2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられました。住宅は大きな買い物ですから、増税前に購入した方がよいのかどうか、迷った人も多いでしょう。
そこで今回は、10%増税時に整備された国の制度を紹介しながら、どんな人がどの程度の支援を受けられるのかを解説していきます。制度を上手に活用すれば、増税後の方がお得になる可能性もありそうです。住宅購入のタイミングに迷った人は、ぜひ参考にしてみてください。
※なお、この記事は2020年1月に作成・公開し、2024年5月に一部更新して公開しています。住宅購入のタイミングの振り返り時にお役立てください。
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住宅購入で消費税がかからないものとは?

住宅購入に増税がどう影響するのかを知る上でまず理解しておきたいのが、消費税がかからない費用です。押さえておきたい3つを紹介します。
土地にはかからない
意外と知らない人が多いのが、住宅用の土地には消費税がかからないこと。土地はそもそも消費するものではないため非課税に分類されます。たとえば、5,000万円のマンションや建売一戸建てを購入した場合、5,000万円全額に消費税がかかるわけではないということです。
個人から購入する中古住宅にはかからない
消費税は“事業者が提供するものに対して課される税金”のため、個人が売却する住宅は非課税です。個人が売主になるのは中古住宅となり、それを不動産会社が仲介するというケースが多いですが、この場合、土地代はもちろん建物代にも消費税はかかりません。ただし、仲介手数料は課税対象です。
不動産会社が個人から住宅を買い取って売却する場合は課税の対象に。中古住宅を購入するときは「取引形態」をチェックするとよいでしょう。
不動産取得税などの税金や保険にはかからない
住宅購入の際には、土地・建物の登録免許税や不動産取得税の支払いが必要です。火災・地震保険や団体信用生命保険などに加入する人も多いでしょう。これらはもともと不課税、非課税に分類されるもののため、消費税はかかりません。
住宅購入で増税が影響する2つのポイント

それでは、住宅購入で増税が影響する費用について解説します。とくに押さえておきたいのが、「建物価格」と「仲介手数料」です。
建物価格
不動産のうち消費税がかかるのは土地を除いた部分ですが、増税前後でどのくらい違いが出るのでしょうか。仮に建物部分が3,000万円の住宅を購入した場合、2019年の増税前と後では次のような差が出ます。
2019年増税前後の建物価格の差
- 増税前…3,000万円×消費税8%=3,240万円
- 増税後…3,000万円×消費税10%=3,300万円
- 差額…60万円
建物価格が高額になれば、この差はどんどん広がります。
仲介手数料
住宅購入の諸費用のうち、とくに高額となりやすいのが仲介手数料。課税の対象になるため増税の影響を受けます。仲介手数料は土地を含めた総額の販売価格にかかり、取引形態に応じて中古物件のみならず新築物件でも生じる手数料です。
仲介手数料は、販売価格が400万円を超える物件の場合「販売価格×3%+6万円」で算出できます。仮に5,000万円の住宅(建物代+土地代)の住宅を購入した場合、2019年の増税前と後では次のような差が出ます。
2019年増税前後の仲介手数料の差
- 増税前…5,000万円×3%+6万円に消費税8%=168.48万円
- 増税後…5,000万円×3%+6万円に消費税10%=171.6万円
差額…3万1,200円
建物価格ほどではないものの、増税前と比べると万単位の差がでてきます。
マンションを探す 一戸建てを探す 注文住宅を探す 無料で住まいの窓口に相談する増税のダメージを緩和する支援策とは?

