新築住宅を購入する際には、一定の条件を満たすことで、金銭的な優遇措置を受けられる場合があります。

さまざまな制度を組み合わせれば、合計で数十万円から百万円近くの節税につながるケースもあるため、事前に仕組みをきちんと理解しておきましょう。

今回は2024年の税制改正等をふまえ、新築住宅で利用できる優遇措置や補助金制度について詳しくご紹介します。

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住宅購入時に受けられる優遇措置の種類

 

住宅購入で受けられる優遇制度の種類を表でまとめました。

 

内容

税金関連の優遇措置

 

 

印紙税の軽減措置

売買契約書や建築請負契約書に貼る印紙代が軽減される

登録免許税の軽減措置

登記手続きを行う際にかかる税金が軽減される

不動産取得税の軽減措置

住宅を取得した際にかかる税金が軽減される

住宅ローン控除

住宅ローンを利用している場合、一定期間にわたって年末時ローン残高の0.7%が税額控除される

子育てエコホーム支援事業

子育て世帯や若者夫婦世帯を中心に、省エネ性の高い住宅を新築等した場合に支給される補助金

特定の条件を満たした住宅への補助金制度

良質な住宅(認定長期優良住宅、ZEH住宅、低炭素住宅など)である場合に支給される各種補助金

このように、住宅の購入時にはさまざまな優遇措置を受けることができます。

 

ここからは、新築住宅を購入するケースを想定して、各優遇措置の条件と効果、注意点などを詳しく見ていきましょう。

 

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税金関連の優遇措置

 

不動産を購入・取得する際にはさまざまな税金がかかります。しかし、住宅の場合は軽減措置が設けられているので、税負担を抑えることが可能です。以下で詳しく見ていきましょう。

 

印紙税とは、契約書を取り交わす際にかかる国税のことです。

 

印紙税の税額は契約書に記載される契約金額と契約書の作成年月日に応じて決められているものの、住宅を購入する売買契約、注文住宅の工事を依頼する建築工事請負契約においては、以下のような軽減措置を受けることができます。

契約金額

通常の税額

軽減後税額

500万円超1,000万円以下

1万円

5,000円

1,000万円超5,000万円以下

2万円

1万円

5,000万円超1億円以下

6万円

3万円

1億円超5億円以下

10万円

6万円

※軽減措置は2027年3月31日まで

 

登録免許税とは、不動産の登記手続きを行うときにかかる税金のことです。不動産を購入・取得したときには、所有権保存登記や所有権移転登記を行って、正しい権利関係を記録します。

 

このときにかかるのが登録免許税であり、土地と建物それぞれについて決められた税率を基に税額を計算して納める必要があります。

 

ただ、以下の条件を満たした居住用住宅については、軽減措置を受けることができます。

条件

  • 2027年3月31日までに新築または取得すること
  • 新築または取得後1年以内に登記をすること
  • 新築または取得後、自身の居住用とすること
  • 床面積が50平米以上であること
  • 買取再販住宅を取得する場合は、「一定の耐震基準を満たしている」か「1982(昭和57)年以降に建築された住宅」であること

この条件を満たしていれば、建物の登録免許税について以下のような軽減措置を受けることができます。

登記の種類

本則税率

軽減措置

一般住宅

特定長期優良住宅

認定低炭素住宅

所有権保存登記

0.4%

0.15%

0.1%

0.1%

所有権移転登記

2.0%

0.3%

0.2%※

0.1%

抵当権設定登記

0.4%

0.1%

※マンションの場合は0.1%

 

なお、抵当権設定登記とは、住宅ローンの返済がされなくなったときに、金融機関が優先的に債権を回収できるようにする登記のことです。

 

また、土地の登録免許税についても、2026年3月31日までに登記を行えば、本来の税率2.0%から1.5%へと軽減されます。

 

不動産取得税とは、文字どおり不動産を取得したときに発生する税金のことです。

 

税額の計算方法は住宅の場合は「固定資産税評価額×3%」とされていますが、一定の要件を満たせば軽減措置が適用され、税額がゼロになるケースもあります。

 

新築で利用できる軽減内容と要件は以下のとおりです。なお、この軽減措置を受けられるのは2027年3月31日までの引き渡し分までとなります。

 

