
A. 3 物件自体の価値が上がったのではなく、周辺環境の変化で人気が高まり「価格」が上昇したためです。たとえば、新しい駅や商業施設ができると、住みたい人が増えて価格が上がることがあります。「資産価値」と、需要で変動する「価格」は別ものだと覚えておきましょう。
Q. 4 価値が下がりにくい「資産価値の高い要素」には、具体的にどんなものがありますか?
A. 4 購入後に変更するのが難しい、以下のような客観的な要素が挙げられます。
- 物件の専有面積や敷地の広さ
- マンションの総戸数や形状(タワー型など)
- 最寄り駅からの距離や所要時間
これらの要素が優れていると暮らしやすさにもつながるため、人気が維持されやすく、価値が下がりにくいといえます。
Q. 5 なるべく価値が下がらない家を選びたいです。資産価値の要素だけを重視して探せば間違いないでしょうか?
A. 5 資産価値は重要ですが、それだけで選ぶのはおすすめできません。数値データでは測れない「暮らしやすさ」も住まい選びの大切な要素だからです。たとえば、家族構成やライフスタイルに合った間取り、周辺の環境など、ご自身が「総合的に気に入った家」を選ぶことが、何よりも大切です。
更新日: / 公開日:2022.01.19









