8,000万円の住宅ローン、年収は1,120万円以上が目安
無理なく返済できる目安は返済負担率25%以内です。仮に金利1.2%・返済期間35年で試算すると、年収1,120万円以上が必要になります。
詳しくは、「8,000万円の住宅ローンに必要な年収」をご覧ください。
返済期間と金利で変わる、毎月の返済額と総支払額
住宅ローンの毎月返済額や総支払額は、金利や返済期間によって大きく変わります。返済期間が短いほど総支払額は減りますが、毎月の返済額は増えるため、慎重な検討が必要です。
詳しくは、「毎月返済額と総支払額はいくら? 8,000万円の住宅ローン返済シミュレーション」をご覧ください。
住宅ローン控除や繰り上げ返済で負担を軽くしよう
住宅ローン控除は年末ローン残高の0.7%が税額控除される制度です。また、繰り上げ返済は元金を前倒しで支払うため、総支払額を大幅に減らすことができます。
詳しくは、「8,000万円の住宅ローンを完済するためのコツとポイント」をご覧ください。

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住宅ローンの借入額を検討する際には、毎月の支払額や総支払額を細かく計算し、現在の年収で返済を続けられるのかを慎重に見極める必要があります。

 

今回は8,000万円の住宅ローンを借りるケースを想定して、具体的にシミュレーションしながら「毎月支払額」や「総支払額」、「必要年収」を計算します。また、完済するために押さえるべきポイントも見ていきましょう。

住宅ローンの返済シミュレーションをする

 

LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」では、住宅ローンの借入額や金利、返済期間などの条件を入力するだけで、毎月返済額と総支払額を簡単に試算することができます。

 

ここでは、金利や返済期間をいくつかの段階に分けて、実際にシミュレーションしてみましょう。

今回のシミュレーションでは、全期間固定金利として計算を行います。また、具体的な数値については、「フラット35」の最頻金利を参考に設定しました。

 

2021年5月時点、返済期間15~20年で1.230%、21~35年で1.360%が最頻金利となっているので、1.2%~2.0%の間を5段階に分けて計算します。

毎月返済額のシミュレーション結果

金利

返済期間

20年

30年

35年

金利1.2%

37万5,098 円

26万4,727 円

23万3,362 円

金利1.4%

38万2,368 円

27万2,274 円

24万1,048 円

金利1.6%

38万9,727 円

27万9,951 円

24万8,885 円

金利1.8%

39万7,173 円

28万7,759 円

25万6,873 円

金利2.0%

40万4,707 円

29万5,696 円

26万5,010 円

シミュレーションの結果は以上の表のようになりました。

 

返済期間を20年に設定すると、金利に応じて毎月返済額は「37万~41万円」が目安となります。また、一般的な住宅ローンの最長返済期間である35年では、「23万~27万円」が目安となります。

 

まずは現在の家計収支や年収の変動を考慮して、上記の結果を参考にしながら毎月の返済にあてられる金額と比較してみましょう。

続いて、同じ条件で総支払額を計算すると、結果は以下の表のとおりになりました。

総支払額のシミュレーション結果

金利

返済期間

20年

30年

35年

金利1.2%

9,002万3,434 円

9,530万1,704 円

9,801万1,968 円

金利1.4%

9,176万8,339 円

9,801万8,535 円

1億124万0,033 円

金利1.6%

9,353万4,374 円

1億78万2,444 円

1億453万1,771 円

金利1.8%

9,532万1,481 円

1億359万3,167 円

1億788万6,702 円

金利2.0%

9,712万9,600 円

1億645万408 円

1億1130万4,291 円

8,000万円の住宅ローンを借りた場合、返済期間20年と35年では、金利に応じて「800万~1,400万円」程度の差が発生します。

 

当然ながら、返済期間は短いほうが利息負担分をカットできるため、総支払額も小さくなります。ただ、返済期間を短縮すると、毎月支払額が大きくなってしまうため、バランスを慎重に考慮することが大切です。

 

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年収

 

毎月支払額が明らかになっていれば、そこから「返済負担率」を計算して、必要な年収の目安を知ることも可能です。

 

返済負担率とは「年収に対する年間返済額の割合」を示す数字であり、無理なく返済していける目安は25%以内とされています。

 

ここでは前述の毎月支払額をもとに、返済負担率が25%以内に収まる年収を計算してみましょう。

上記の結果のうち、もっとも毎月支払額が小さくなるのは返済期間を35年に設定したケースです。

 

たとえば、「返済期間35年、金利1.2%」の場合、毎月支払額は23万3,362円であり、返済負担率が25%に収まる年収は次の計算式で求められます。

計算式

(23万3,362円×12ヶ月÷25%)×100=1,120万1,376円

つまり、比較的に毎月支払額を抑えられるケースでも、「年収1,120万円以上」は必要だということです。一方、同じ金利でも返済期間を20年に縮小しようとすると「1,800万円以上」の年収が必要となります。

 

ただ、実際には適用される金利などによって結果が異なるため、利用する住宅ローンの条件に合わせて計算することが大切です。

 

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住宅ローン

 

