転勤に伴う初期費用の会社負担範囲
転勤の初期費用は、どこまで会社が負担するか就業規則での確認が必須です。敷金・礼金や引越し費用は会社負担、家具・家電の購入費や規定を超えた分は自己負担となるのが一般的です。事前に範囲を把握し、無理のない資金計画を立てることが大切です。
詳しくは、「会社負担になるケースが多い費用」をご覧ください。
転勤時に必要となる各種手続き
転勤が決まったら、新居探しと並行して必要な手続きを進めましょう。単身赴任か家族での引越しによって手続きは異なり、特に家族の場合は住民票の異動や子どもの転校手続きなどが必要です。持ち家がある場合は、空き家にするか、貸すか、売却するかも検討しましょう。
詳しくは、「転勤が決まったらどんな手続きが必要?」をご覧ください。
時間がない時の効率的な部屋探し
時間がない転勤時の部屋探しは、条件整理から始めましょう。家賃の上限、エリア、間取りを先に決めておくとスムーズです。遠方で内見が難しい場合は、オンライン相談やオンライン内見の活用がおすすめです。単身か家族で引越すかによっても準備は異なります。
詳しくは、「時間がないときの部屋探しで押さえておくべきポイント」をご覧ください。

賃貸物件を探すオンライン内見ができる物件

急な転勤が決まったときに考えるべきポイントのひとつに「初期費用の負担」が挙げられます。どこまで会社が負担してくれて、どこから自己負担となるのか、あらかじめ把握しておくと安心です。

今回は転勤にともなう引越しの初期費用負担と、その内訳について解説します。また、転勤時に済ませるべき手続きについてもあわせて見ていきましょう。

転勤の引越し費用の内訳と目安

 

転勤の引越し費用にはどのくらいのコストがかかるのでしょうか。ここでは「賃貸物件の入居に必要な費用」と「引越し料金」の2つに分けて見ていきましょう。

 

賃貸物件に入居する際には、以下のような初期費用が発生します。具体的な金額は部屋の条件などによっても異なるものの、おおまかに「家賃の4~6ヶ月分程度」が相場です。

 

たとえば、家賃10万円の部屋を借りるには、「40万~60万円」程度の初期費用がかかると考えられます。

費用項目

費用の目安

敷金

家賃0~2ヶ月分

礼金

家賃0~2ヶ月分

前家賃

家賃1ヶ月分

日割り家賃

家賃の日割り計算金額

仲介手数料

家賃0.5~1ヶ月分+消費税

火災保険料

1万5,000~2万円

鍵の交換代

1万~2万円

 

引越し料金は、依頼する時期や荷物の量、距離などによっても異なりますが、単身赴任なら5万~10万円程度、夫婦なら15万~20万円程度、ファミリーなら20万~25万円程度が相場です。

 

そのため、賃貸物件の入居費用を合わせると、かなり大きな初期費用が必要となる計算になります。

引越し料金の見積もりをする

会社負担になるケースが多い費用

 

先ほど紹介したように、転勤にともなう初期費用は決して安くはありません。そのため、「どこまでが会社負担となるのか」について、あらかじめ把握しておくことが大切です。

 

ここでは、一般的に会社がカバーしてくれる費用項目を紹介します。

 

敷金・礼金や仲介手数料といった新居を借りるための初期費用は、会社負担となるケースが多いようです。初期費用のうち、これらは大きな割合を占める項目でもあるため、自己負担にならなければ費用を大幅に節減できます。

 

ただ、保険料や鍵の交換代などは自己負担になるケースが多い点に注意しておきましょう。また、新居の前家賃や転居先の日割り家賃は、自己負担となるのが一般的です。

 

引越し費用については、会社が負担してくれるケースが多いようです。なお、会社によっては提携している引越し会社を使うことが原則とされているなど、独自の規則が設けられている場合もあります。

 

引越し先が遠方の場合は、当日の交通費を会社が負担してくれることもあります。また、引越し日前日に新居近くのホテルなどに宿泊する場合には、その宿泊費も会社負担となるケースが多いです。

 

初期費用をどこまでカバーしてもらえるかは、会社によっても大きく異なるので、事前に就業規則をチェックしておくことが大切です。

 

また、費用を負担してもらううえで守らなければならない条件などが記載されていることもあるので、見落としがないように注意しましょう。

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自己負担になるケースが多い費用

 

一般的に会社が負担してくれる費用は、通常の引越しで発生する範囲までといえます。

 

