室内の一部に高さのある場所を作り、限られた空間を有効活用できる「小上がり」。高い収納力、インテリアのアクセント、ソファやベッド代わりになるなど、小上がりにはたくさんのメリットがあります。
かつては、「小上がりといえば和室」というイメージでしたが、最近の小上がりはどんどんバリエーションが豊富になっています。
今回は、リノベーションで小上がりを取り入れたインテリア事例をご紹介します。畳はもちろん、板張りやカーペットなど、仕様もさまざま。小上がりを思い思いに活用している人たちのライフスタイルを、ぜひ参考にしてみてください。
やっぱり落ち着く、和の空間。畳の小上がり
1.空間を広く見せる工夫。低めに仕上げた小上がり
「cool + heart full」stylekoubou（スタイル工房）
天井の凸凹と和室の仕切りが空間を狭く見せていた、築13年のマンション。 壁を取り払い、天井や梁型の形を整えることで、スッキリとしたリビングに生まれ変わりました。
和の雰囲気を留めながらも洋室にしっくりと馴染む小上がりは、あまり高さを付けず、リビングの広さを損なわない仕様。造作で棚とクローゼットを設け、ディスプレイも楽しみながら、整理整頓のしやすい空間に仕上がっています。
2.まるで「おばあちゃんの家」。温かみのある小上がり
モルタル仕上げの壁で囲んだシンプルなキッチンと、明るいテラスとの間に設けられた、畳の小上がり。レトロなデザインのガラスの引き戸からは、太陽の光がいっぱいに降り注ぎ、まるでおばあちゃんの家を訪れたような懐かしい雰囲気です。
木枠と同じ素材で作った引き出し収納は、容量たっぷり。ウッディーな見た目と、すっきりとしたレイアウトも魅力です。
3.子どもたちのために考えられた、小上がりや黒板がある住まい
「【ロフト付】家がいちばん楽しい遊び場」てまひま不動産
杉の無垢床が広がる、ゆったりとしたLDK。ダイニングでパッと目を引く黒板は、子どもたちのお気に入りです。 珪藻土の塗り壁と和紙畳など、自然素材にこだわって作られた小上がりは、ゴロ寝も心地いい快適空間。
白の引き戸を付けた収納に加え、床下収納も備えて、子どもたちを整理整頓の習慣へと導く工夫がなされています。
4.グレー畳で、北欧スタイルにもなじむ小上がり
シンプルな白い壁に、栗の無垢床と木の家具が映える、北欧スタイルのリノベーション。ところどころに置かれたグリーンが、室内の心地よさを引き立てています。
ダイニングの一角に設けた小上がりにはモダンなグレー畳が採用され、インテリアのトーンを引き締める役割も。高さはダイニングチェアにあわせてあるので、食事中の椅子としてはもちろん、来客時は寝室としても活躍しています。
木やカーペットを採用した、オリジナリティの高い小上がり
5.室内にウッドデッキがあるような、木製の小上がり
「趣味を愉しむ 週末スローライフ-自由に暮らす自分らしい時間-」LOHAS studio（ロハススタジオ）
落ち着いた色調の木材を各所に設えた、大人っぽい雰囲気のLDK。
リビングに作った小上がりは床の素材と揃えたウッディな仕上がりで、大きな収納スペースも備えてあります。ステージのようにも見える小上がりは、まるで室内にウッドデッキがあるかのよう。リゾート気分でくつろげる、ユニークな仕様です。
6.広い土間空間に作った、フローリングの小上がり
「土間で回遊する家」Cuestudio（キュースタジオ）
リビング、ダイニング、寝室の床の一部がそれぞれ小上がりのフローリング。回りをモルタル仕上げの土間が取り囲んでいます。同じ空間の中に段差の異なる小上がりを作ることで、場所の用途を分けた、とてもユニークなリノベーションです。
フローリングは、肌馴染みのいいバーチ無垢材。高低差のある構造は子どもたちが遊ぶ様子も特別な風景に見えて、家族の思い出をたくさん作ってくれそうです。
7.収納力バツグン！ 木製ボックス状の小上がり
育ち盛りの男の子がのびのびと過ごせるようにとリノベーションされたリビング。 木製のボックスを積み上げたような小上がりは、子どもの遊び心を刺激するデザインが魅力です。
一角は掘りごたつのようになっていて、勉強デスクとしても活躍。デスク部分は小上がり収納の蓋も兼ねています。散らかりがちなおもちゃや本類もしっかり収納できる大容量は、子育て世代にはありがたい仕様です。
8.ボーイズ仕様！ ブルーのカーペットで仕上げた小上がり
「子どもの小上がりがある家 すくすくリノベーションvol.9」株式会社エキップ
元気な男の子2人を育てる、4人家族のためのリノベーション。 間仕切り壁を撤去し、家事をしながら子どもたちがよく見えるようにとキッチンの位置も変更。リビングはハンモックや遊具を置いても、余裕の広さです。
小上がりは爽やかなブルーのカーペットで、吸音効果も。壁面には本棚とカウンターが造作されています。長さのあるカウンターは、将来的にリビング学習のテーブルとしても活躍。男の子の特徴と成長を見据えた、アイディア小上がりです。
狭くても使い勝手に大満足！ ミニ小上がり
9.おしゃれ夫婦が窓際に設けたスタイリッシュな小上がり
8人掛けの大きな造作ダイニングテーブルを主役にしたLDK。週末に開催するホームパーティーでは、料理上手なご主人が腕を振るい、友人たちをもてなしています。ゲストが帰った後は、窓際の造作小上がりでお茶を飲みながらリラックスするのがいつものスタイルだとか。
この小上がりは、もとの構造を活かしたインナーテラス部分に作られています。スモールスペースですが、夫婦2人がくつろぐには十分なサイズ。お昼寝をするのも気持ちよさそうです。
10.押し入れがあった場所に作ったチェア代わりの小上がり
「1階はオールLDK！ 光と風が抜ける開放感たっぷりのテラスハウス」SHUKEN Re
上下階を有するテラスハウスをリノベーションした例です。 1階は和室をなくして、明るいオールリビングへと変更。ダイニングスペースには、小上がりの畳コーナーを設けました。
ここは、もともと押し入れだった部分。天袋だけを残して、ダイニングチェアとして使えるように造作したアイディア小上がりなのです。ダークブラウンでまとめた和洋折衷なインテリアが、リラックスムードを演出しています。
まとめ
子どもの遊び場、来客時の寝室、趣味の空間など、自由に使える小上がり。リビング内のオープンスペースでありながら、独立感もあり、多目的に使えるのが魅力です。
たとえばスモールサイズのマンションでも、その収納力は大きなメリット。 空間を立体的に活用して、暮らしをスッキリ整えてくれる小上がりは、 マンションリノベーションの可能性を広げてくれます。
子育て世代にも、夫婦2人暮らしにも。そして、１人暮らしのワンルームにも。 家族構成に合わせた最適な小上がりは、リノベーションでこそ実現します。
リノベーションで作る、自分だけの小上がりを、考えてみませんか？
