単身赴任なら控除を継続できる
転勤が単身赴任で、家族がマイホームに住み続ける場合、住宅ローン控除は継続して利用できます。ただし、家族全員で引越しをすると、その期間は控除の対象外となるため注意しましょう。
詳しくは、「転勤になったらどうなる? 単身赴任と家族で引越す場合の住宅ローン控除」をご覧ください。
家族での引越しでも再適用できる
転勤で家族全員が引越した場合でも、再びマイホームに戻って住めば、住宅ローン控除の再適用が可能です。手続きをすることで、残りの控除期間について控除が受けられます。
詳しくは、「家族帯同の場合は、戻ってきたときに残存控除期間があれば利用できる」をご覧ください。
控除の再適用には条件がある
住宅ローン控除の再適用を受けるには、会社の辞令による転勤など「やむを得ない事情」が必要です。また、手続きには所定の書類が必要となるため、事前に確認しておくとスムーズです。
詳しくは、「住宅ローン控除の再適用とは? 具体例で解説」をご覧ください。

無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口とはあなた専用!住宅購入のやることリスト

住宅を購入したとき住宅ローン控除を受ける人は多いでしょう。

住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%相当額が所得税などから控除されるため家計にとってうれしい制度ですが、転勤により転居することになった際にも制度を利用できるのか不安に思う人もいるではないでしょうか。

 

そこで今回は、単身赴任や家族で引越すことになった場合の住宅ローン控除の仕組みや注意点について解説します。

住宅ローン控除(減税)とは

まずは、住宅ローン控除がどんな制度なのかを簡単に説明します。

 

住宅ローン控除とは、10年以上の住宅ローンを利用した人を対象に、新築住宅および買取再販住宅の場合で最大13年間、中古住宅は10年間にわたり、年末の住宅ローン残高の0.7%相当額を所得税や住民税から控除してくれる制度をいいます。

 

控除額の上限は住宅の種類や性能によって異なります。たとえば新築の認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅)は1年間最大35万円の控除を受けられ、新築の省エネ基準適合住宅の場合は1年間最大28万円の控除を受けられます(子育て世帯・若者夫婦世帯が2024年に入居した場合)。

 

住宅は大きな買い物ですが、住宅ローン控除を利用すれば大きな節税効果を得られるということですね。

 

※参照

住宅ローン減税(国土交通省)

 

無料で住まいの窓口に相談する

住宅ローン控除の適用要件のひとつに、「住宅の所有者が、住宅を取得した日から6ヶ月以内にその住宅に居住し、同年の12月31日まで引き続き居住していること」が挙げられます。つまり、取得した住宅に住み続けていることが条件です。

 

では、住宅の所有者が転勤の辞令を受け、転居することになった場合はどうなるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

住宅の所有者が単身赴任になった場合、家族が住み続けることで「所用者が居住しているもの」として扱われ、引き続き住宅ローン控除を受けることができます。住民票を転勤先に異動しても住宅ローン控除に影響はありません。

 

というのも住宅ローン控除は、「やむを得ない事情がある場合に限り、一定の要件を満たすことで例外的に適用を受けることができる」とされています。この場合、転勤=やむを得ない状況、家族が住み続ける=一定の要件となります。

 

ただし、赴任先が海外の場合、上記の例外が適用されるのは2016年4月1日以後に住宅を取得した人に限られます。もともと海外の単身赴任者は適用外となっていましたが、不公平な状況を解消するために、2016年度に税制改正が行われました。

家族全員で転勤先に引越す場合は、家族が住み続けているという要件を満たしていないため、転居中は住宅ローン控除の適用外となります。

 

しかし、戻ってきたときに残存控除期間があれば、再適用の手続きをすることで残存控除期間のみ住宅ローン控除を利用することができます

 

この再適用の制度は、2016年3月31日以前に住宅を取得した人が海外に単身赴任になった場合にも該当します。

 