以下のような費用は、基本的に自己負担となるケースが多いので注意しておきましょう。

自己負担となるケース

  • 家具や家電の購入費
  • 特殊な荷物の運搬費用(ピアノや自家用車、バイクなど)
  • 規定を超えた場合の費用分

新生活に必要な家具・家電の購入費は、基本的に自己負担となります。また、大型の荷物や楽器、乗り物といった特殊な荷物の運送料金も自己負担が前提です。

 

そのうえで、特に注意しておきたいのが「引越し費用の上限」です。会社によっては、支給される金額に上限が設けられているケースもあり、その場合は規定を超えた分を自己負担しなければなりません。

 

また、引越しのオプションサービスでもある「荷ほどき」や「不用品処分」などは、会社に負担してもらえないことが多いようです。

新居探し

 

急な転勤が決まったときには、手続きをスムーズに進めるためにも、流れについて理解しておくことが大切です。ここでは、転勤が決まったらすべき手続きについて詳しく見ていきましょう。

 

転勤先のエリアが決まったら、まずはできるだけ早く新居探しをスタートする必要があります。

 

賃貸物件を借りる際には、入居審査や賃貸借契約といった手続きを踏む必要があるため、入居までに予想以上に時間がかかってしまうこともあるのです。

 

新居が決まったら、引越し会社の手配を行います。転勤や異動の多い10月や新生活スタート前の2~3月は引越し会社にとって繁忙期にあたるため、少なくとも引越し日の2週間前には予約を済ませておきましょう。

 

一時的な単身赴任の場合は、物件探しや引越しの手配以外で、必要となる手続きはほとんどありません。

 

生活の本拠地が家族の住む家にある場合は、住民票を移さなくても問題ないため、郵便物の転送手続きだけで済んでしまいます。

 

一方、家族で引越す場合には、以下のような手続きが必要となります。

家族で引越す場合の手続き

  • 住民票の異動
  • 運転免許証、印鑑登録、国民健康保険、国民年金保険、銀行口座の住所変更
  • 生命保険など各種保険の住所変更
  • 児童手当の住所変更
  • 子どもの転校手続き
  • 固定電話の移転や新設

生活の本拠地を移すこととなるため、住所を登録しているものについては、基本的に変更手続きを済ませる必要があります。

 

現在の住所と移転先の住所、それぞれの管轄役所で手続きをしなければならないものもあるため、場合によっては家族で手分けをしながら進めることが大切です。

 

もともとの住まいが持ち家であった場合には、住宅の取扱いについても考える必要があります。この場合、選択肢は「空き家にする」「賃貸に出す」「売却する」という3つとなります。

 

もっとも手続きがシンプルなのは空き家にする方法ですが、住宅は人が住まなくなると劣化が進みやすくなってしまうため、何らかの対処法を考える必要があります。

 

1ヶ月に一度は換気や害虫被害などの確認のために帰り、定期的に状態をチェックしましょう。また、空き家専用のホームセキュリティなど、管理を外部へ委託する方法も有効です。

 

賃貸に出す場合には、不動産会社に仲介を依頼して、入居者を募集する必要があります。さらに、家賃の集金代行や建物の維持管理などを依頼する管理会社を決め、安定して運用できるように準備を進めることも大切です。

 

賃貸として貸し出す場合には、不動産に関する専門的な知識が求められるので、できるだけ早い段階で信頼できる不動産会社を見つけておきましょう。

 

売却する場合には、不動産売却査定を行ったうえで、媒介を依頼する不動産会社を見つけます。売却の手続きが完了するまでには半年程度の期間がかかるため、不動産会社と相談しながら、ゆとりのあるスケジュールを組むことが大切です。

賃貸物件を探す オンライン内見ができる物件

オンライン内見

 

急な転勤時には、新居探しにもあまり時間をかけられません。ここでは、時間がないときの部屋探しで意識すべきポイントについて見ていきましょう。

 

引越し先を決めるうえでは、何よりもまず条件整理を早く進めることが大切です。少なくとも「家賃の上限」「立地」「間取り」の3点は、できるだけ早く決断しましょう。

 

そのうえで、LIFULL HOME’Sといった不動産情報ポータルサイトを利用し、人気のこだわり条件などを参考に、新居に求める条件を明確にしていきます。

 

「なかなか時間がとれない」「遠方のため内見が難しい」といった場合には、オンライン相談やオンライン内見などを利用する方法もあります。

 

オンライン相談とは、不動産店舗に足を運ばなくても、担当者に部屋探しのサポートを行ってもらえるサービスのことです。

 

また、物件のなかには、オンラインによる内見に対応しているものもあり、自宅にいながらでも室内の様子をある程度確かめられるのが利点です。

引越し手続きのところでも触れたように、単身赴任と家族が一緒に引越す場合とでは、必要な準備が異なります。

 

