- 住宅購入にかかる諸費用の種類と目安
- 住宅購入時には物件価格とは別に諸費用が必要です。新築や中古、戸建てやマンションなど物件の種類によって目安は異なり、一般的に物件価格の数パーセントから一割弱ほどかかります。これらは原則として現金で用意する必要があります。
詳しくは、『住宅購入時の「諸費用」とは』をご覧ください。 - 住宅購入の諸費用の具体的な内訳
- 諸費用には、印紙税や不動産取得税などの税金、登記費用、仲介手数料といった物件にかかる費用と、住宅ローンを組む際の事務手数料や保証料、保険料などがあります。それぞれ目安となる金額や算出方法が異なります。
詳しくは、『「諸費用」にはどんなものがある?』をご覧ください。 - 住宅購入の諸費用を抑える方法
- 住宅購入時の諸費用は、工夫次第で節約することが可能です。火災保険の補償内容を見直したり、ローン保証料が不要な住宅ローンを選んだり、司法書士に頼まず自分で登記手続きを行ったりする方法が挙げられます。
詳しくは、『諸費用を節約する方法』をご覧ください。
住宅を購入するときは、家そのものの費用のほかに、諸費用としてさまざまな出費があります。
一戸建てやマンション、新築・中古にかかわらず諸費用は発生しますが、住宅種別によってやや異なる点も。
ここでは、住宅購入にかかる諸費用とはどんなものなのか解説し、どれくらいの金額が目安なのか、住宅種別ごとにシミュレーションしていきます。
住宅購入時の「諸費用」とは

住宅を購入するときにかかる「諸費用」とは、物件そのものの購入費用のほかにかかる費用のこと。税金や登記費用、手数料など、さまざまな費用が発生します。
どれくらいかかるのかは、物件の種別や土地の有無など、個別のケースにより異なりますが、物件価格をベースとした相場があり、次のような金額が目安といわれています。
諸費用の目安
- 新築一戸建て
注文住宅:物件価格の3~6%(土地がある場合)
建売住宅:物件価格の6~9%
- 中古一戸建て:物件価格の6~9%
- 新築マンション:物件価格の3~6%
- 中古マンション:物件価格の6~9%
仮に物件価格が4,000万円だった場合、かかる諸費用は以下が目安ということになります。
- 新築一戸建て(注文住宅)、新築マンション:120万~240万円
- 新築一戸建て(建売住宅)、中古一戸建て、中古マンション:240万~360万円
ここで注意したいのが、諸費用は住宅そのものの価格に含まれないため、原則、住宅ローンの借入額に含まれないということ。
数百万円を現金で用意する必要があるため、住宅購入時には事前に諸費用がどれくらいかかるのかを計算しておくことが大切になります。
はじめての家づくり講座 住まいの窓口に資金計画を相談する「諸費用」にはどんなものがある?

