住宅ローンを利用するときには、無理のない返済計画を立てることが大切です。しかし、いざ自分で試算を行うとなると、どう進めればいいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
今回は、住宅ローンの借入限度額や毎月の返済額を決めるうえで、押さえておくべき項目と手順を詳しく解説します。そのうえで、具体例を参考にローンのシミュレーションをしてみましょう。
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住宅ローンの試算に必要な項目

住宅ローンの試算を行う際には、あらかじめいくつか明らかにしておくべき項目があります。ここではまず、ローンの計算に必要となる項目を見ていきましょう。
住宅ローンの利用額に影響を与える項目
- 年収
- 年齢
- 借入期間
- 金利
- 返済方法
- 希望する毎月返済額
年収については、世帯で計算します。申込者本人とともに、配偶者にも収入がある場合には、合計した金額を基準にするのが一般的です。
年齢は「申請時年齢」と「完済時年齢」の2つに分けて考えられ、審査においても特に重要とされる項目のひとつです。完済時の年齢は、現在の年齢に借入期間を足した数字となります。
借入期間が長いほど利用できる限度額は大きくなるものの、それによって完済時年齢が高くなると、審査では不利になってしまいます。そのため、現在の年齢と借入額のバランスを考慮することが、返済計画の重要なカギとなるのです。
これらの条件に加えて、金利や返済方法、毎月の返済額も住宅ローンの試算に大きな影響を与える項目です。ここからは、それぞれの具体的な仕組みや判断基準について詳しく解説していきます。
金利タイプの種類と特徴

住宅ローンの金利には、「固定金利」「変動金利」「固定金利期間選択型」の3つのタイプがあります。それぞれ異なる特徴を持っているため、比較しながら自分に合ったものを選ぶことが重要です。
固定金利型のメリットとデメリット

固定金利型とは、返済が完了するまでの金利が固定される金利プランのことです。このタイプは返済までの金利が一定であるため、安定した返済計画を立てやすい点にメリットがあります。
一方、デメリットとしては、ほかの金利タイプに比べてスタート時の金利が高くなる点です。また、経済情勢の変化で金利が低下したとしても、返済額が変わらないという点がデメリットとなる可能性があります。
変動金利型のメリットとデメリット

変動金利型は、半年ごとに金利が変動し、その結果に基づいて5年に一度返済額の見直しが行われる金利プランです。大きなメリットは、固定金利よりもスタート時の金利が低い点にあります。
一方、将来的な金利変動のリスクがあり、返済計画を立てるのが難しい面はデメリットです。そのため、どちらかといえば短期で返済を済ませられる人に向いているプランだといえます。
ただ、返済額の上昇範囲には制限が設けられており、どれだけ金利が上昇しても1.25倍までと決められています。
固定金利期間選択型のメリットとデメリット

固定金利期間選択型とは、スタートから一定期間の金利が固定され、その後に再び金利タイプを選択できるプランです。固定期間は3年、5年、7年などで設定され、期間終了後に再び固定金利を選択することもできます。
経済状況に合わせて選択できる点がメリットではあるものの、変動金利と同じように金利上昇のリスクがある点や、変更回数が制限される可能性がある点には注意が必要です。
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返済方法の種類と特徴

金利タイプとともに、返済計画に大きな影響を与えるのが返済方法の種類です。
住宅ローンの返済方法には、「元利(がんり)均等返済」と「元金(がんきん)均等返済」の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。2つの方法を比較する際には、何が「均等」とされているのかに着目すると理解がスムーズです。
元利均等返済のメリット・デメリット

元利均等返済の場合は「元金+利息」の支払いが均等、つまり毎月の返済額が一定となる返済方法です。大きなメリットは、月々の支払額が固定され、返済計画を立てやすくなる点にあります。
ただ、返済当初は利息部分の支払いが多くなってしまうため、なかなか元金が減っていきません。その結果、総返済額がかさんでしまう点がデメリットとなります。
元金均等返済のメリット・デメリット

元金均等返済とは、文字どおり「元金部分の支払いが均等」となる返済方法です。利息については、残っている元金を基に計算されるため、返済を続けるたびに利息分の負担が少なくなっていきます。
そのため、元利均等返済と比べて、総支払額が少なくなる点が大きなメリットです。一方、返済当初の支払額が大きくなるため、ローン審査が厳しくなってしまう点がデメリットとなります。
場合によっては、借入金額を下げないと融資が下りない可能性もあるため、注意しておきましょう。
毎月返済額の目安と決め方

