「リノベーションをするなら、床は無垢材に!」と憧れている人も多いのでは? 部屋の大きな部分を占める「床」。素材ひとつで、印象がずいぶん変わります。 床材は、価格帯も幅広く、実にさまざまな種類があります。 そんな床材の種類・特徴と、それぞれに適した条件をまとめてみました。

床材の選び方ポイント3つ

欧米と異なり、家の中では靴を脱いでリラックスする文化を持つ日本。 ソファがあっても、つい床に座ってくつろいでしまう、という人も多いですよね。 リビングの床材はゲストの目にも触れやすく、家の中でも特に重要な位置を占めています。 家族構成やライフスタイルによって、適した床材はそれぞれ異なります。 大人だけの家庭、小さな子どもや高齢者がいる家庭、掃除の頻度や方法など、暮らしている状況に応じて、快適で、扱いやすい床材を選ぶことが大切です。

床材を選ぶために大切なポイントは3つです。

①デザイン性

デザイン性は、リノベーションの方向性を決定づけるものです。 モダン、ナチュラル、カフェ風、アジアン、和風などなど、それぞれのインテリアスタイルを引き立てる床材があります。 そうした床材のデザインは、リビングを中心とした家のインテリアを大きく印象付けます。まずは、床材を選ぶためには、リノベーションをしてどんな雰囲気の家をつくりたいのか、決めておくことが大切です。

②素材感

素材感は、直接座ったり、素肌に触れたりする際の感覚から、好みで選択するものです。 赤ちゃんや小さなお子さんがいる家庭なら、特に裸足で心地よい床を選ぶ必要があるでしょう。 人気は温かみがあって心地いい無垢材ですが、大理石やタイルなどの滑らかな肌触りを好む人も。 合わせる家具との相性にも関わってきます。

③機能性

機能性には、「メンテナンスのしやすさ」「防水性」「防音性」「耐久性」などの要素があります。 毎日の生活で、床は傷がつきやすく、汚れやすいもの。材質によって、メンテナンスの方法も異なります。小さなお子さんやペットがいる場合は、防音性のあるものが安心。また、トイレやキッチン回りなら、防水性の高さもポイントに。 場所や使用頻度などによって、それぞれ適した機能を持つ丈夫な床材を選びましょう。

種類を知って、最適な床材を選ぼう

床材にはさまざまな素材の種類があり、それぞれ機能性が異なります。 ここからは、代表的な床材の種類とその特徴、適した条件・場所についてご紹介します。

無垢材フローリング

天然木の一枚板で、高級感のあるフローリング。木の種類によって、独特の風合いと香りがあります。断熱性能に優れており、寒い季節に裸足でのっても冷たさを感じにくいのが特徴。調湿作用もあり、一年中快適な湿度を保ってくれます。

◯:ナチュラル志向、素材感を大切にしたい方に。リビング、廊下、階段、寝室、子ども部屋など
△:耐水性は低いため、キッチン、洗面所、トイレなどには不向き

複合材フローリング

薄いベニヤを張り合わせた合板でつくるフローリングです。価格はリーズナブルで、お手入れも楽々です。

◯:オールマイティに使える。防音や床暖房対応などのタイプもあるので、子どもがいる家庭、ピアノなど楽器がある家庭、ペットのいる家庭向き

△:天然木に比べると高級感はやや落ちるが、最近は表面に薄くスライスした天然木を貼り付けた、コスパに優れた単板タイプもある

カーペット

昭和のインテリアでは一般的だったカーペット敷きの床も、一時期フローリングにおされていましたが、近年注目を集めています。クッション性、保湿性に優れたカーペットは、デザインも豊富で、使いやすさが再評価されているのです。繊維にダニや埃、汚れがたまりやすいので、こまめな掃除は必須。防ダニ・防臭機能が付加されたものを選ぶとベターです。

◯:子どもや高齢者がいる家庭、個性的なインテリアを楽しむ家庭向き。リビング、寝室、子ども部屋など

△:カビやすいので、水回りには不向き。また、日当りが良すぎると、変色する場合があるので注意が必要

クッションフロア

木目調や石調などのテクスチャーが施されたビニールの裏側にクッションを貼り付けた商品で、その名の通りクッション性に富み、リーズナブル。水にも強く、汚れもサッと水拭きできてメンテナンスしやすいのが魅力です。安っぽいイメージもありましたが、近年はバリエーションも増え、スタイリッシュなデザインのものも出ています。

◯:子どもや高齢者がいる家庭向き。水回り全般に便利

△:経年劣化や紫外線によって変質する。家具と刻む時間が異なるため、ちぐはぐなインテリアに見える場合も

伝統的な床材の畳。寝転がるのも心地よく、触るだけでほっと癒されるのは、日本人ならではの感覚ですね。現在は、昔ながらのい草畳だけでなく、撥水性に富んだ和紙畳、スタイリッシュな和モダン畳など、タイプもいろいろ。

◯:和風インテリアを好む家庭、子どもや高齢者のいる家庭、ゲストが多い家庭向き。床暖房機能とも組み合わせられるので、リビングにも合う。寝室、ゲストルームなど

△:シミになりやすく、ダニも発生しやすい。また、重い家具を置くと跡がついたり、傷になったりしやすいというデメリットが

番外編:土間

リノベーションのトレンドとして、「土間」があります。玄関や、キッチン回りを土間にすることで、使い勝手がよくスタイリッシュな空間を演出することができます。

◯:玄関、キッチン回り、ベランダなど。自転車やベビーカーをそのまま置いたりと、外と内をつなぐ役割を果たす

△:冬場は冷えやすいので、リビングなどの居住空間には向かない。また、結露が起こりやすいため、湿気対策も必要

まとめ

リノベーションをする前に、大切なのは、「どんな家に暮らしたいか」というイメージづくり。 雑誌やネットなどで、好きなインテリアの写真をたくさん集めて、実現したい家のイメージをどんどん膨らませていきましょう。 理想のイメージに、家族構成と暮らしのパターンを照らし合わせていくと、適材適所の床材を選ぶことができるはずです。

すべての床材を統一するのもよし、部屋ごとに変えるのもよし。リノベーションの楽しさは、自由な選択と組み合わせです。 あなたのライフスタイル合わせた床材選びで、リノベーションを成功に導きましょう!