今回紹介するのは、総合病院の契約職員として事務に従事するAさん(44歳男性)の体験です。
一般に住宅ローン審査では「正社員でない人は通りにくい」といわれているのですが、Aさんの場合も審査に落ち続け、ようやく借りることができたのは5社めにアタックした地方銀行。審査に通るまでの経緯を聞きました。
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Aさん(44歳)のプロフィール
年収:340万円(購入当時)
家族構成:妻37歳、長男11歳、長女10歳
【住宅ローン】
審査を依頼した金融機関:5社(都市銀行4社、地方銀行1社)
借りることができた金融機関:地方銀行
頭金:200万円
借入金額:2300万円
金利タイプ:変動金利型
返済額(月):7万5000円
返済年数:35年
【購入した住まいについて】
エリア:神奈川県川崎市→神奈川県横浜市
立地:最寄り駅からバスで15分
購入した物件:中古一戸建て(木造2階建て)
築年数:購入時点で築9年
間取り:3LDK
購入価格:2500万円
購入した時期:2011年6月
家賃を払い続けるのはもったいない。一戸建てを購入しようと決意

6年前、神奈川県川崎市内の賃貸マンションに住んでいたAさん。私鉄沿線のターミナル駅から徒歩10分の立地で、2Kで家賃は10万円でした。それに対して当時のAさんの月収は28万円。
「家族は専業主婦の妻と幼稚園児の子ども2人。そんなわが家にとって、月々の家賃の支払いには負担を感じていました」。
そんなある日、妻から「家を買おう!」という提案をもちかけられたAさん。
「月10万円の家賃を払い続けるのはもったいないと言い出したんです。妻はネットで情報収集をしていて、月々7万円程度の返済で住宅ローンを組むことができれば、同じ私鉄沿線で手の届く物件がありそうなので、思い切って買わないかと。当時僕は38歳でしたから、『年齢的にも買うなら早いほうがいい』とも、妻から言われました。返済期間30年でローンを組むとすると、70歳近くまで返し続けないといけないわけですからね。妻の意見に賛成しました」。
早速、具体的な物件探しを始めたAさん夫妻。「月々の返済額7万円」が可能になる購入価格ということで目指したのは「2500万円前後の物件。最大でも2800万円」。
半年ほどかけて候補物件の内覧をし、大手不動産会社のB社の仲介で、横浜市内にある2500万円の中古一戸建てを購入することになりました。
「マンションも数件見て回りましたが、マンションって月々の修繕費や管理費がかかってきますよね。そういった費用が、住宅ローン返済額の月7万円に加わると、結局月10万円以上の出費を強いられることになります。それでは意味がないので、一戸建てを買うことにしたのです」。
なかなか通らず、4社の審査に落ち続けた…
さて、次に待っていたのは住宅ローン審査です。購入費用の2500万円のうち、Aさんが頭金で用意できるのは100万円、残りの2400万円について住宅ローンを組もうと考えました。
「もしかして審査に通らないかもという不安はあったんです」とふり返るAさん。Aさんの職業は東京都内の総合病院の事務職ですが、雇用形態は契約職員。
「知り合いから、正社員でないと住宅ローンの審査は通りにくいと聞いていたんです。契約や派遣社員だと、収入が不安定という評価になってしまうのでしょう」。
さらに加えて不安材料は勤続年数の短さだったといいます。実はAさん、以前はメーカー勤務の会社員で、当時は転職してまだ3年めという時期でした。
そんなAさんの不安は的中してしまいました。
まず、購入した物件を仲介してくれたB社の紹介で都市銀行2社に審査を依頼。しかし、2社とも予審で落ちてしまいました。さらにB社は別の都市銀行2社を紹介してくれ、Aさんは再チャレンジに臨みましたが、またしても予審の段階で通りません。
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審査は一度に依頼するよりも間を空けるべき。その理由とは

