お風呂は癒やしの至福タイム。マイホームでは、快適さと機能性を兼ね備えた理想のバスルームを実現したいものですね。今回は、マンションでバスルームをリノベーションするために押さえておきたいポイントをまとめてみました。
いつが替えどき? バスルームの耐久年数は?
一般的にバスルームの耐久年数は、約15年が目安とされています。これはあくまでも目安であり、20年以上使っているという場合も多く見られます。 ただし、設備が劣化している・浴室が狭い・使いづらいなどの問題点があるならば、使用年数にかかわらず、取り替える時期だといえるでしょう。住宅設備は、近年、急速に進化中。性能・デザインはもちろん、省エネ仕様にもなっているので、水道光熱費の節約にもつながるのです。 特に、中古マンションを購入してのリノベーションを考えている場合、築年数が15年以下だったとしても、より清潔で快適なバスライフを求めるのならば、ぜひバスルームのリノベーションをおすすめします。
バスルームには、3つのタイプがある
バスルームは、大きく3つのタイプに分けられ、どの工法も、マンション・一戸建てのどちらでも使用できるとされています。
①デザインも自由に! 在来工法
在来工法とは、文字通り昔ながらの造り方。防水加工を施し、モルタルやコンクリートで壁・床を造って、タイルや木材などで仕上げる方法です。デザインに自由度が高く、檜・大理石・タイルなど、好みのバスタブを選べ、広さも住居に合わせてフレキシブルに造ることができます。
②機能性はお墨付き! ユニットバス
マンションでは特にポピュラーなのが、ユニットバス。メーカーの工場で生産された床・壁・天井から浴槽、ドアなどのパーツを搬入し、現場で組み立てて造ります。壁と床が一体となっているので水漏れの心配もなく、断熱性能や乾燥のしやすさなど多くのメリットがあります。各メーカーから、さまざまなデザインの商品が出ており、バリエーションも豊かです。
③ ①と②の合わせ技! ハーフユニットバス
ハーフユニットバスは、床・水槽・壁の下部が一体化されているものです。水に強いシステムバスのよさと、壁・天井を自由にデザインできる在来工法のよさを併せもっているのがこのタイプ。商品バリエーションは多くありませんが、工夫次第でオリジナリティの高いバスルームを実現することができます。
マンションリノベで押さえておくべきポイント5つ
マンションでバスルームのリノベーションをする場合には、「できること」と「できないこと」があります。 わが家のリノベーションでは、どこまでできるのか?ポイントを押さえて、理想のバスルームを目指してみましょう。
①バスルームをもっと広くできる?
内部の構造に手を加える・ユニットバスを取り替えるなど、バスルームを広げるためにはいくつかの方法があります。ただし、マンションは管理規約があり、変更に制限がある場合もあります。また、構造によっては,思ったように壁や柱を動かすことができない場合も。 近年、外寸を変えずに、内寸を広げたユニットバスも出ているので、こうした商品を検討してみるのも手です。 ちなみに、在来工法からユニットバスへ。逆に、ユニットバスから在来工法へ。マンションでのリノベーションでは、どちらのパターンもOK。 ただ、バスルームの床面積がそのままならば、在来工法からユニットバスへ変更した場合、空間の内側に床材・壁材をはめこむことから、既存のバスルームよりも狭くなる傾向があります。
②バスルームの場所を変えることはできる?
マンションでのバスルームの場所変更は、あまり自由度は高くありません。 配水管に十分な勾配がとれない場合、水が流れないなどのトラブルの原因になってしまいます。また、排気ダクトの位置を変更したことにより、排気がうまくいかないケースもあります。 特に古いマンション(築30年以上)は、排水管が階下の天井裏を通っていて排水管の移動ができないことが多いです。移動ができても費用がかかることもあり、注意が必要です。
③窓を増やすことはできる?
マンションには、区分所有法という法律に沿ってつくられた管理規約と使用細則があり、個人でリノベーションできる範囲は、マンションの専有部分に限られています。マンションの外壁は共用部分なので、穴を開けて窓を設置することはできません。 それでも、バスルームの空間を広く見せたい、もっと明るさがほしいという場合は、洗面室との仕切り壁に室内窓を設置する・扉をガラス張りにするなどの方法を試してみるのもいいでしょう。
④追い炊き機能を追加することはできる?
便利な「追い炊き機能」。築年数が古いマンションには、付いていない場合がほとんどです。 湯船・追い炊き管・給湯器が循環することで追い炊きが可能になるのですが、古いマンションには、この追い炊き管がないことが多いのです。 マンションの給湯器は専有部分外に設置されているので、追い炊き管を引き込もうとする場合、外壁に穴を開ける必要があります。管理組合に交渉・許可を取る必要があり、許可される場合もあるようですが、稀だといえるでしょう。また、費用も高額になることが予想されます。 追い炊き機能が必須と考えているなら、中古マンションを選ぶ際、事前にバスルームが追い炊き機能に対応しているかどうかを確認しておきましょう。
⑤浴室乾燥機能を付けることはできる?
浴室乾燥機は、入浴後の換気はもちろん、バスルームの温度調節、洗濯物の部屋干しにも利用でき、とても便利ですよね。その高い機能性から、後づけが難しい印象があるかもしれません。 しかし、近年は、換気扇に設置するタイプ・壁の排気口を利用するタイプなど、現状の浴室にあったさまざまなものが販売されています。あらかじめ浴室乾燥機が設置されたユニットバスではなくても、浴室乾燥機を後付けすることはできるのです。
パターン1:天井に浴室乾燥機を設置する
新しく天井に浴室乾燥機を設置するには、天井に換気扇や点検口などの設備があることが条件。換気扇、点検口があれば、外部から空気を取り込め、電源を取り出すことで、浴室乾燥機を設置できます。 天井にビルトインしたいという場合は、開口部を調整し、天井を補強するなどの大規模な工事が必要なため、工事費用は高額になります。
パターン2:壁付けで浴室乾燥機を設置する
在来工法のバスルームで、天井に換気扇や点検口などの設備がない場合は、壁付け式の浴室乾燥機を利用します。天井への埋め込みと比較すると、コストダウンできる傾向にありますが、マンションでの工事が可能かどうかは、管理規約に照らし合わせておきましょう。

