床暖房はどれも同じと思っている人も多いのではないでしょうか。今回は、床暖房の種類と、選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
それぞれのメリットやデメリット、コストについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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床暖房は大きく2種類に分けられる

床暖房は、主に「電気ヒーター式と「温水循環式」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
◇電気ヒーター式床暖房
「電気ヒーター式」の床暖房には、主に3つのタイプがあります。
電熱線式
発熱体に電気を通して放熱する方式です。熱源が必要ないので設備費が安く、定期的なメンテナンスも必要ありません。設置が容易なので省スペースの床暖房にも適しています。
ただし、電気を通して発熱させるためランニングコストが高く、コードが断線したときの修理費用も高額になりがちです。また、立ち上がりに時間がかかり、温度にムラがあるといったデメリットもあります。
蓄熱式
夜間電力を使って蓄熱体を暖め、昼間に自然放熱させる方式です。夜間電力を利用するためランニングコストが低いというメリットがあります。日中の放熱時間が長く、朝から夜まで快適な温度をキープすることが可能です。
蓄熱式は省スペースの暖房に向いていますが、設置費用が高く、放熱時間帯は温度のコントロールができないというデメリットがあります。
ヒーター式
「自己過熱抑制機能」でムダな発熱を抑える方式です。部屋単位で考えると設置費用は安めです。定期的なメンテナンスも必要ありません。発熱パネルそのものに温度制御機能が搭載されているのも特徴といえるでしょう。
ただし、カーボンに混ぜられている有機化学系粘着剤が膨張と収縮を繰り返すため、劣化すると十分な温度が得られなくなります。
◇温水循環式床暖房
電気だけではなく、ガスや灯油などの燃料で水を温めて放熱する方式です。熱源は主に4つに分けられます。
電気
電気を使った温水循環式床暖房は、複数の部屋や広い範囲に設置できます。温度ムラも少なく、基本的にはメンテナンスも不要です。ただし、立ち上がりは約2時間半前後と遅く、方式によっては熱源機が別途必要です。
電気を使った温水床暖房は、さらに4種類に分けられます。
1.多機能型エコキュート
料金が割安な夜間にお湯を電気で沸かしてタンクにため、給湯や床暖房に使う方式です。ランニングコストは低めですが、床暖房の面積や使える時間に制限があります。
2.床暖房専用ヒートポンプ
大気の熱をくみ上げて温める方式です。消費電力の3倍という熱エネルギーを床暖房に転用できます。CO2の排出もなく安全ですが、ヒートポンプ熱源機が別途必要です。
3.エアコン連動型ヒートポンプ
ヒートポンプを使いますが、立ち上がりはエアコンを連動させて室内全体を暖かくする方式です。最大で15畳程度の部屋まで対応できます。
4.太陽熱利用温水器
太陽熱で水を温め、ガスや灯油ボイラーで再加熱して循環させる方式です。
ガス
ガスを使った温水循環式床暖房は立ち上がりが約1時間前後と早いため、1日に何度も電源のON・OFFを繰り返せます。ただし、ガス熱源が別途必要です。
ガスを使った温水床暖房は主に3種類に分けられます。
1.床暖房専用熱源機
床暖房用のガスボイラーを使う方式です。設備費が安く、温度の制御も簡単にできます。
2.温水暖房付き給湯器
ガスボイラーを給湯と暖房で共用するタイプです。給湯器1台分の設置スペースがあれば床暖房にも使えます。
3.エコウィル
ガスエンジン発電機の排熱と電力を使ってお湯を蓄え、暖房や給湯に使う方式です。
電気・ガス(ハイブリッド)
ハイブリッドタイプの温水循環式床暖房は立ち上がりが約30分と大変早く、1日に何度でも電源のON・OFFができます。ランニングコストの少なさも特徴です。ただし、ハイブリッド給湯暖房器が別途必要です。
電気とガスを使ったハイブリッド式温水床暖房は主に2種類です。
1.エコジョーズ(ガス)+ヒートポンプ(電気)
ガス給湯器とヒートポンプを組み合わせたタイプです。
2.太陽熱利用+エコジョーズ(電気)
太陽熱でお湯を沸かす給湯器と、その補助にガス給湯器を使うタイプです。太陽エネルギーを利用するので光熱費を節約でき、お湯切れも起こしません。
灯油
床暖房専用の灯油ボイラーで暖める方式です。広い面積でも対応可能でランニングコストも安めですが、定期的に給油する必要があります。
床暖房のコスト比較

熱源別のコストを比較してみましょう。電気ヒーター方式の10畳を100とした場合、イニシャルコストの違いはおよそ以下のようになります。
【イニシャルコスト比較】
熱源方式 | 設備費(10畳) | 設備費(30畳) |
|---|---|---|
電気ヒーター | 100 | 285 |
プロパンガス | 70 | 150 |
都市ガス | 70 | 150 |
灯油 | 80 | 160 |
ヒートポンプ | 135 | 210 |
エコキュート | 170 | 対応エリア18畳まで |
【ランニングコスト比較】
熱源方式 | 設備費(10畳) | 設備費(30畳) |
|---|---|---|
電気ヒーター | 100 | 300 |
プロパンガス | 55 | 165 |
都市ガス | 50 | 150 |
灯油 | 35 | 105 |
ヒートポンプ | 28 | 64 |
エコキュート | 25 | 対応エリア18畳まで |
初期費用は、電気式よりも温水式のほうが高めですが、ランニングコストは温水式のほうが安くなります。
ただし、どの方式を選択した場合でも、設置する機種や使用範囲、使用時間によって最終コストが変わるので注意が必要です。
床暖房のある物件床暖房を選ぶ際のポイント

床暖房選びで気をつけたいポイントを2つ紹介します。床暖房設備は施工すると簡単に入れ替えられないので、床暖房の種類とコストをよく比較しながら、総合的に判断することが大切です。
安全性・耐久性に優れたものを選ぶ
一般的な床暖房設備の保証期間は2~10年と幅があります。保証期間は品質の目安になるので、購入する前に必ずチェックしておきましょう。
耐久年数は電気式よりも温水式のほうが短いとされていますが、実際には使い方や環境によって大きく変わります。長期間にわたって利用できる温水式床暖房も少なくありません。重要なのは「故障したときの補償や対応」です。
設備の耐久性も大切ですが、家族のライフプランを考慮した床暖房の選択も重要です。
数年後に家族が独立して世帯人数が少なくなる場合は、リビング全体を暖める必要がなくなるかもしれません。そのときには、床暖房以外の暖房器具でもまかなえるため、修理や設備交換の必要はなくなります。
部分的に使うなら電気式、全体的に使うなら温水式が向いている
部分的に使うなら、比較的設置が容易な電気式の床暖房が適しています。電気代はかかりますが、部分的な使用ならランニングコストを抑えることも可能です。
リビングなどの広い範囲を温めるなら、立ち上がりが早くランニングコストを抑えられる温水式床暖房が向いているでしょう。
まとめ

床暖房には「電気ヒーター式」と「温水循環式床暖房」があります。それぞれにメリットデメリットがあるので、ライフスタイルに合ったタイプの床暖房を選ぶようにしましょう。
熱源によって導入費用やランニングコストも異なるため、長い目で見た比較検討が必要です。床暖房の安全性や耐久性の高さをチェックすることも忘れないようにしましょう。
床暖房のある物件更新日: / 公開日:2021.06.01