住宅購入にかかる諸費用の種類はさまざま。かかる・かからないは個別のケースによって異なるものもありますが、代表的なものは次のとおりです。
「物件」にかかる諸費用の内訳と目安
・印紙税
売買契約書に貼る印紙代。
【目安】
契約価格1,000万円超~5,000万円以下の場合は2万円(2027年3月31日まで軽減措置あり)
・不動産取得税
不動産を取得したときに一度だけ課税されます。一定の条件を満たす不動産の場合、軽減措置により非課税となることもあります。
【目安】
固定資産税評価額×4%(2027年3月31日まで軽減措置あり)
・登録免許税
所有権の登記にかかる税金。登記の種類により一定の税率が定められています。
【目安】
土地の所有権移転登記:固定資産税評価額×税率2%(2026年3月31まで軽減措置あり)
建物の所有権保存登記(新築):固定資産税評価額×税率0.4%(2027年3月31日まで軽減措置あり)
建物の所有権移転登記(中古):固定資産税評価額×税率2%(上記と同様)
・司法書士費用
上記の登記手続きは、司法書士に代行を依頼するケースが多く、その報酬額は登記の種類などにより異なります。
【目安】
1万~13万円程度
・住宅ローン抵当権設定登記(借入ありの場合)
住宅ローンを利用して家を購入するとき、金融機関が建物と土地に抵当権(借主がローンを返済できなくなった際、その不動産を担保に優先的に弁済を受ける権利)を設定します。
【目安】住宅ローン借入額×0.4%(2027年3月31日まで軽減措置あり)
・固定資産税、都市計画税(清算金)
所有する住宅に対してかかる税金。土地・建物を1月1日時点で所有している人が、その年の1年分の税金を納めます。年の途中に引き渡しがあった場合は、清算金が発生します。
一般住宅は120平米までの部分について3年間、税額が2分の1に軽減されます(長期優良住宅はさらに優遇)。
【目安】
固定資産税:固定資産税評価額×税率1.4%(標準税率)
都市計画税:固定資産税評価額×税率0.3%(上限)
・仲介手数料
不動産会社などが仲介する中古住宅(一戸建て、マンション)を購入したときにかかる手数料。売買契約時に半分、引き渡し完了時に残りを支払うことが多いです。
【目安】
売買価格800万円以下:一律30万円+消費税(上限)
売買価格800万円超:売買価格×3%+6万円+消費税(上限)
・修繕積立基金
新築マンション購入時のみにかかる費用。将来の大規模修繕に備えて支払います。
【目安】
20万~40万円程度
「住宅ローン」にかかる諸費用の内訳と目安
・印紙税
住宅ローンの契約書に貼る印紙代。
【目安】
2万~6万円程度
・融資事務手数料
住宅ローンの契約をする金融機関に支払う手数料。金融機関により異なります。
【目安】
3万~5万円程度。または借入額の1~3%程度
・ローン保証料
住宅ローンの返済ができなくなった場合に、返済を肩代わりする保証会社に支払うお金。フラット35利用時は不要。また金融機関によってはゼロ、毎月の金利に上乗せの場合も。
【目安】
借入額の0~2%程度
・物件調査手数料
住宅が融資基準に適合するかどうかの調査にかかる手数料。フラット35を利用する場合にかかります。
【目安】
一戸建て2万~8万円、マンション4万~6万円程度
・団体信用生命保険料
住宅ローンを組むときに加入する保険の料金。住宅を借り入れている人に万が一のことがあって住宅ローンの返済ができなくなった場合、残債がゼロになります。
【目安】
特約付きの場合、通常金利+0.2~0.3%程度
・火災保険料、地震保険料
住宅ローンを組む際、火災保険への加入を必須としている金融機関がほとんど。地震に備える場合は、地震保険が必要となります。
【目安】
火災保険料は15万~40万円程度(10年一括契約の場合)
地震保険料は5万~25万円程度(5年一括契約の場合)
諸費用をシミュレーションしてみよう

住宅購入時の諸費用は、物件の種別や住宅ローンの組み方など、さまざまな条件により異なりますが、大まかに次の2パターンに分けられます。
- 新築一戸建て(注文住宅)、新築マンション:物件価格の3~6%
- 新築一戸建て(建売住宅)、中古一戸建て、中古マンション:物件価格の6~9%
この2パターンでの概算諸費用をシミュレーションしてみましょう。
なお、シミュレーションはあくまでも簡易的な概算での目安であり、軽減措置や個別事情などは考慮していないため、実際にかかる諸費用とは異なります。
より具体的な金額は、建築会社や不動産会社にお問合せください。
新築一戸建て(注文住宅)、新築マンションの概算諸費用
※物件価格4,000万円、借入金額3,500万円とした場合
登記費用・登録免許税:約80万円
住宅ローン抵当権設定登記:約19万円
売買契約書 印紙代:約3万円
固定資産税:約10万円
住宅ローン事務手数料:約5.4万円
火災保険料:約40万円
不動産取得税:約90万円
———————————
諸費用合計:約247.4万円
新築一戸建て(建売住宅)、中古一戸建て、中古マンションの概算諸費用
※物件価格4,000万円、借入金額3,500万円とした場合
仲介手数料:約136.1万円
登記費用・登録免許税:約80万円
住宅ローン抵当権設定登記:約19万円
売買契約書 印紙代:約3万円
固定資産税:約10万円
住宅ローン事務手数料:約5.4万円
火災保険料:約40万円
不動産取得税:約90万円
———————————
諸費用合計:約383.5万円
建売住宅や中古住宅は仲介手数料がかかる分、新築と比べて諸費用が高くなることが分かります。
注文住宅VS建売住宅講座 注文住宅の価格・相場講座諸費用を節約する方法