海外赴任中は住宅ローン控除を受けられませんが、自宅に戻ってから再適用の手続きをすることで、残存控除期間に対して住宅ローン控除が適用されます。

残存控除期間における再適用について、具体的な例を挙げて説明していきます。

住宅ローン控除が10年の場合

  • 住宅ローン控除を3年受けた後に転勤が決まり、家族で引越しをした

  • 家族で転居した期間は4年間

  • その後戻り、再適用の手続きをした

この場合、住宅ローン控除を受けられるのは、最初の3年+再入居した3年の計6年となります。

 

住宅ローン控除を受けられるかどうか

 

再適用の際は、家族全員で戻ってきた場合はもちろん、家族のみ戻ってきた場合(所有者は単身赴任)も該当します。また、転居や再入居の回数に制限がないため、短期間の転勤が複数回あっても問題ありません。

 

また、再適用が認められる転居は、「給与等の支払いをする者からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由」とされています。

 

つまり、会社の命令で転居せざるを得ない状況であることが条件です。自己都合による転居は基本的に認められないため注意しましょう。

 

無料で住まいの窓口に相談する

再適用制度を利用して賢く節税対策しよう

住宅ローン控除は大きな優遇税制ですから、控除を見越したライフプランを立てている人は多いでしょう。急な転勤辞令が出ても制度の仕組みを理解していれば、あわてず対処できます。

 

細かな要件や手続きに関しては、国税庁のホームページや最寄りの税務署などで確認できるため、制度利用の際には詳細をチェックし、賢く節税対策をしていきましょう。

  1. 単身赴任の場合は変わらず住宅ローン控除を受けられる
  2. 家族で引越す場合は、転居中は適用外。ただし、再入居の際に残存控除期間があれば再適用を受けられる
  3. 再適用が認められる転居は会社命令による転勤などで、自己都合による転居は認められない
無料で住まいの窓口に相談する 売却を相談する不動産会社を探す 引越し料金の見積もりをする

Q.1:住宅ローン控除とは、どのような制度ですか?

A.1:住宅の購入で10年以上のローンを組んだ場合に、年末のローン残高の0.7%が所得税や住民税から最大13年間(中古住宅は10年間)差し引かれる制度です。大きな節税効果が期待できます。

Q.2:住宅ローン控除の期間中に転勤が決まりました。控除は受けられなくなりますか?

A.2:転勤の状況によって異なります。所有者本人のみの単身赴任か、家族全員での引越しかによって、住宅ローン控除を継続できるかが決まります。

Q.3:転勤で自分だけが単身赴任することになりました。住宅ローン控除は継続できますか?

A.3:はい、継続できます。所有者本人が単身赴任しても、家族がその家に住み続けていれば、引き続き住宅ローン控除を受けられます。住民票を異動しても影響ありません。

Q.4:家族全員で転勤先に引越すことになりました。この場合、住宅ローン控除はどうなりますか?

A.4:家族全員で引越す場合、その家に誰も住んでいない状態になるため、転居している期間は住宅ローン控除が適用されません。

Q.5:家族での転勤後、元の家に戻ってきたら住宅ローン控除はまた受けられますか?

A.5:はい、再開できます。元の家に戻った時点で住宅ローン控除の適用期間が残っていれば、所定の手続きをすることで、残りの期間の控除を再開できます。

Q.6:住宅ローン控除の再適用は、どのような理由の引越しでも認められますか?

A.6:認められるのは会社の命令による転勤といった「やむを得ない事由」がある場合に限られます。自己都合による引越しでは、原則として再適用は認められないため注意しましょう。

Q.7:海外への単身赴任でも、住宅ローン控控除は受けられますか?

A.7:住宅の取得時期によって異なります。2016年4月1日以降に取得した住宅であれば、海外への単身赴任でも家族が住み続けていれば控除を継続できます。それより前に取得した場合は、海外赴任中は適用されませんが、帰国後に手続きをすれば残りの期間の控除を再開できます。

更新日: / 公開日:2020.02.14