間取りや壁、家具だけでなく、インテリアの決め手の1つとなるのが照明。 照明の選び方一つで、部屋の雰囲気はガラリと変わるのです。
リノベーションを考えているなら、照明のプランは大切なプロセス。 照明の種類と特徴を知って、思い通りの空間を実現させましょう!

照明にもこだわれば、理想のインテリアに近づく

賃貸マンションでは、あらかじめ照明が付いていたり、シーリングライトの取り替えが中心で、あまり照明について意識したことがないという人も多いかもしれません。 リノベーションを考えはじめたら、ぜひ、照明に注目してみてください。

お洒落な人の家や、カフェ、インテリアショップなどをよく見てみれば、照明が演出する雰囲気の違いがよくわかるはず。

最近は、ペンダントライトやダウンライトなど、複数の照明器具を取り入れ、生活シーンに合わせて点灯の仕方を変える照明方式が採用されることが増えてきています。「多灯分散照明」といい、無駄な明るさを無くすエコな照明方式として推進もされています。(参考:環境省「あかり未来計画」

雰囲気づくりだけでなく、居室に合わせた機能性のある照明を選べば、暮らしの質はグンとUP! さっそく、照明の種類と特徴に沿って、ポイントを見ていきましょう。

長さや配置場所が自由自在! ダクトレール

ダクトレールとは、別名ライティングレールとも呼ばれている、バー状になったレールに照明器具を取り付けるもの。舞台や店舗などで使われているものでしたが、家庭でも取り入れるインテリアが人気を集めています。

レールの内側全体に電流が通っており、どこにでも照明を取り付けることができます。 ダクトレールの最大の特徴は、長さや配置場所がフレキシブルな点。 居室の天井に合わせて長短が選べ、気軽にカットできて、DIYも簡単です。

また、四角・L字・十文字・コの字など、スペースに合わせた配置も自由自在。 照明の数も自分で決められて、取り付ける場所や向きで灯りのバランスを調節できます。 照明だけでなく、フックの取り付けもできるので、小物やグリーンなどと組み合わせてインテリアを楽しむこともできます。

ダクトレール1本につき、1500Wまでの電力が使用可

15畳のリビングに最適な明度は、600W前後といわれています。 一般的な電球は、25W~100W。 ダクトレール1本につき、1500Wまでの電力が使えるということは、かなり多くの照明が付けられるということになりますが、居室の用途やインテリアの雰囲気に合わせて照明の量は調整するといいでしょう。

ダクトレールを取り付けるポイント

ダクトレールの開口部は、下向きが原則。上向き取り付けはできません。また、横向き取り付けには制限があるので、施工業者に相談をしましょう。 ダクトレールの終端部にはエンドキャップを取り付けておく必要があります。

ダクトレールで使われる照明器具の種類

ペンダントライト

ペンダントのように吊り下げられている照明のこと。

電球のまわりにシェード(笠)が付いたタイプと、電球のままのタイプがあり、たくさんのバリエーションがあります。

シェードありの場合は、照らしたい部分を限定でき、素材によって雰囲気づくりに変化をもたらします。 シェードなしの電球タイプも、あえてフィラメントを見せる「エジソンバルブ」などのレトロなタイプが人気です。

スポットライト

文字通り、スポット的に強い光を当てるための照明。

角度が自由に変えられ、好きな場所に限定的な光を当てることができます。 照明器具のカラーの選び方が、インテリアのポイント。

天井と同系色のスポットライトを選ぶとナチュラルな印象に。くっきりとした色を選ぶと、アクセントになります。 壁に飾った絵や小物などを印象的に照らし、雰囲気のあるインテリアづくりを楽しみましょう。

照明器具自体がインテリアのポイントに! ペンダントライト

コードやチェーンなどで、天井から吊り下げるタイプの照明。

先に紹介した通り、天井のシーリングに直接設置したり、ダクトレールを使用して取り付けることもできます。

ダイニングテーブルの上などに取り付け、視線を集めて室内を印象的に見せる効果があります。 比較的光量が小さく設定されているものが多いので、メイン照明というよりは、補助的に使われることが多いタイプ。 同じタイプの照明を複数並べてカフェ風のインテリアにしたり、シャンデリアや北欧風といったデザインが凝ったものを1灯取り付けて部屋のポイントにするなど、さまざまな使い方が楽しめます。

ホテルのように、スッキリシンプル。ダウンライト

ダウンライトは、天井に埋め込むタイプの小さな照明です。

照明自体を目立たせず、天井をすっきりと見せるのが特徴。壁面に明るい光を効果的に広げる「ウォールウォッシャタイプ」、ピンスポットの光を灯す「ピンホールタイプ」など、さまざまなタイプがあります。

最近はLEDによる高い発光効率のダウンライトが出ており、リビングのような広い空間にも向いています。 効果的に取り入れて、ホテルのようにスッキリとシンプルなインテリアを楽しむのもおすすめです。 既存の住宅に取り付けるには天井を一段下げる工事が必要なので、リノベーションなら、もともとのプランに組み込みやすいのもポイント。

空間を広々と演出する、シーリングライト

シーリングライトは、リビングや子ども部屋、寝室など、あらゆる居室で使えるオールマイティーな照明器具。

シーリングライトを取り付けた天井はすっきりとして、空間を広々と見せてくれます。 主流は、リモコン一つで明るさと光の色が調節できるLEDシーリングライト。

「勉強」「睡眠」など、生活のシーンに合わせて光が選べるので、子育て世代には特におすすめです。 ほかにも、和室に向いた和風のシーリングライト、照度センサーやイオン放射といった機能付きなど、種類もさまざま揃っています。

モダンなインテリアを実現する、間接照明

光源を見せず、光を壁や天井に当て、その反射光で空間を照らすのが間接照明。

ふんわりとやわらかい光で、空間をかっこよく、モダンに演出してくれます。 間接照明は、その設定の仕方によって、居室にさまざまな表情を与えてくれます。

リビングや玄関では、奥行きを広げ、立体感のある印象に。 キッチンやカウンターに造れば、バーのようにダイナミックな印象に。 寝室なら、リラックスムードのある優しい雰囲気づくりに効果的です。 間接照明を自分で考えるのはなかなか難しいので、デザイナーに相談をして、最適なプランを提案してもらいましょう。

まとめ

インテリアショップや家電量販店へ行くだけでも、たくさんの種類が揃う照明器具。光量の加減や、実際に取り付けた雰囲気など、素人ではなかなか判断が難しく、どうしても迷ってしまいますよね。

リノベーションにおける照明のプランは、やはり施工会社と相談しながらすすめるのが安心です。 自分の理想のインテリアをたくさんクリップしておき、また、家族構成と居室での過ごし方なども考え合わせて、プランづくりを進めましょう。 また、取り外せるタイプの照明器具は、気軽にインテリアチェンジができるのも魅力。

先々のことも考えて、取り外しができるタイプ・できないタイプの設定を決めておくことも大切です。 照明のリノベーションで、理想の雰囲気づくりを成功させましょう!