軽減内容

要件

土地

いずれか高い金額が土地の税額から軽減される

・4万5,000円

・土地1平米あたりの固定資産税評価額×1/2×住宅の課税床面積(200平米まで)の2倍×3%

・不動産取得税の軽減要件を満たす住宅用の家屋が建てられていること

建物

・通常の住宅

固定資産税評価額から1,200万円の控除

・認定長期優良住宅等

固定資産税評価額から1,300万円の控除

・別荘以外の居住用家屋であること

・床面積が50平米以上240平米以下であること(※)

※貸家に供する一戸建て以外の住宅の場合は40平米以上240平米以下

住宅ローン控除の仕組みと利用条件

 

続いて、住宅ローン控除の仕組みと利用条件について見ていきましょう。

 

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームの購入やリフォームを行った場合に、年末時点のローン残高の0.7%が所得税または住民税から税額控除される制度です。2022年の税制改正で一部要件を変更し、2025年まで延長されることになりました。

 

税額控除とは「算出された所得税額から直接差し引かれる」ことを意味しており、配偶者控除のような所得控除と比べて、節税効果が大きくなるのが特徴です。

 

ただし、あくまで所得税(一部住民税)から控除される制度のため、そもそも所得税と住民税が控除額に満たない場合は、フル活用することができません。

 

住宅ローン控除の控除期間は、入居を開始してから最大13年間(中古物件およびリフォームは10年間)です。

 

控除の対象となる借入額は、取得する住宅の環境性能や世帯の属性などによって上限が定められています。

 

2024年時点の新築住宅(買取再販住宅も含む)における、借入上限額と一年あたりの最大控除額は以下のとおりです。

 

2024年入居

2025年入居

長期優良住宅

低炭素住宅

子育て世帯・若者夫婦世帯

借入上限額:5,000万円

最大控除額:35万円/年

その他の世帯

借入上限額:4,500万円

最大控除額31.5万円/年

借入上限額:4,500万円

最大控除額31.5万円/年

ZEH水準省エネ住宅

子育て世帯・若者夫婦世帯

借入上限額:4,500万円

最大控除額31.5万円/年

その他の世帯

借入上限額:3,500万円

最大控除額24.5万円/年

借入上限額:3,500万円

最大控除額24.5万円/年

省エネ基準適合住宅

子育て世帯・若者夫婦世帯

借入上限額:4,000万円

最大控除額28万円/年

その他の世帯

借入上限額:3,000万円

最大控除額:21万円/年

借入上限額:3,000万円

最大控除額:21万円/年

省エネ基準に適合しない「その他の住宅」

0円(※)

 

※2023年末までに新築の建築確認がされている場合は、借入上限額2,000万円、最大控除額は14万円/年

 

2024年度の税制改正により、子育て世帯と若者夫婦世帯に限り、2024年に入居した場合の借入限度額が優遇される措置が取られました(ただし、2025年の入居についても同様の方向で検討)。

 

また、世帯の属性に関わらず2024年〜2025年に入居した場合は、原則として省エネ基準に適合しない新築住宅は控除の対象外となる点に注意が必要です。

 

申請の際には、省エネ基準適合を証明する書類の提出が求められます。

 

新築住宅で利用するための条件は以下のとおりです。

条件

  • 利用者自身が居住するための住宅であること
  • 新築・取得の日から6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年の年末まで居住を続けていること
  • 控除を受けようとする年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上であること
  • 面積が50平米以上であること(2024年末までに建築確認がされている場合、40平米以上で適用。ただし、その際の合計所得金額は1,000万円以下)
  • 床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること
  • 2024年1月以降に建築確認を受けた場合は、省エネ基準に適合していること

住宅ローン控除の要件は、比較的にクリアしやすい内容となっているため、住宅ローンを利用して住宅を購入する多くの方が活用しています。

 

国土交通省の「令和2年度住宅市場動向調査」では、住宅ローンで新築住宅を取得した人のうち、9割近くが利用している、あるいは利用予定であるというデータも公表されています。

 

参考までに、2021年におけるすまい給付金の条件をご紹介します。新築住宅で利用するための条件は以下のとおりです。

条件

  • 住宅ローンを利用していること
  • 床面積が50平米以上であること(一定の期間内※に契約した場合には40平米以上)
  • 施工中に検査を受け、以下の条件のうち少なくとも1つをクリアしていること
  • 1:住宅瑕疵(かし)担保責任保険加入

    2:建設住宅性能表示の利用

    3:住宅瑕疵担保責任保険法人から保険と同等の検査を実施

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新築購入時に利用できる補助金の種類と内容

 