4社の審査に落ちてしまったAさん。
「救いだったのはB社の担当者が何かとサポートしてくれたことです。不動産会社だから住宅を売りたいというのもあったでしょうけれど、『この家を買いたい』という僕らの熱意が伝わったように感じました。『都市銀行がダメなら地方銀行があります。都市銀行より審査は厳しくないのでやってみましょう』と提案してくれて、頼もしかったです。審査の手続きや銀行とのやりとりなども、全部B社の担当者にお任せしていました」。
都市銀行4社の審査申し込みと結果待ちだけのために3ヶ月ほど費やしてしまったと話すAさん。
ならば一度にまとめて4社へ審査を申し込んでしまえば時間的なロスは防げたのではと思いがちですが、それはどうも違うようです。
「B社の担当者から教えてもらったのですが、多くの銀行に同時にローン審査を申し込むと、それだけで審査に通りにくくなるんだそうです。『一度に審査に出すのは、どんなに多くても2社』と、言われました。その理由は、ローンなど借入を申し込んだ事実が個人信用情報として記録されるからなのだそうです」。
個人信用情報とはクレジットやローンの契約等に関する情報のことで、金融機関が信用を判断するための参考資料として利用されます。
個人信用情報には過去の支払い状況だけでなく、支払い能力を調べるために金融機関が照会をした履歴も記録されるのです。
そうしたことを踏まえ、B社の担当者はこう教えてくれました。
「いくつもの銀行に住宅ローンを申し込んでいるということは、『他の銀行の審査に落ちたからうちの銀行の申込をしている』と考えられてしまいます。それは、審査に悪影響を与えてしまうんですよ」と。
通らなかった理由は雇用形態、勤続年数のほか、意外な理由も
B社の担当者は、Aさんが都市銀行4社の審査に落ちた理由も教えてくれました。
その理由とは、Aさんが予想していた通り、雇用形態が契約職員だったことと勤続年数が短いこと。そして、前述の個人信用情報に「支払いの延滞」の履歴があったことで、審査に通らなかったというのです。
「分割払いの携帯機種代金の延滞」「クレジットカードのキャッシング」「消費者金融からの借入があったこと」という3点がネックになりました。
「正直、驚きました。全部20代の出来事だし、消費者金融から借りたのも急な出費で必要になったからで、10万円とかのレベルです。支払うのを忘れただけで完済しているんですよ。でも、そういう履歴は残されているんですね。僕は雇用形態や勤続年数がマイナス評価だったので、20代までさかのぼって個人信用情報をチェックする必要があったのかなと思っています」。
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頭金を増額し、無事審査に通ることができた

さて、都市銀行4社の審査に落ち、5社目の審査依頼先としてB社の担当者が提案してきたのは地方銀行のC銀行でした。
「これが最後のチャレンジ! これでダメならもう家を買うのは諦めよう」と思っていたところ、C銀行の審査に通ることができました。
何か対策を考えたのでしょうか?
「頭金を200万円に増額しました。予審の際、B社の担当者から『頭金をあと100万円、増やせないでしょうか?』と打診されたのです。当初計画していた頭金100万円を用意するだけでもS精一杯なのに、あと100万円と言われて途方に暮れました。でも、ここで諦めなければお金を借りられてマイホームが手に入る。そう思って、親に泣きついて100万円の援助を受けたのです」。
そうしてC銀行で頭金200万円・2300万円の住宅ローンを組むことができたAさん。返済年数は35年、金利タイプは変動金利型。月々の返済額は、当初もくろんでいた7万円よりやや多くなったものの7万5000円に抑えることができました。
ローン審査に通ったその理由と対策は?
それにしても都市銀行4社のローン審査に落ちたのに、100万円増額したことで地方銀行のC銀行の審査に通ることができたとは驚きます。
審査に通った理由はほかにも何かあるのでしょうか。AさんはそれまでC銀行は名前を知っている程度の存在で、普通預金口座を持ったこともなかったといいます。
「僕も不思議に思ってB社の人に聞いてみたんです。そうしたら僕は契約職員であっても、勤め先が名の通った総合病院であることが評価ポイントになったと聞きました。それと、買ったあとで登記簿謄本を見てわかったんですが、この家と土地の抵当権は、僕が買う以前からC銀行に設定登記されていたんです。つまり、前に住んでいた人もC銀行で住宅ローンを組んでいたというわけです。ならば最初からC銀行に審査を申し込めばよかったのにと思いますが、地方銀行より都市銀行のほうが金利が低いとかの理由があったのかもしれません」。
家を買い、住宅ローンの返済を始めて5年が経過したAさん。今のところ、借り換えや繰り上げ返済のことまで考えていないといいます。
「住宅ローンの負担を軽くするなら繰上返済は有効な方法だと思います。でもC銀行との契約では、繰上返済をすると100万円の違約金が発生するんです。住宅ローンの契約時に初めて知りました」と打ち明けます。
今、住宅ローンの審査に通るまでの経緯を振り返ってみて、「住宅ローンの審査の基準は金融機関などで異なっているし、その人の職業や勤め先、雇用形態、収入などでもまったく違うと思います。やってみないとわからないという感想を持ちました」と話すAさん。
家の購入を検討している人に向けて「審査に通るためのできる努力として、頭金を少しでも多く用意しておくことは大切だと思います」とアドバイスをしてくれました。
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更新日: / 公開日:2016.11.11










