家づくりの要素としても重要な位置を占める収納スペース。収納の在り方は、その人のライフスタイルを映し出します。
定番のWIC（ウォーク・イン・クローゼット）を中心に、最近リノベーションの主流になりつつあるWTC（ウォーク・スルー・クローゼット）、玄関での設置例が増えているSIC（シューズ・イン・クローゼット）...。
今回は、オリジナリティに富んだ収納リノベーション事例をご紹介。アイディア満載の収納術は、どれも必見です！
収納力が高く、使いやすいWIC（ウォーク・イン・クローゼット）
1.リビングにコンテナを丸ごと運んできたようなWIC
「リノベーション費用320万円。緩やかな仕切りと繋がりが心地よい家。」ブルースタジオ
編集者＆イラストレーターというクリエイターズカップルが暮らす家。 リフォーム済み物件だった中古マンションを、個性的なインテリアへとリノベーションし、その費用も320万円とかなりローコストに抑えることに成功しています。
リビングの一角で目を引く、コンテナ型のWIC。これが構造上の凸凹も補うとともに、室内をカフェやショップのように演出しています。取っ手には電車用のパーツを使用するなど、ディテールにもこだわっています。
2.まるで「本屋と食堂」。本棚でゆるく仕切ったリビングのWIC
本が大好きというカップルの住まいは、まるで「本屋と食堂」のよう。 天井まで続く圧巻の本棚は床と色を揃えて、L字型に設えた造作。この本棚が、LDKのゆるやかな仕切りとなっています。
書棚の壁を抜けた奥には壁面にクローゼットが。風通しも考え、あえて扉を付けずオープンにしたクローゼットは、プラスチックの収納ケースなどを活用してすっきりと整理されています。
3.アイアン格子で入り口を飾ったスタイリッシュなWIC
インテリアにこだわるオーナーが選んだリノベーションのテーマは、「the Vintage」。
コンクリートの躯体を現した天井、床は無垢オーク材をオイル塗装して深い色合いに。ところどころに効かせたアイアンが、ヴィンテージ感を演出しています。洋室に設えたWICは、あえて扉を付けず、入り口をアイアン格子で囲って部屋のアクセントに。
見せる収納にこだわったWICは、毎日の整理整頓が楽しくなりそうです。
通り抜けができて、間取りも多彩に！ WTC（ウォーク・スルー・クローゼット）
4.映画「かもめ食堂」をイメージ。リビングに造ったWTC
「ブルーグレーの映えるダイニング」中古でリノベ
ブルーグレーのアクセント壁、青い室内ドアが印象的。映画「かもめ食堂」をイメージしたというLDKは、約20畳というゆとりの広さ。 この一角に設けられているのが、2方向から出入りができるWTCです。
アーチ状にくり抜いた入り口がかわいいWTCは、家族の洋服、バッグなどをまとめて収納できるファミリー・クローゼット。入口の脇に掛けた布製の小物入れには、小さなグリーンをディスプレイするなど、センスを感じさせるコーナーになっています。
5.生活動線を第一に考えた、大容量のファミリー・クローゼット
「5人分の寝室と家族でシェアする収納を備えたメリハリ・リノベーション」積水化学工業（マルリノ）
5人家族が暮らすマンションのリノベーションでは、収納を各部屋に作らず、玄関や廊下に共用スペースとしてのファミリー・クローゼットを採用。
玄関前に作ったWTCには、家族共通の趣味であるバドミントンの道具・ウェア類を収納。出かける前も帰宅後も、さっと出し入れができて便利です。
さらに、廊下に作った大容量のファミリー・クローゼットによって、全員が通る場所に収納を集中させ、快適な生活動線を実現しました。来客時などは、ロールスクリーンで隠すことができます。
6.出かける支度も帰宅後の片付けも楽々！ 玄関まるごとWTC
「壁をつくらない空間の仕切り方（鶴見区 I邸マンションリノベーション）」FIELDGARAGE