安定した返済を続けるためには、毎月の返済額を基に利用金額を決めることが大切です。ここでは、月々の返済額の目安と決め方について解説します。
返済負担率を25%以内に抑える
返済負担率とは、年間の返済額が年収に対してどれくらいの割合を占めているかを示す数字です。
たとえば、年収500万円の世帯で月々10万円の返済をしていく場合、返済負担率は「10万円×12ヶ月÷500万円=24%」となります。
返済負担率は、住宅ローン審査でも重要な項目として扱われており、基準は金融機関ごとに20~40%の間で設定されているのが一般的です。ただ、無理なく支払えるとされる割合は25%以内とされています。
そのため、住宅ローンを試算する際には、返済負担率25%を基準に検討していくといいでしょう。
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最後に、これまでに見てきた項目を基にして、実際に住宅ローンの試算を行ってみましょう。ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を利用して計算します。
シミュレーションで想定する条件
住宅ローンシミュレーターを使うにあたり、具体例として以下の条件を設定しました。
条件
- 年齢35歳
- 頭金なし
- 金利タイプは固定金利を選択
返済期間20年までは1.5%
返済期間21年以上は1.6%
- 返済負担率は25%
- 返済期間は20年、30年、35年の3パターンで計算
住宅ローンのなかには、フラット35のように、返済期間の長短によって金利が変化するものもあります。今回は返済期間20年を区切りとして、金利が異なるタイプのものを想定します。
今回は返済負担率を25%として設定したため、毎月返済額は「年収×0.25÷12ヶ月」で求めています。
これらの条件を基に、年収別の利用限度額をシミュレーションしましょう。
返済期間20年の場合(※固定金利1.5%で計算)
世帯年収 | 毎月返済額 | 借入限度額 |
|---|---|---|
300万円 | 6万3,000円 | 1,306万円 |
400万円 | 8万3,000円 | 1,720万円 |
500万円 | 10万4,000円 | 2,155万円 |
600万円 | 12万5,000円 | 2,590万円 |
700万円 | 14万6,000円 | 3,026万円 |
800万円 | 16万7,000円 | 3,461万円 |
900万円 | 18万8,000円 | 3,896万円 |
返済期間30年の場合(※固定金利1.6%で計算)
世帯年収 | 毎月返済額 | 借入限度額 |
|---|---|---|
300万円 | 6万3,000円 | 1,800万円 |
400万円 | 8万3,000円 | 2,372万円 |
500万円 | 10万4,000円 | 2,972万円 |
600万円 | 12万5,000円 | 3,572万円 |
700万円 | 14万6,000円 | 4,172万円 |
800万円 | 16万7,000円 | 4,772万円 |
900万円 | 18万8,000円 | 5,372万円 |
返済期間35年の場合(※固定金利1.6%で計算)
世帯年収 | 毎月返済額 | 借入限度額 |
|---|---|---|
300万円 | 6万3,000円 | 2,025万円 |
400万円 | 8万3,000円 | 2,668万円 |
500万円 | 10万4,000円 | 3,343万円 |
600万円 | 12万5,000円 | 4,018万円 |
700万円 | 14万6,000円 | 4,693万円 |
800万円 | 16万7,000円 | 5,368万円 |
900万円 | 18万8,000円 | 6,043万円 |
この結果からも明らかなように、返済期間が長ければ長いほど、借入限度額の幅は広がります。しかし、期間が長いほど安定した返済を続けるのには工夫が必要であるため、より綿密な計画を立てなければなりません。
また、今回のシミュレーション結果はあくまでも目安にすぎません。実際に試算する際には、世帯の事情やライフステージの変化、金融機関の条件なども考慮しながら行いましょう。
住宅ローン計算に必要な項目と手順を押さえれば自分でも試算できる

- 試算に必要な項目を把握して、1つずつ明確にしていくことが大切
- 金利タイプの違いを比較しながら自分に合ったものを選択する
- 適した返済方法は返済期間や収入のゆとりによって異なる
- 返済負担率は25%以内に抑えるのがポイント
- 借入限度額を調べる際には、住宅ローンシミュレーターが便利
更新日: / 公開日:2021.05.12