新築購入時には、特定の条件を満たすことで受け取れる補助金制度についても理解しておきましょう。いずれも環境への配慮や暮らしやすさが共通の条件となっています。

 

「子育てエコホーム支援事業」は、2023年度の「こどもエコすまい支援事業」、2022年度の「こどもみらい住宅支援事業」の後継として2024年度にスタートした補助金制度です。

 

子育て支援と2050年カーボンニュートラルの実現を目的に、省エネ性能の高い住宅を新築・取得・リフォームした際に補助金を交付し支援します。

 

新築、あるいは新築分譲住宅を取得した場合は、子育て世帯および若者夫婦世帯のみが対象となり、一定の要件を満たせば最大100万円の補助金を受け取れます。

  • 長期優良住宅は100万円
  • ZEH水準住宅は80万円

一方、リフォームの場合はすべての世帯が対象となり、一定の要件を満たせば最大30万円、子育て世帯・若者夫婦世帯は最大60万円の補助金を受け取れます。

 

申請期限は2024年12月末までですが、事業予算に達した時点で受付終了です。そのため早めの申請をおすすめします。

 

詳細は、「子育てエコホーム支援事業」のサイトをご覧ください。

 

長期優良住宅、ZEH住宅、低炭素住宅を建てた際に交付される補助金制度です。

 

正確には、上記の住宅を国土交通省に採択された「同一地域の中小住宅生産者や木材・建材の流通を担う会社などのグループ」などが手がけた場合に、そのグループに対して支払われる補助金制度。住宅取得者が直接受け取れるわけではないものの、建築費用の軽減につながります。

 

2024年度も継続の方向ですが詳細は未発表のため、ここでは2023年度の内容をご紹介します。

対象となる住宅

加算措置

補助額の上限

長寿命型

(認定長期優良住宅)

①地域材加算

②和の住まい加算

③三世代同居加算

④バリアフリー加算

※①〜④の併用可能

通常タイプ:

70万〜110万円

こどもエコ活用タイプ:

105万〜140万円

ゼロ・エネルギー住宅型

(ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented)

ゼロ・エネルギー住宅型

(認定低炭素住宅)

いずれも木造住宅であることが前提となり、それぞれ加算措置を上乗せした額が補助額となります。

 

なお、この事業には地域型住宅グリーン化事業のみで完結する「通常タイプ」と、別事業のこどもエコすまい支援事業(後の子育てエコホーム支援事業)と連携して申請する「こどもエコ活用タイプ」の2パターンがあります。

 

こどもエコ活用タイプの補助額には、こどもエコ住まい支援事業の定額100万円が含まれるため、補助額が大きくなるのが特徴です。

 

詳細は、「地域型住宅グリーン化事業」のサイトをご覧ください。

 

ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略語であり、簡単にいえば住宅の省エネ化と再生可能エネルギーの導入によって、年間の消費エネルギー量(冷暖房・給湯・照明・換気)の収支をゼロにすることを目指す住宅のことです。

 

新築・購入した住宅がZEHとして認定された場合、定額55万円の補助金を受け取ることができます。

 

また、再生可能エネルギーの性能や自家消費の仕組みに応じて、さらに評価の高い「ZEH+」に認定されれば、定額100万円の補助金を受け取れます。

 

そのほか、「蓄電システム」や「地中熱ヒートポンプ・システム」などの設備を導入した場合には補助額が加算されます。

 

詳細は、「ZEH補助金」のサイトをご覧ください。

 

上記の制度とともに、市区町村などの自治体によって補助金制度が設けられているところもあります。

 

たとえば、新築やリフォーム代金の補助、耐震改修工事の補助、バリアフリー化にかかる工事費の補助など、自治体ごとに補助の仕組みや具体的な金額は異なります。

 

また、「二世帯住宅を建てた場合」や「両親との同居・近接居住」などについて、積極的に補助金を設けている自治体もあるなど、地域によって制度はさまざまです。

 

役所のホームページなどで、住みたいエリアの情報をチェックしておきましょう。

新築住宅で受けられる優遇措置の種類と効果、利用条件

 

  • 住宅の取得時にはさまざまな税金がかかるが、一定の条件を満たせば軽減措置が適用される
  • 住宅ローン控除は住宅ローンを利用する場合に利用できる税額控除の仕組み
  • ZEHや長期優良住宅などの高性能住宅ではさまざまな補助金やポイント給付制度を利用できる
  • 自治体ごとに補助金制度が設けられているところもある
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更新日: / 公開日:2021.11.22