二世帯同居の満足度と世代間の意識差
二世帯同居は全体としてうまくいっていると感じる人が多い傾向にありますが、親世帯と子世帯とでは満足度に違いが見られます。特に子世帯の方がうまくいっていないと感じる割合が高く、世代間で同居に対する認識に差があることが分かります。
詳しくは、「子世帯の方がうまくいってないと感じる人が多い!?」をご覧ください。
円満な二世帯同居をかなえる住まいの形
二世帯同居がうまくいっている世帯では、住まいを完全に独立させているケースが多いという結果が出ています。お互いの生活スタイルを尊重し、プライバシーを守れる適度な距離感が、より良い関係性を築くことにつながるようです。
詳しくは、「こんな環境だとうまくいった人が多い」をご覧ください。
限られた予算で同居を成功させる工夫
予算の都合で住まいを完全に独立させることが難しい場合でも、工夫次第で快適な同居は可能です。特に利用タイミングが重なりやすいキッチン、トイレ、お風呂などの水回りを世帯別に設けることで、生活習慣の違いによるストレスを軽減できます。
詳しくは、「予算が厳しい場合は、最低限○○は別にして」をご覧ください。

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二世帯同居について、あなたはどのようなイメージをお持ちですか?

嫁姑問題も耳にする二世帯同居ですが、実際に同居している人たちの中で、うまくいっている人の割合はどのくらいなのでしょうか。今回の調査から、親世帯、子世帯では同居に対する認識に違いがあるという結果が出ました。うまくいっている人、うまくいっていない人の差がどこで生まれているかもご紹介します。

まず二世帯同居がうまくいっているのか尋ねました。すると「非常にうまくいっている」という人は22.8%。「ややうまくいっている」(42.2%)まで含めると、65.0%に達しました。一方で、うまくいっていないと感じる層は1割程度に留まりました。順調だと感じる人がはるかに多い結果です。

 

二世帯同居はうまくいっていると思うか【単一回答】(n=540)

二世帯同居はうまくいっていると思うか【単一回答】(n=540)

どのような面から「うまくいっている」「うまくいっていない」と感じるのでしょうか。具体的な理由を見てみましょう。

 

まずは親世帯の声からご紹介します。

 

親世帯の声

親世帯の声

 

親世帯の声

■うまくいっている
「週末は一緒に食事をしますし、孫とは毎日、遊んでいます」(父親/完全に独立)

 

「お互いに非常に仲が良く、嫁さんの方からいつも一緒にいたいと言ってくれているから 毎日嫁さんと楽しく晩酌している」(母親/すべて共有)

 

「自分自身が家事や人の世話をすることが好きであり、家族の役に立っているという満足感がある。息子夫婦からも感謝されている」(母親/すべて共有)

 

■うまくいっていない
「間取り、収納が現在の家族形態に合っていない、衛生観念が違い、ストレスが溜まる」(父親/すべて共有)

 

「親と口を聞いてくれない」(父親/完全に独立)

 

続いて子世帯の声をご紹介します。

 

子世帯の声

子世帯の声

 

子世帯の声

■うまくいっている
「程良い助け合いで家事が成り立っている。親世代は仕事が忙しいので、私が家で家事をすることが助かっているようです。逆に私の子どもが機嫌が悪いと親世代が洗濯物を干してくれたりします」(義理の娘/すべて共有)

 

「夫が私の母と実の母以上に仲が良く、母の作る料理も大好きなのでまったく揉めることがありません。私たち夫婦には子供がいませんが、孫替わりのペットの犬の面倒を見てもらったり、本当に世話になりつつ仲良く暮らしています」(娘/すべて共有)

 

「つかず離れずで、プライバシーも守れているし、口うるさくも言われない。感謝している」(義理の娘/完全に独立)

 

■うまくいっていない
「生活リズムが合わない。一緒にご飯が嫌。自分たちの子供(夫・52歳)が好きすぎて、今でも気を使っている」(義理の娘/一部共有)

 

「二世帯住宅で私が子育てをしているとき、まるで助けてもらえなかった。助けて欲しくもなかったが。今は介護しなければならない立場だが、お世話になった感がまるでないので心をこめて介護してあげることができない」(義理の娘/完全に独立)

 

「義母が私の悪口を言っているところに、私が戻ってきてしまって気まずくなった」(義理の娘/すべて共有)

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親世帯と子世帯の声をそれぞれご紹介しました。とはいえ、最初に紹介したグラフでは、「うまくいっている」人が多い結果となっていました。ところが、親世帯と子世帯で順調かどうかは少し認識が異なるようです。

 

下のグラフをご覧ください。親世帯の方が、子世帯よりも「非常にうまくいっている」と楽天的に捉える人が多いことがわかりました。さらにいえば、子世帯の中でも義理の息子/娘の方が、「うまくいっている」と感じる人が少ない傾向にあります。

 

親世帯、子世帯別に見た、二世帯同居の順調さ【単一回答】

親世帯、子世帯別に見た、二世帯同居の順調さ【単一回答】

 

しかし居住環境によって、うまくいくケースもありました。それはどのような住まいなのでしょうか。

それはズバリ、完全に独立しているケースです。住まいの共有状況別に見てみたところ、完全に独立している人の方が、共有している人に比べて「非常にうまくいっている」割合が多い結果となりました。

