二世帯同居は親の土地所有がきっかけに
二世帯同居のきっかけで最も多いのは「親世帯の土地所有」で、次いで「親からの提案」が続きます。そのほか、親の介護や死別など、やむを得ない事情から同居を始めるケースもあります。
詳しくは、「土地保有者多数。同居のきっかけはどちらから?」をご覧ください。
建築費用は親世帯の負担が大きい傾向
二世帯住宅の建築費用は、調査によると約3割が「ほぼ親世帯の負担」です。子世帯より親世帯の方が費用を多く負担する傾向にあるため、計画段階で認識を合わせておくことが大切です。
詳しくは、「結局費用を多く出したのは親世帯」をご覧ください。
親子間の認識のずれが同居後の課題に
費用負担の割合について、親世帯と子世帯で認識が異なることが調査でわかりました。お互いに「自分の方が多く負担した」と考える傾向があり、この認識のズレが後のトラブルの原因になる可能性もあります。
詳しくは、「費用負担の認識がなぜか異なる親世帯と子世帯」をご覧ください。

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現在二世帯同居している親世帯と子世帯それぞれに尋ねた「二世帯同居調査」の第三弾です。二世帯住宅に住む際、気になるのはお金の話。どちらが費用を負担して、住むケースが多いのでしょうか。二世帯同居のきっかけとあわせてご紹介します。

過去の調査はこちらからご覧ください。

二世帯同居、うまくいく家いかない家【二世帯同居調査1】 親世帯・子世帯で異なる同居して良かったこと・悪かったこと【二世帯同居調査2】

そもそもなぜ二世帯同居することになったのでしょうか。きっかけを尋ねたところ「親世帯が土地を持っていた」がトップで、36.9%でした。続いて2位が「親世帯から提案があった」(19.1%)となり、親世帯がリードして進めた様子がここから伺えます。3位は「親世帯のどちらかが亡くなった」(11.9%)、4位は「親世帯の介護が必要になった」(10.4%)となり、やむをえない事情から同居を開始した人もいました。

順位二世帯住居にしたきっかけ
1位親世帯が土地を持っていた36.9%
2位親世帯から提案があった19.1%
3位親世帯のどちらかが亡くなった11.9%
4位親世帯の介護が必要になった10.4%
5位子ども(孫)が生まれた9.4%
6位家を買いたい/建てたいが予算が厳しかった9.3%
7位子世帯から提案があった9.1%
8位子ども(孫)の面倒を見てほしかった8.0%
9位頭金などの費用を親世帯から出してもらうことになった4.8%
10位相続税・節税対策を考えていた4.1%
11位住宅メーカーなどから二世帯住宅の提案を受けた3.1%
 その他5.4%
 特にきっかけはない23.7%

二世帯同居にしたきっかけ【複数回答可】(n=540)

「子世帯から提案があった」(9.1%)は7位にランクインしており、一見低いように見えます。しかしながら興味深いのが、親世帯と子世帯で認識が異なるという点です。以下のグラフをご覧ください。

 

親世帯、子世帯別に見た、二世帯同居にしたきっかけ【複数回答可】

親世帯、子世帯別に見た、二世帯同居にしたきっかけ【複数回答可】

 

親世帯では「子世帯から提案があった」との認識が22.3%と多いものの、自分たちからの提案は9.7%に留まります。その一方で、子世帯では「親世帯から提案があった」が21.3%とほぼ同水準で、自分たちからの提案は5.9%と、両者の見解が食い違います。

 

この結果から双方、自分たちがリードしたのではないと考えていることが伺えます。この誤解は同居後に、思わぬフラストレーションにつながりかねません。例えば、どちらが多く建築費を出すのかなど、お金に対する捉え方も異なってくる可能性があります。同居前にお互いに良い顔をせずに、同居についてそれぞれの本音をぶつけてみる機会をきちんと持ってみた方がよいのではないでしょうか。

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さていよいよ本題の費用について、ご紹介します。二世帯住宅の費用はどちらが出したのか尋ねたところ、最も多かったのは「ほぼ親世帯が出した」(33.1%)でした。およそ3人に1人は親世帯が出したことになります。続いて2割台で「ほぼ子世帯が出した」(21.7%)、「半分ずつくらい出した」(20.4%)でした。

 

家庭にもよりますが、親世帯の方が子世帯よりも費用負担が大きいケースが多いことは認識しておきたいところです。

 

二世帯住宅の費用はどちらが出したか【単一回答】(n=540)

二世帯住宅の費用はどちらが出したか【単一回答】(n=540)

費用負担についても、親世帯と子世帯で認識が異なりました。以下のグラフをご覧ください。

 