２LDKから、壁のないLDK+ロフトへ変更した、子育て家族のリノベーション。 玄関横にあった個室を、まるごと大容量のウォーク・スルー・クローゼットに変更しました。
靴棚を中心に据えた回遊性のある構造。そのままベビーカーが置けるように玄関は土間仕立て。靴を脱いだら棚にしまって、洋服はクローゼットへ...。 帰宅後はムダな動きをせず、子どもを室内に誘導することができます。
玄関から見える部分は一部有孔ボードを張り、ストライダーやヘルメットが収納できる工夫もなされています。
7.リビングの風景を彩る、ラーチ合板のボックスWTC
「ラフだけどシンプル。ラーチ合板のボックスWTCと土間でつくる夫婦のSOHO住まい」Cuestudio（キュースタジオ）
玄関からリビングの間に作られたWTCは、ラーチ合板で仕上げたボックスタイプ。 ユニークなカタチのWTCは、リビングのどこからでも見え、インテリアのアクセントになっています。
回遊性のある間取りは、玄関から続く土間の左右どちらからでもWTCに入ることができ、リビングに通じます。玄関脇に作られた書斎の一角は、WTC自体が間仕切り代わり。収納を空間構造に活かしたプランニングの好例です。
8.まるでセレクトショップ！ 室内窓のあるおしゃれなWTC
「『Hygge（ヒュッゲ）』な『Hütte（ヒュッテ）』」LOHAS studio（ロハススタジオ）
明るい「山小屋」のイメージで、築浅のマンションをリノベーション。LDKに隣接していた洋室をなくして広げ、ゆとりのあるリビングを実現しています。
パッと目を引くのが、ガラス窓とダークカラーの壁で囲ったWTC！ セレクトショップのように可動棚を取り付け、アイロン専用の棚も完備されています。収納されている洋服も選びやすく選別され、量も適度にコントロール。センスのいいオーナーの趣味がそのまま反映された空間になっています。WTCはそのまま寝室へと繋がり、生活動線も完璧。
玄関にゆとりを！憧れの SIC（シューズ・イン・クローゼット）
9.アーチ状の入り口がおしゃれ。4人家族のSIC
「陽だまりあつまる自然素材リノベーション」free's Life 不動産/中古+リノベーション
無垢材をふんだんに使った約26畳のLDKに、そのまま繋がる広い玄関。 ニュアンスのある白い壁は左官仕上げで、テラコッタの床もヨーロッパ風。意匠を凝らした1灯照明が目を引きます。
入って左手には、アーチ状の入り口が印象的なSICが。可動棚のほかハンガーパイプも取り付けられ、家族4人分の靴やコートなどがたっぷりと収納できます。ベビーカーやスーツケースなどもそのまま置けるので、とても便利です。
10.カラーとデザインにこだわった、コンパクトなSIC
「うまく活用できていなかった和室空間を有効化。広々LDKと機能的な収納を実現」stylekoubou（スタイル工房）
以前は、靴箱に収まりきらない家族5人分の靴が玄関に並び、靴箱の上にまで靴が置かれていたそう。 リノベーションで、活用できていなかった和室のスペースを取り込み、オリジナルのSICを設置しました。
SICは玄関を開けると正面に位置するため、内側にはパープルのクロスを張って見栄えよく仕上げています。同じ壁側に取り付けた照明スイッチのデザインにもこだわり、スタイリッシュな玄関を実現させました。
まとめ
日々の暮らしを快適にしてくれる、「整理収納」。 近年は特に、「ときめき片付け」「断捨離」「ミニマリスト」など、 整理収納に関する人気ワードも登場。専門書籍も多数出版され、注目を集めています。
自分たちの暮らしに最適な収納のカタチを考えるとき、 まずは、何をどれくらい持っているか。そして今後は何が増えて、何が減っていくか。 持ち物について改めて見直し、先のことも考えてみることが大切です。
リノベーションなら、それぞれのライフスタイルに合わせて、 容量・デザイン・機能性を考えたクローゼットを自由に作ることができます。 あなたにピッタリの収納スペースで、スッキリ快適な毎日を過ごしましょう！