 

住居の共有状況から見た、二世帯同居の順調さ【単一回答】

住居の共有状況から見た、二世帯同居の順調さ【単一回答】

 

元々親子であったとしても生活スタイルは異なっており、知らず知らずのうちにお互いにストレスを与えかねません。一定の距離をとることができ、頼りたいときや話したいときに自発的に連絡を取る、という形がより良い関係性を構築することにつながるようです。

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しかし完全に独立すればするほど敷地が必要になり、設備も2倍必要になるので、その分お金がかかってきてしまいます。最低限どこを独立させた方がよいのでしょうか。

 

多かった声をご紹介します。

 

トイレ、風呂、キッチンなどを分けるのと、婿や嫁にあたる人の避難部屋(自分の部屋)があると良いと思う。母と娘ならばキッチンは1つでも良いかもだが、義母と嫁では厳しいと思う」(娘/一部共有)

 

「玄関は一緒でも良いと思いますが、出来ればキッチン、トイレ、お風呂、寝室、リビングは分けた方がお互い気を遣わなくて良いのかなと思います。あと、干渉しない事だと思います」(義理の娘/一部共有)

 

「結婚と同時に同居をしたわけではなく、生活習慣が違うので、お風呂等水回りは絶対に別の方がいいと思う」(義理の娘/一部共有)

 

多かったのはキッチン、トイレ、お風呂などの水回りでした。利用するタイミングがかぶったり、生活習慣が異なったり、家事に干渉されたときにストレスを感じやすいためかもしれません。完全に独立したい、でも予算の都合上難しいという場合、まずは水回りだけでも検討してみてはいかがでしょうか。

【調査実施期間】2017年3月6日~3月7日
【調査対象者】事前調査で「親世帯・子世帯で二世帯同居もしくは三世帯同居している」と回答した人
【調査方法】インターネット調査
【有効回答数】540サンプル

 

記事の利用や掲載についてはこちら→ info-media@LIFULL.com

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Q.1:二世帯同居を考えていますが、実際にうまくいっている家庭はどのくらいあるのでしょうか?

A.1:ある調査では、二世帯同居をしている人のうち65.0%が「うまくいっている」と回答しています。これは「非常にうまくいっている」(22.8%)と「ややうまくいっている」(42.2%)を合わせた数字です。多くの方が良好な関係を築いている一方で、「うまくいっていない」と感じる人は約1割に留まっています。

Q.2:二世帯同居が「うまくいっている」と感じる人は、どのような点に満足していますか?

A.2:記事によると、「週末は一緒に食事をして孫と毎日遊べる」「お互いに仲が良く、毎日楽しく晩酌している」「家事を助け合える」といった声があります。家族の役に立っているという満足感や、お互いに感謝し合える関係性が秘訣のようです。

Q.3:逆に、二世帯同居のどのような点で「うまくいっていない」と感じる人が多いのでしょうか?

A.3:生活リズムや衛生観念の違い、プライバシーが守られないことなどがストレスの原因になるようです。また、「親と話をしてくれない」といったコミュニケーションの問題や、「子育てを助けてもらえなかった」という過去の出来事が影響しているケースもあります。

Q.4:親世帯と子世帯で、同居生活の満足度に違いはありますか?

A.4:はい、少し認識に違いがあるようです。調査では、親世帯のほうが子世帯よりも「非常にうまくいっている」と感じる傾向が見られました。特に、子世帯の中でも妻(義理の娘)や夫(義理の息子)の立場にある人は、気を遣う場面が多いためか、うまくいっていないと感じる割合が少し高いようです。

Q.5:二世帯同居を成功させるためには、どのような間取りがいいのでしょうか?

A.5:記事の調査結果では、住まいを「完全に独立」させている世帯ほど、「非常にうまくいっている」と回答した割合が高いことがわかっています。親子でも生活スタイルは異なるため、お互いのプライバシーを尊重し、適度な距離を保てる間取りがよい関係につながるようです。

Q.6:予算の都合で住まいを完全に分けるのが難しい場合、最低限どこを分ければよいですか?

A.6:予算が厳しい場合は、最低限「水回り」を分けることを検討してはいかがでしょうか。特に、キッチン、トイレ、お風呂をそれぞれに設けることで、利用時間が重なったときの気遣いや、家事への干渉といったストレスを減らしやすくなります。

Q.7:お風呂やキッチンなどの水回りを分けたほうがよいのはなぜですか?

A.7:水回りは、利用するタイミングが重なりやすいだけでなく、掃除の仕方など、それぞれの家庭の生活習慣の違いが出やすい場所だからです。例えば、義理の親とキッチンを共有すると、料理の仕方や後片付けなどで気を遣い、ストレスを感じやすいという声がありました。水回りを分けることで、こうした気遣いを減らし、お互いが快適に過ごしやすくなります。

Q.8:プライバシーを守るためには、どのような工夫が考えられますか?

A.8:水回りに加えて、リビングなどの生活空間を分けることも有効です。また、記事では「一人の時間を過ごせる部屋があるとよい」という声も紹介されています。完全に独立した間取りでなくても、一人になれるプライベートな空間を確保することが、ストレスを溜めないためのポイントのようです。

更新日: / 公開日:2017.04.09