住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、適正年収を把握するとともに、完済のコツを押さえておくことも大切です。ここでは、スムーズに完済するために押さえるべき3つのポイントをご紹介します。

住宅ローン控除とは、住宅ローンで住居を購入したりリフォームしたりした場合に、一定の要件を満たすことで所得税等の控除を受けられる制度です。

 

具体的には、年末時点のローン残高の0.7%が、新築・買取再販住宅は最大13年間、中古住宅・リフォームの場合は10年間にわたり、所得税(住民税含む)から税額控除される仕組みです。

 

対象となる住宅ローンの借入金には上限があり、上限額は住宅の環境性能や世帯の属性、入居年ごとに細かく設定されています。

 

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繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、任意の金額を前倒しで支払う方法です。繰り上げ返済で支払った金額は、全額が元金の支払いにあてられるため、総支払額を大幅にカットすることができます。

 

なお、繰り上げ返済には繰り上げたお金を返済期間の短縮にあてる「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月返済額を縮小する「返済額軽減型」の2つの方法があります。

 

期間短縮型は利息負担分を大きくカットできる点がメリットであり、返済額軽減型はその後の返済にゆとりが生まれやすくなる点が強みです。

 

どちらも異なる特徴を持っているので、ライフプランに合わせて適した方法を選択することが大切です。

 

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夫婦でローンを組む

 

高額な住宅ローンを借りる際には、夫婦の収入を足し合わせて返済計画を立てるケースも少なくありません。

 

夫婦共同で住宅ローンを組む方法には、「収入合算契約」や「ペアローン契約」などがありますが、両者に共通しているのは、どちらかの収入が低下するリスクに備えておくという注意点です。

 

特にこれから子育てを始める世帯では、出産や育児により、配偶者の収入が低下してしまう時期があることを計算に入れておきましょう。

 

育休中には返済計画を柔軟に変えてもらえる住宅ローンもあるので、事前に仕組みを調べておくことも大切です。

 

また、夫婦で住宅ローンを組む場合、実際の返済負担割合と住宅持ち分割合が異なると、贈与税が発生してしまうケースがあります。

 

たとえば、「返済負担は夫7割、妻3割」となっているにもかかわらず、「持ち分は平等」としてしまうと、夫から妻にいくらかの贈与があったとみなされてしまうのです。

 

そのため、返済計画を立てるタイミングで、負担割合を慎重に判断することも大切となります。

 

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住宅ローンの返済

 

今回のシミュレーションでは、8,000万円の住宅ローンを組むために、少なくとも年収1,120万円以上は必要であることが分かりました。

 

しかし、実際には頭金の割合や金利、返済方法、家計の状況といったさまざまな要素に目を向けながら、綿密な返済計画を立てる必要があります。

 

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、住宅ローンに関するさまざまな悩みについて、ハウジングアドバイザーが無料で相談を受け付けています。

 

必要に応じて、ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家にも無料でおつなぎすることができるので、返済計画に迷ったときには利用を検討してみてください。

 

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Q.1 8,000万円の家を買う場合、住宅ローンの毎月の返済額はだいたいいくらになりますか?

A.1 金利や返済期間によって返済額は大きく変わります。たとえば、記事のシミュレーションでは以下が目安です。

  • 返済期間35年(金利1.2%):毎月約23万円
  • 返済期間20年(金利1.2%):毎月約38万円

返済期間が短いほど毎月の負担は増えますが、総支払額を抑えられるメリットがあります。ご自身の状況で試算してみましょう。

Q.2 8,000万円の住宅ローンを組むには、どれくらいの年収が必要ですか?

A.2 無理のない返済プランの目安とされる「返済負担率25%」で試算した場合、年収1,120万円以上が一つの目安です。ただし、これは返済期間35年のプランです。返済期間を短くしたり、金利が高くなったりすると、必要な年収もさらに高くなる点に注意しましょう。

Q.3 8,000万円借りたら、最終的にいくら支払うことになりますか? 利息はどれくらいですか?

A.3 総支払額や利息は、金利と返済期間で大きく変わります。金利1.2%の場合、返済期間による違いは以下のとおりです。

  • 返済期間20年:総支払額 約9,002万円(うち利息 約1,002万円)
  • 返済期間35年:総支払額 約9,801万円(うち利息 約1,801万円)

返済期間が長いほど、利息の負担は増える傾向にあります。

Q.4 毎月の返済額を抑えたり、総支払額を減らしたりする何か良い方法はありますか?

A.4 主に2つの方法があります。

  • 繰り上げ返済:家計に余裕があるときに前倒しで返済する方法です。返済した分だけ利息を減らす効果が期待できます。
  • 住宅ローン控除:年末のローン残高に応じて所得税などが控除される制度です。

Q.5 夫婦で協力して8,000万円のような高額な住宅ローンを組むことはできますか?

A.5 はい、夫婦の収入を合わせる「収入合算」や、それぞれがローンを組む「ペアローン」などの方法があります。高額なローンを組む際は、以下の点に注意して慎重に計画を立てましょう。

  • 将来の収入が変化する可能性を考えておく
  • 返済負担と持ち分の割合が異なると贈与税がかかる場合がある

更新日: / 公開日:2021.06.17