単身赴任の場合は「荷物を最小限にまとめる」「家具・家電は必要最低限のものをそろえる」「仕事帰りに寄れるスーパーや飲食店を探しておく」といったポイントを押さえるのが基本です。

 

一方、家族が帯同する場合には「生活利便性」「治安」「子どもの保育園や学区」などにも目を向ける必要があります。

 

また、引越しの荷物が多いと身動きがとりにくくなってしまうため、計画的に不用品の処分を進めることも大切です。

  • 引越しの初期費用は「家賃4~6ヶ月分+引越し料金」で計算する
  • 賃貸物件の入居費用や基本的な引越し料金、必要な交通費は会社に負担してもらえるケースが多い
  • 特殊な荷物の運搬や、家具・家電の購入費用は自己負担が基本
  • 引越しに必要な手続きを整理して、できるだけ早めに準備を開始する
  • 部屋探しに時間をかけられないときのポイントも押さえておく
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Q.1:急な転勤が決まりました。引越しには、全部でどれくらいの費用がかかりますか?

A.1:転勤に伴う引越し費用は、「新居の初期費用」と「引越し料金」の2つに大別されます。新居の初期費用は「家賃の4~6ヶ月分」が目安です。例えば家賃10万円なら40万~60万円ほどかかります。引越し料金の相場は、単身赴任で5万~10万円、家族での引越しなら15万~25万円程度です。

Q.2:転勤の初期費用は、どこまで会社が負担してくれますか?

A.2:会社によって規定は異なりますが、一般的に「新居の初期費用(敷金・礼金、仲介手数料など)」「引越し費用」「現地への交通費や宿泊費」は会社負担となるケースが多いです。ただし、独自のルールがある場合も多いため、事前に会社の就業規則を必ず確認しましょう。

Q.3:逆に、自分で負担しなければならない費用にはどのようなものがありますか?

A.3:新生活で使う「家具・家電の購入費」は、基本的に自己負担です。そのほか、ピアノや自家用車といった「特殊な荷物の運搬費」、会社の規定を超えた分の引越し料金、荷解きのようなオプションサービスの費用も自己負担となる場合がほとんどです。

Q.4:会社の費用負担のルールについて、事前に確認しておくべきことはありますか?

A.4:まずは会社の就業規則を確認しましょう。費用負担の範囲だけでなく、提携引越し会社の指定や支給額の上限など、会社独自のルールが定められている場合があります。後で困らないよう、細かい部分までしっかり目を通しておくことが大切です。

Q.5:家族で転勤する場合、どのような手続きが必要になりますか?

A.5:家族で引越す場合、生活の拠点が変わるため多くの手続きが必要です。役所での「住民票の異動」をはじめ、「運転免許証や各種保険、銀行口座などの住所変更」、「子供の転校手続き」などが挙げられます。事前にやるべきことをリストアップしておくと、スムーズに進められます。

Q.6:単身赴任の場合、手続きは簡単になりますか?

A.6:一時的な単身赴任で住民票を移さないのであれば、手続きは大幅に簡略化できます。基本的には「郵便物の転送手続き」だけで済むことがほとんどです。ただし、会社の規定などで住民票の異動が必要なケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

Q.7:転勤前の家が持ち家の場合、どうすればよいですか?

A.7:転勤前の住まいが持ち家の場合は、「空き家にする」「賃貸に出す」「売却する」という3つの選択肢があります。空き家にする場合は定期的な管理が欠かせません。賃貸や売却を検討するなら専門知識が必要になるため、早めに信頼できる不動産会社へ相談することをおすすめします。

Q.8:時間がない中で、効率的に新しい部屋を探す方法はありますか?

A.8:まずは「家賃の上限」「立地」「間取り」など、新居に求める条件をできるだけ早く決めましょう。条件が固まれば、不動産情報ポータルサイトなどを活用して、効率的に物件情報を集めることができます。

Q.9:遠方で内見に行けないのですが、部屋の様子を知る方法はありますか?

A.9:不動産会社が提供する「オンライン相談」や「オンライン内見」の活用が便利です。店舗へ行かずに部屋探しの相談に乗ってもらえたり、自宅からスマホなどで室内の様子を確認できたりします。時間がない方や、引越し先が遠い方におすすめのサービスです。

Q.10:単身赴任と家族での引越しでは、準備で気をつけることは違いますか?

A.10:はい、異なります。単身赴任では荷物を最小限にし、家具・家電も必要最低限でそろえるのが基本です。一方、家族で引越す場合は、計画的に不用品を処分して荷物を減らすことや、新居周りの「生活利便性」「治安」「子供の学区」といった住環境を重視する必要があります。

更新日: / 公開日:2021.11.22