一度に大きな金額の現金を必要とする住宅購入時の諸費用は、少しでも抑えたいもの。ちょっとした工夫や努力で節約できるポイントを解説します。
・火災保険の補償内容を見直す
住宅ローンを組むのに火災保険への加入は必須ですが、補償内容を見直すことで節約が可能。わが家にとっての最低限の補償は何か。加入前に今一度、見直してみましょう。
・ローン保証料を見直す
住宅ローンの支払いができなくなった際に肩代わりしてくれるローン保証会社への保証料。フラット35など、ローン保証がいらない住宅ローンを利用する、頭金を多く入れるなどにより節約できるケースもあります。
・司法書士に依頼せず自分で登記
司法書士に依頼しなければ報酬は不要です。自分で登記ができるか検討しましょう。ただ、自分で行う場合は、時間や費用もかかることを忘れずに。
諸費用を考えるうえでのポイントと注意点

前述のとおり、諸費用は原則として現金払い。あらかじめまとまった現金を用意しておく必要があります。
ただし、現金を用意するのが難しい場合は「諸費用ローン」を利用するという方法も。諸費用を住宅購入の借入金額に組み込むことができるローンで、自己資金が少ない場合の大きな手助けとなります。
ただし、不動産取得税は組み込むことができない、借入金額が増えて月々の支出が多くなるなど、注意すべき点もあります。
住宅を購入する際には、ほかにも引越し代や家具・家電の購入費などが発生し、出費がふくらみがちなもの。これらをふまえ、後悔のないように資金計画を立てましょう。
注文住宅の資金計画講座 住まいの窓口に相談するよくある質問
Q.1:家を買うとき、物件価格の他にどんなお金が必要ですか?
A.1:物件価格の他に諸費用が必要です。諸費用には税金や登記費用、各種手数料などが含まれ、住宅ローンとは別に現金で用意するのが一般的です。
Q.2:諸費用として、現金はいくらくらい準備すればいいですか?
A.2:物件の種類や価格によって異なりますが、新築マンションや注文住宅で物件価格の3~6%、建売住宅や中古物件では6~9%が目安とされています。たとえば、4,000万円の物件であれば、120万~360万円程度の現金が必要になる計算です。
Q.3:諸費用の内訳には、具体的にどのようなものがありますか?
A.3:主な内訳は、契約書に貼る印紙税や不動産取得税といった税金、不動産会社への仲介手数料や司法書士への登記依頼費用などの手数料、住宅ローンを組むためのローン関連費用や火災保険料などです。
Q.4:新築より中古物件のほうが諸費用は高くなりがち、というのは本当ですか?
A.4:はい、高くなる傾向があります。中古物件は不動産会社の仲介を通して購入することが多く、その際に仲介手数料がかかるため、新築物件より諸費用が高くなるのが一般的です。
Q.5:諸費用を少しでも安く抑える方法はありますか?
A.5:たとえば、火災保険の補償内容を必要なものに絞ったり、ローン保証料が不要な住宅ローン(フラット35など)を選んだりすることで、費用を抑えることが可能です。
Q.6:諸費用のための現金が足りないかもしれません。家は買えませんか?
A.6:諸費用分も住宅ローンに含めて借り入れできる諸費用ローンがあります。ただし、借入額が増えるため毎月の返済負担が重くなるなどの注意点もあるため、利用は慎重に検討しましょう。
Q.7:仲介手数料とは何ですか? いつも支払う必要がありますか?
A.7:仲介手数料は、不動産会社の仲介で中古の一戸建てやマンションなどを購入した際に、成功報酬としてその不動産会社へ支払う手数料です。そのため、売主から直接購入する場合や、不動産会社が売主の新築物件などではかかりません。
Q.8:住宅ローンを組むためだけにかかる費用もあるのですか?
A.8:はい、あります。金融機関に支払う融資事務手数料や、返済が困難になった場合に備えるローン保証料、加入が必須なケースが多い火災保険料などが代表的です。
Q.9:家を買った後にも、毎年かかる費用はありますか?
A.9:不動産を所有している限り、毎年固定資産税と都市計画税を納める必要があります。マンションの場合は、これらに加えて管理費と修繕積立金が毎月かかります。
Q.10:自分たちの場合、諸費用がいくらになるか正確に知りたいです。
A.10:諸費用の正確な金額は物件や住宅ローンの内容で大きく異なるため、購入したい物件が見つかった段階で、不動産会社や建築会社に詳細な資金計画や見積もりを依頼しましょう。
更新日: / 公開日:2021.07.02










