ヴィジュアル系やサブカルチャー関係を中心にライターとして活動する藤谷千明さんが、38歳にして同性の友人3人との同居をスタートするまでの過程を描きます。
東京都心の1Kで一人暮らしをしていたものの、仕事や趣味の物で部屋はいっぱい。そんな生活に限界を感じ、同じような趣味嗜好の友人たちに声をかけ、ルームシェアを目指しました。
古いものの、理想的な一軒家を探しあて、無事引越しも終えて、ようやく4人での生活が始まりました。
最終回となる第5回では、生活を始めてから出てきた、家事分担や食材、日用品の共有などの課題について、どのように解決していったのかをご紹介します。
ルームシェア可の物件
登場人物紹介

藤谷:この記事を書いているフリーランスのライター。趣味と仕事の物が多いため、1K暮らしに限界を感じて、広い家でオタク同士のルームシェアを目指す。全員もともと趣味を通じた知り合いである。
丸山さん(仮名):アナログゲームオタク。フリーランスの服飾作家をしているため、物が多いのでルームシェアに参加。
角田さん(仮名):都内の企業で働く会社員。観劇オタク。最近は趣味で和装を始めたため、着物でクローゼットが大変なことになっており、ルームシェアに参加。
星野さん(仮名):都内の企業で働く会社員。ソシャゲや二次元のオタク。通勤に2時間かかる実家住まいに不便を感じており、ルームシェアに参加。
オタクにコミュニケーションは難しい?
無事契約、引越しを終わらせて、4人の共同生活が始まりました。全員長年の付き合いではありますが、一緒に暮らすとなると話は別。コミュニケーションが重要になってきます。
近年女性ファッション雑誌でもオタク特集が組まれ、今やオタクのイメージはさまざま。コミュニケーションが苦手なタイプも少なくなっているのかもしれません。とはいえ、こちとら昭和生まれのオタクだからかは定かではありませんが、コミュニケーション能力は決して高くはないと自負しています。
世の中、1を聞いて10を知る人もいれば、1から10まで聞いて理解する人もいるし、1から10を聞いてもなぜか65くらいに飛ぶ人もいます。なお、私は最後のタイプでした。
そしてやっぱり最初に出てくる壁が家事分担。生まれた頃から暮らしている家族だったり、愛し愛されて生きている恋人同士や夫婦だったりしても、もめることでおなじみの家事分担。
4人が円滑に家事タスクを共有していくにはどうすればいいのでしょうか。
ルームシェア生活をスタートさせて、半年以上たった現状の家事共有を、まとめてみようと思います。
ルームシェア可の物件「やること」の共有はTodoリストアプリで

なんせ4人もいるから、口頭の報告だと連絡漏れ待ったなしです。当番制も学校みたいで息苦しいし、そもそも「何曜日の何時にどこの掃除」と決めたとしても、オタクは急にイベントの予定が入ることもあるので現実的ではないでしょう。
ここはITの力に頼らざるをえません。掃除や消耗品交換など、定期的に発生する「やること」は、Todoリスト作成アプリで共有します。
お風呂掃除やタオルの交換などは毎日、廊下やリビング掃除などは週1、とあらかじめリストに入れておいて、それぞれが好きな時間に「やること」のチェックリストを埋めていくやり方に落ち着きました。
アプリなら「誰がなにをしたか」が自動的にメールで通知されるので、連絡漏れもかなり減ります。
「どこに何があるか」の共有はひと目でわかるように
「冷蔵庫に何があるか」「洗剤のストックはどこにあるか」も、なかなか情報の共有が難しいものでした。
冷蔵庫に豚肉が少ないな〜と思って買って帰ると、他の人も同じものを買ってきていたり……。どちらも、どこに何があるかをひと目でわかるようにしました。

冷蔵庫の場合、このイラストのように「冷蔵庫」「冷凍庫」「野菜室」「買うもの」と分けて、肉や野菜の名札を作りマグネットで貼り付けてみることに。なお、名札についている赤いシールは「共有予算」から出すものか、そうでないかの違いです(これ決めるのも割と話し合いました)。
ちなみにわれわれは急なイベントが発生し、突如外食になることも多いので、「作りすぎたので食べる?」「食べる〜♪」はありますが、明確な食事当番は決めていません。
なお、食器洗いはもともとビルトイン食器洗い機(以下、食洗機)がついていたので、それを使っています。食洗機、初めて使ったのですが、本当に良い文明機器ですね……。
トイレットペーパーや洗剤のストックは納戸にしまっています。ありがたいことに、かなり大きな収納スペースがあるので、「どこに何があるか」がわかりにくいのも事実です。
「トイレットペーパーどこ?」「納戸の何番目だよ」と都度チャットアプリで確認するのも手間ですし、「どこに何があるか」をざっくりパソコンで描いてプリントアウトした紙を扉の裏に貼りました。デジタルなんだかアナログなんだかわかりませんが、「見て一発でわかる」のが重要かなと……。

※実際に使用している図
多少はゆるくてもいいよね、という気持ちが快適なルームシェアをつくる
このように、「見てわかる」家事分担を心がけていますが、完璧を目指すのではなく、戸締まりや火の元など命に関わること以外は、多少ゆるくてもいいのでは?という気持ちでやっています。
実際引越してきたばかりの頃は、「一軒家新規ハイ(※新規ハイ=なにか新しいジャンルにハマって気分がハイになること)」みたいな状態になってしまい、やたらと掃除に力を入れすぎたりしていました。それだと生活に疲れてしまいます。
毎日、家中掃除しなくても人は死にません。そのくらいの「ゆるさ」が、他人同士の共同生活では必要なのではないかと思いました。
同居人からのコメントご紹介
最後に、同居人の皆さんからもらったメッセージを紹介します。
丸山さん
広いお風呂やリビングなど、一人暮らしでは持つのが難しい空間ができるのが最高です! 衛生観念とか倫理観とかが似た、ある程度愛すべき人間たちを選んで、キミだけの理想の家をつくろう!
角田さん
3人もの他人との生活は自分やシェアメイトの、人生で身につけてきた習慣や癖、そしてオタク的には沼の交差点。それまでの環境の違いの分だけ、トラブルへの対処法もいろんなアイデアが出てくるので、合理性を追求すればより効率的で快適な生活が得られるかも。
いつでも新しい沼への入り口がそこにある生活、いいですよ。
星野さん
他愛もないことをポロッと話せる、体調がすぐれない時に助け合える、家電が壊れた等のトラブルにも4人(?)寄れば文殊の知恵——“家に誰かいる”ことは、もちろん気を使うことも多いですが、それ以上にQOL(Quality of Lifeの略)を爆上げします。
いろんなことを“まあ、これはこれでいいか”と思える適度にテキトーな人には、ルームシェア、オススメです。
いかがでしたか? ひょんなことから始めたルームシェアですが、なかなか快適で楽しいです。
そこそこ信頼できて、そこそこ気の合う仲間(この「そこそこ」が大事なポイントだと思います)がいたら、ぜひ一度ルームシェアを検討してみることをおすすめします!
ルームシェア可の物件更新日: / 公開日:2019.09.12










