家を建てたり、マンションを購入またはリフォームしたりするとき、「普通とはちょっと違う家にしたいな」と思う方は多いでしょう。どうせなら家にも個性を出したいものですよね。
例えば、ご自身や家族が趣味で「お茶」をたしなんでいる場合、「家の間取りに茶室をつくってみたい」と考えたことのある方もいるのではないでしょうか。
ただ、本格的に茶室をつくるとなるとやはり大変です。さまざまな知識も費用も必要になります。ですが、「インテリアのひとつとして茶室にも使える和室をつくる」ということであれば、工夫次第で実現が可能かもしれません。
今回は我が家に茶室をつくるとき、どのように間取りを考えればよいかということについて解説していきます。
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どのくらいの広さの茶室にするのかイメージ

茶室の広さにはさまざまな種類がありますが、大きく分けると次の2種類となります。
1. 広間(ひろま)
4畳半以上15畳くらいまでの座敷を指し、一般的に「書院風(しょいんふう)」と呼ばれています。この書院風の茶室は、さまざまなものを飾る「床」や「棚」などがあります。そのため、ある程度の広さが必要になるのです。「芸術作品を見ながらお茶をたしなむ」といった優雅さ、きらびやかさが特徴的です。
2. 小間(こま)
4畳半以下の間取りの座敷のことです。これらは一般的に「草庵風(そうあんふう)」と呼ばれています。この草庵風の茶室は、千利休が完成させたとされています。千利休は茶室から豪華さを取り除いた質素な味わいを大切にしていたため、書院風に比べるととてもシンプルなものです。かの豊臣秀吉もこの形で自身の茶室をつくっており、なんと2畳という小さなものでした。
このように、部屋の広さで一応の分類はありますが、要は茶室の内容やコンセプトに基づくものなので、茶法によっては「広さは広間と言えるが、書院風にはあてはまらない」ということもあります。
あくまでも家にどれくらいの広さの茶室を「確保したいのか」「確保できるのか」という軸で考えてみましょう。「4畳半」については広間にも小間にも属し、この広さを基準に茶室をつくらなければならないわけではなく、「歴史的に考えるとこのように分類された」というものです。
ポイント
そのほか、茶室を語るときによく出てくる用語を知っておきましょう。この後の解説でもいくつか使っていますので、ある程度覚えておくとスムーズです。
貴人畳…主客が座る畳。茶室の場合、床の間の前が上座となる
客畳…客となる人が座るための畳
点前畳(てまえだたみ)…主人が座り、点前をする畳
炉(ろ)畳…「炉」(一尺四寸四方の『いろり』)がある畳
踏込畳…出入口(腹(にじり)口・背口)に面した畳
お茶のための湯を沸かす「炉」をどうするか?

茶室には「炉(ろ)」というものが必要です。これはお茶をたてるためのお湯を沸かす「いろり」のことを指します。なお、炉をつくることを、「炉を切る」と言います。
炉はその後の用途や火災の防止策なども考慮し、どんなものを選ぶかじっくり検討することをおすすめします。また、炉の切り方(位置)によって間取りが変わってくるので、炉の切り方も炉のタイプとともに最初に検討する必要があるでしょう。
炉を切るか、「置き炉」にするか
本格的な炉であれば、床下を掘ってそこに炭を入れ、いろりにします。ただし、住宅の事情によっては深く掘ることが難しいため、「置き炉」という方法もあります。これは箱に入れた炉を床の上に置くような形になるのですが、置く場所を少し掘り下げて低い位置で使えるタイプもあります。
火を使う炉か、電気炉か
炉には、火を使う本格的な炉と「電気炉」があり、まずはどちらにするのかを決める必要があります。茶道のお稽古を重視する場合は、火を使う炉でなければお稽古が進まないこともありますが、火災防止の観点から電気炉を選ばざるを得ないこともあるでしょう。なお、先ほど紹介した「置き炉」にも、火を使うものと電気炉があり、家庭の状況やお好みで選ぶことが可能です。
注文住宅の事例を探す 無料で住まいの窓口に相談する 和室のある新築一戸建てを探す 無料でリフォームについてオンライン相談する茶室に入るための「にじり口」をつくってみる

にじり口は、茶室に入るための入り口のことです。「にじって」(正座で)前に進む感じになるため、一般的な出入り口のような高さがありません。茶道において、お客様はこのにじり口から入ることになります。茶室独特の入り口であるため、これをつくれば本格的な雰囲気になるでしょう。
また、お茶を点てる人(亭主)は「茶道口(さどうぐち)」という亭主専用の入り口から出入りするのが茶道では一般的です。にじり口と一緒にこの茶道口をつくる場合は、炉の切り方とともに間取りを検討する必要があります。
完全な「再現」ではなく、オリジナル性を持たせてみても面白いのでは

茶道には流派などもあり、茶室も細かな決まりがあります。もし茶道を本格的にたしなんでいる方で、とことんこだわりたいということであれば、床の間にもこだわり、リアルな茶室をつくってみるのもよいかもしれません。
ですが、「茶室風であればよい」と考え、茶室をインテリアの一部として採用したり、自分自身のこだわりをプラスしてみたりしても、オリジナル性を持つ「茶室」になるのではないでしょうか。家の間取りやコストなどを考慮して、無理のない茶室づくりを目指しましょう。
なお、茶室をつくる場合には、茶室の設計デザインや建築の発注を受け付けている建築会社や工務店を探す必要があります。施工例などを見ながら選び、相談しましょう。
注文住宅の事例を探す 無料で住まいの窓口に相談する 和室のある新築一戸建てを探す 無料でリフォームについてオンライン相談する更新日: / 公開日:2019.06.19