消費税10%への増税による住宅購入の落ち込みを緩和するために、国はさまざまな支援策を打ち出しました。主な支援策は4つ。それぞれ見ていきましょう。
「住宅ローン控除」の延長で、増税分が還元される
住宅ローン控除とは、10 年以上の住宅ローンを組む人を対象に、年末の住宅ローン残高から一定割合の金額を所得税などから控除する制度です。消費税10%への増税に伴い、控除期間が10年から13年に延長されました。この延長された3年間の控除額は、おおむね建物代にかかる増税分相当額(2%)が還元される仕組みになっている点がポイントです。
また、住宅ローン控除は所得税や住民税から控除されるという性質上、所得が多い人のほうが恩恵を受けやすいという特徴があります。
なお、消費税10%増税時の控除率は1%でしたが、2022年度の税制改正により、控除率は0.7%に引き下げられています。さらに、2024年からは省エネ基準への適合が要件に加わり、子育て世帯および若者夫婦世帯への優遇措置も取られています。
2024年5月時点の住宅ローン控除の制度内容は、国土交通省のページを参照してください。
「すまい給付金」の年収上限と給付基礎額がアップ
すまい給付金とは、住宅購入者の年収に応じて現金を給付する制度です。住宅ローン控除の仕組みとは異なり、所得が少ない人のほうが給付を多く受け取れるのが特徴。消費税10%への増税に伴い、年収上限が510万円以下から775万円以下に拡大され、給付基礎額の最高額が30万円から50万円に増加しました。
なお、すまい給付金は2022年で終了しています。
年収ごとの給付基礎額の目安(住宅ローンを利用する場合)
- 増税前…
年収425万円以下の人に「30万円」を給付
年収475万円以下の人に「20万円」を給付
年収510万円以下の人に「10万円」を給付- 増税後…
年収450万円以下の人に「50万円」を給付
年収525万円以下の人に「40万円」を給付
年収600万円以下の人に「30万円」を給付
年収675万円以下の人に「20万円」を給付
年収775万円以下の人に「10万円」を給付
年収510万円以下の人は、増税前と比べると給付基礎額が20万円あるいは30万円アップ、年収511万円以上で775万円以下の人は、増税前はなかった給付基礎金を最大30万円受け取れるということですね。
実際の給付金額を決める際には、年収以外に不動産の持分割合なども関わってくるため、この数字はあくまで目安として参考にしてください。
「贈与税非課税枠」が最大3,000万円に拡充
住宅購入費用は高額になるため、親や祖父母から資金の援助を受ける人は少なくないでしょう。これまでも贈与税の非課税枠は設けられていましたが、消費税10%への増税に伴い、非課税枠の上限が1,200万円から3,000万円に拡充されました。
住宅資金として1,200万円を超える贈与を受ける場合は、増税後のほうがよかったというケースも多いでしょう。
なお、2024年の住宅資金贈与の非課税枠は最大1,000万円となります。詳細は国土交通省のページを参照ください。
中古住宅と若者世帯にメリットが大きい「次世代住宅ポイント制度」
次世代住宅ポイント制度は消費税10%への増税に伴って新設された制度で、従来の住宅エコポイント制度が基盤になっています。一定の省エネ性・耐震性・バリアフリー性能がある住宅や、家事負担を軽減する設備などを設置した場合に対して、商品と交換可能なポイントが付与されるという仕組み。
特徴は、リフォームと若者・子育て世帯が優遇されている点です。注文住宅の新築や新築住宅の購入で最大35万円相当、リフォームで最大45万円相当のポイントが付与され、さらに若者・子育て世帯が中古住宅を購入してリフォームする場合は最大60万円相当のポイントがもらえます。
中古住宅のリフォームを検討している人や若者・子育て世帯の人は、この制度を活用すると増税後のほうが有利になるケースもあったでしょう。
なお、この制度は2020年に終了しています。
支援策の併用で、賢く消費税対策を

上記の支援策は、原則として併用可能です。上手に活用すれば、増税分を相殺できたり、増税後のほうがかえってお得になったりする可能性は十分に考えられます。一方で、支援策の利用には、借入金額、年収、住宅性能、年齢などに細かな条件があるため、人によっては期待するほどのメリットを享受できないことも。
住宅購入を検討するタイミングが増税前後になった場合は、まず増税で増える住宅費用を試算し、制度利用で得られる控除や補助金の額を比較してみることをおすすめします。
また、住宅購入の費用に関係するのは消費税だけではありません。物件価格や工事価格、住宅ローン金利の変動も大きく影響します。これらを包括的にとらえ、自分にとってベストな選択肢を見つけることが大事です。
そして最も大切なのは、ライフプランに合ったタイミングや資金計画で住宅を購入すること。本来の目的を見失うことなく、豊かな暮らしを手に入れていきましょう。
マンションを探す 一戸建てを探す 注文住宅を探す 無料で住まいの窓口に相談する更新日: / 公開日:2020.01.27










