国土交通省の2021年度「住宅市場動向調査」によれば、初めて住宅を購入した人(一次取得者)の平均年齢は、新築と中古、一戸建て、マンションを問わず30代後半から40代前半とされています。
20代での住宅購入は、平均と比べると早いタイミングだといえるでしょう。それだけに、住宅購入においては、若い世代だからこその強みと注意点の両面があります。
今回は20代で家を購入するメリット・デメリットと、特に重要視したい3つの課題について見ていきましょう。
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20代で家を購入するメリット

20代でのマイホーム購入には、経済的な側面におけるさまざまなメリットがあります。ここでは、3つのポイントから具体的に解説します。
住宅ローンの返済期間を長くとれる
住宅ローンの審査では、借入時の年齢だけでなく、完済時の年齢も重視されます。
一般的な住宅ローンは返済最長期間が35年とされているものの、借入時に一定以上の年齢である場合は、完済時年齢の観点から十分な期間を確保できないこともあります。
20代であれば、返済計画を最長の35年間で考えても特に問題ありません。同じ毎月返済額を設定するのであれば、当然ながら返済期間を長くとった方が借入額の枠は広がるので、資金計画にゆとりが生まれやすくなります。
老後の資産形成にゆとりができる
20代でマイホームを取得すれば、基本的には定年を迎える前に住宅ローンを完済できる計算となります。
そのため、退職金のほとんどを老後の生活費に充てられるなど、定年後の資産形成に余裕が生まれるのも大きなメリットです。
家賃負担分を省略できる
より上の年齢で住宅を買う場合と比べて、20代であればトータルで支払う家賃コストも抑えられます。
住居の購入後にも維持費などのコストはかかりますが、家賃と比べれば一般的に安く収まるため、金銭面ではメリットの方が大きいといえるでしょう。
20代で家を購入するデメリットと注意点

20代では、収入やライフプランの面から、上の世代とは違ったデメリットを感じるケースもあります。ここでは、2つの観点から見ていきましょう。
物件の選択肢が狭まりやすい
20代では、上の世代と比べて年収が低い傾向にあります。住宅ローンの借入額は、現在の年収を基に計算するため、年収が低い状態ではどうしても借入可能額が少なくなりやすいです。
また、20代は上の世代と比べて頭金の貯蓄が進んでいないケースも多いため、十分な住宅資金を用意できず、物件の選択肢が狭まってしまう可能性もあります。
ライフプランの不確定要素が大きい
人にもよりますが、20代はまだライフプランにおいて不確定な部分が多いのも特徴です。
転職や転勤といった居住エリアの変化につながるイベント、結婚・出産といった住環境の変化につながるイベントを考えると、最適な住まい選びが難しい面もあるでしょう。
そのため、住環境を柔軟に変えられるという点から、マイホームではなく賃貸物件でもう少し様子を見たいと考える人も少なくありません。
この点については、住んでいるエリアや実家との関係性、職業や勤務形態によっても異なるので、それぞれの事情にしっかりと目を向けることが大切です。
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考えておきたいこと1:綿密な予算のシミュレーションをしよう

20代の住宅購入で、まず考えておきたいのは住宅資金に関するポイントです。ここでは、住宅の購入予算を考えるうえで、重要となるポイントを2つの観点から解説します。
諸費用と維持費に目を向けよう
住宅の予算を考える際には、物件価格ばかりに注目しがちですが、購入時には諸費用が、購入後には維持費がかかることも意識しておきましょう。
諸費用とは、各種税金や手数料といった住宅を購入するために必ずかかるコストのことです。
諸費用の目安は、物件の種類や細かな状況にもよるものの、住宅価格の5~10%程度とされています。諸費用の項目には、現金で用意しなければならないものも多いので、十分な自己資金を用意しておくことが大切です。
また、維持費とは、固定資産税や修繕費用、保険料などのコストを指します。
こちらも物件によって目安は異なりますが、年間50万円近くかかるケースもあるので、購入後の返済計画にはゆとりを持たせる必要があります。
借入額が十分でないときの対処法
前述のように、20代ではまだ年収が低く、1人では十分な金額を借りられない場合もあります。ただ、結婚していて夫婦共働きであれば、「ペアローン」を利用して借入額を増やすことも可能です。
ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンを組み、2本のローンで1軒の住宅を購入する方法です。この方法であれば、2人分の収入で借入額を計算できるため、予算の枠を広げることができます。
また、夫婦の収入を足し合わせて1本のローンを組む「収入合算」という方法もあります。それぞれ仕組みやメリットは異なるので、利用する場合には両者の特徴を調べておきましょう。
なお、ペアローンや収入合算は、原則として結婚している夫婦しか利用できませんが、金融機関によっては婚約済みや内縁関係でも認められるケースがあります。
気になる人は、住宅ローンを取り扱っている金融機関の窓口に相談してみるのもひとつの方法です。
考えておきたいこと2:ライフプラン変化のリスクを考慮しよう