親世帯、子世帯別に見た、二世帯住宅の費用はどちらが出したか【単一回答】

親世帯、子世帯別に見た、二世帯住宅の費用はどちらが出したか【単一回答】

 

親世帯では「ほぼ親世帯が出した」が42.7%を占めており、子世帯の30.9%を大きく上回ります。子世帯では「ほぼ親世帯が出した」が最も多いものの、子世帯が出した割合が親世帯よりも大きいのが特徴的です。

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最後に二世帯同居者のお金に関する声をご紹介します。実体験をもとに、うまくいく方法を模索してみてください。

 

「金銭面でもかなり軽くなっています。一緒に住んでいれば孫にかかる部分は助けてくれるので、その分貯金がしやすい」(義理の娘)

 

「いろいろと食費などを援助してもらえるからうまくいっている」(息子)

 

「金銭的には余裕のあるほうが多めに出費し、負い目に感じないようにしつつあからさまに出してあげていると言った態度に出ないようにしたらうまくいくのでは」(息子)

 

「費用はかかるけれど、生活空間は完全に別で、干渉しすぎない。金銭面は話し合って、お互いに負担し合う。いざという時は助けられるが、普段は顔をあわせない」(義理の娘)

 

金は出すが口は出さない。これでうまくいく」(母親)

 

お金を出したので感謝されるというケースは、残念ながらコメントから見当たりませんでした。子世帯からは親世帯が食費などのランニングコストを負担してくれることで感謝している家庭もあるようです。親世帯は同居してからもお金がかかることを覚悟しておいた方が良いかもしれません。

【調査実施期間】2017年3月6日~3月7日
【調査対象者】事前調査で「親世帯・子世帯で二世帯同居もしくは三世帯同居している」と回答した人
【調査方法】インターネット調査
【有効回答数】540サンプル

 

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Q.1:二世帯住宅の費用は、親と子どものどちらが多く負担することが多いですか?

A.1:調査によると、費用を「ほぼ親世帯が出した」ケースが最も多く、約3人に1人(33.1%)が該当します。子世帯よりも親世帯の方が、費用を多く負担する傾向があるようです。

Q.2:皆さんは、どのようなきっかけで二世帯住宅を建てているのでしょうか?

A.2:最も多いきっかけは「親世帯が土地を持っていた」(36.9%)で、次に「親世帯から提案があった」(19.1%)と続きます。親世帯がきっかけで同居を始めることが多いようです。その他には、親の介護が必要になったなどの理由が挙げられます。

Q.3:二世帯同居の話は、親と子どものどちらから切り出すことが多いですか?

A.3:調査では「親世帯からの提案」が「子世帯からの提案」を上回っています。しかし、親世帯は「子どもから提案された」、子世帯は「親から提案された」と考える傾向があり、お互いの認識がずれやすいようです。

Q.4:費用負担について、親と子どもで認識がずれることはありますか?

A.4:その可能性はあります。調査では、親世帯の42.7%が「自分たちが費用をほとんど出した」と答えたのに対し、子世帯で同じように答えたのは30.9%でした。後々のトラブルを避けるため、同居前にしっかり話し合い、お互いの認識をそろえておくことが大切です。

Q.5:お金のことで揉めないためのコツはありますか?

A.5:経験者の声では、「経済的に余裕のある方が多く出す」「お金は出すが、口は出さない」といった工夫が挙げられています。家の建築費だけでなく、同居後の食費といった生活費についても、事前に話し合ってルールを決めておくとよいでしょう。

Q.6:家の建築費以外に、親に経済的な援助をしてもらえることはありますか?

A.6:体験談には「孫にかかる費用や食費などを援助してもらえて助かる」という声がありました。建築費だけでなく、日々の生活費を親世帯がサポートしてくれることで、子世帯の経済的な負担が軽くなることもあるようです。

Q.7:お金以外に、二世帯で円満に暮らすためのポイントは何ですか?

A.7:「生活空間を完全に分けて干渉しすぎない」など、お互いのプライバシーを尊重し、適度な距離感を保つことも大切だという意見がありました。お金の問題だけでなく、こうした暮らし方の工夫も円満な同居のポイントです。

Q.8:これから二世帯住宅を考えます。何から始めればよいでしょうか?

A.8:まずは、なぜ二世帯で同居したいのか、お互いの本音を話し合うことから始めましょう。同居のきっかけや費用負担は、親と子どもで認識がずれやすいポイントです。お金のことや暮らし方について事前にしっかり話し合い、お互いの考えを理解しておくことが、後のトラブルを防ぎます。

更新日: / 公開日:2017.04.11