20代でのライフプランは、上の世代と比べて変化する可能性が高いため、ある程度の柔軟性を持たせておく必要があります。
ここでは、さまざまなライフイベントのなかで、住宅に大きな影響を与えると想定できるポイントを見ていきましょう。
結婚・出産
現在独身の場合は、これから結婚や出産によって世帯構成が変わることも想定しておく必要があります。なぜなら、家族の人数によって、必要な広さや間取りが異なるためです。
さらに、子育てのしやすさを考えれば、適した立地や設備なども変わってきます。そのため「間取りに可変性を持たせる」「初めから子育て環境に適した立地を狙う」など、ある程度長期的な視点で考えることが大切です。
また、住宅ローン計画においても、将来的に養育費がかかることを想定して、ゆとりを持たせる必要があります。
転勤の可能性
転勤の可能性がある職場に勤めている場合は、あらかじめ単身赴任をするのか、家族みんなで引越しをするのかを話し合っておく必要があります。
転勤先のエリアや滞在年数などによっても状況は異なるため、想定される状況をいくつかイメージして、持ち家の取扱いを考えておくといいでしょう。
離婚の可能性
現在結婚をしている場合、万が一離婚をしてしまうと、財産分与の問題が生じます。賃貸とは違い、持ち家は資産として扱われるため、きちんと夫婦それぞれで分割しなければなりません。
もっともシンプルな方法は、持ち家を売却した後に現金で分割するケースですが、住宅ローンの返済途中で売却するためには「ローン残債以上の価格で売る」か「不足分を現金で補う」必要があります。
急いで売却した結果、購入価格と比べて大きな損失が生まれてしまうといったケースもめずらしくありません。
また、住宅を残すとしても、夫婦共有名義にしていた場合には名義の変更が必要であり、出ていく側には対価を支払わなければなりません。
このように、離婚によるデメリットは、賃貸と比べてはるかに大きい点に注意が必要です。
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考えておきたいこと3:万が一に備えた「売りやすい」住宅選びも大切

不確定要素が多い20代では、ライフスタイルの変化に備えて、住み替えを見据えた住宅を選ぶという選択肢もあります。そうした場合には、あらかじめ「売りやすい」「貸しやすい」住宅選びを意識することが大切です。
具体的なポイントとしては、以下のような要素が挙げられます。
売りやすい・貸しやすい住宅の要素
- 築年数が浅い
- あまり個性的ではない一般的な間取り
- 人気の高いエリア、再開発エリア
- 教育施設や公園が近く、子育てしやすい立地
- 交通アクセスに優れる、駅から近い(徒歩10分以内)
- メンテナンスが行き届いている
また、賃貸に出すことを考えれば、一戸建てよりマンションの方が借り手は見つけやすいといえるでしょう。いずれにしても、将来的に売却をしなかったとしても、相続などを考えれば、物件の出口戦略を考えておくことはとても重要です。
できるだけ長期的な視点で物件を見極めるためにも、専門家に相談をしながら丁寧に情報収集をしていきましょう。
まとめ

- 20代では住宅ローン返済期間を長くとれ、定年を迎える前に完済できるのがメリット
- 諸費用や維持費にも目を向けて、現実的な予算計画を立てよう
- ライフプランに不確定要素が多いため、変化を想定しつつ、柔軟性のある住まい選びが重要
- 転勤や離婚などのリスクも想定して、万が一の際に持ち家をどう取り扱うかを決めておく
- 住み替えを前提に、売りやすい・貸しやすい物件を探すのもひとつの方法
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更新日: / 公開日:2022.09.01










