その年を代表するリノベーション作品を表彰するコンテスト 「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」。 6回目を数えた2018年は、12月13日に授賞式が開催され、 受賞作品の数々が発表されました。

はたして、900社を超える施工事例から総合グランプリを獲得した作品は? 選ばれた作品を見れば、リノベーションの最先端がわかるだけでなく、あなたのリノベーション計画の参考にもなるはずです。

黒川紀章への手紙(タムタムデザイン+ひまわり) 「黒川紀章への手紙(タムタムデザイン+ひまわり)」株式会社タムタムデザイン

「リノベーション」の広がりを見せた2018年

2018年、6回目を迎えた「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」。 前年比1.5倍の246件というエントリー数は、過去最多。 グランプリ1作品・部門別最優秀賞4作品に加え、特別賞が13作品と、例年以上に受賞作品も増え、年々リノベーションそのものへの感心が高まっていることを感じさせる結果となりました。

過去、首都圏と大阪エリアといった大都市の作品が受賞することが多かったのですが、2018年は他エリアからのエントリーと受賞もぐっと増加。全国規模でリノベーションが定着し、事業としての広がりを見せていることがわかります。

いったい、どんなリノベーション作品が、栄えある賞を獲得したのでしょうか。 さっそく、2018年の受賞作品についてご紹介していきましょう。

①総合グランプリ「黒川紀章への手紙(タムタムデザイン+ひまわり)」株式会社タムタムデザイン

部門:1000万円未満  リノベーション費用:700万円(税込)  形態:再販モデル

リノベーションオブ・ザ・イヤー2018 総合グランプリ「黒川紀章への手紙(タムタムデザイン+ひまわり)」 「黒川紀章への手紙(タムタムデザイン+ひまわり)」株式会社タムタムデザイン

1999年に建築家黒川紀章が北九州市門司港で設計した高層マンション、「門司港レトロハイマート」。オーシャンビューを持ちながら、内装は老朽化し、住み手が減る一方だったこの物件の20階部分、一住戸をリノベーション。

旧間取りでは絶景を堪能できる部屋がリビングのみに限られていましたが、受賞者は玄関・キッチン・リビングすべての空間から絶景が見渡せるように、腰壁上部をすべてガラス張りにしました。

リノベーションを通じて、亡き巨匠との問答に挑み、過去に埋もれかけた建築物に新風を吹き込んだデザインが、大きく評価されました。

②500万円未満部門 最優秀賞「groundwork」株式会社水雅

部門:500万円未満  費用:460万円(税込)  形態:自由設計リノベ

リノベーションオブ・ザ・イヤー2018 500万円未満部門 最優秀賞「groundwork」「groundwork」株式会社水雅

中古物件を購入してから3年生活し、日々の過ごし方がわかっていた施主からの依頼。 真新しさよりも経年を感じる雰囲気を好む施主のために、壁と天井は壊したままの躯体現しとし、ビンテージ感のある落ち着くスタイルでまとめています。 工事期間中のある日、ゲリラ豪雨が降り、サッシまわりを中心に雨漏りが発生したため、修繕工事も行われました。

③1000万円未満部門 最優秀賞 「『MANISH』新しさを壊す」株式会社ブルースタジオ

部門:1000万円未満  費用:600万円(税込)  形態:自由設計リノベ

リノベーションオブ・ザ・イヤー2018 1000万円未満部門 最優秀賞 「『MANISH』新しさを壊す」の画像「『MANISH』新しさを壊す」株式会社ブルースタジオ

新築の木造二階建住居を、「MANISH」をテーマにリノベーション。 ムダを削ぎ落とし、男性的な力強さと女性的な柔らかさを併せ持つ新しい家を目指しました。

細部まで機能にこだわった吹き抜けのあるキッチン、施主好みの素材や色でデザインしたLDKは、既存の新築物件をどこにもないオリジナルの家としてリボーンしたのです。

④1000万円以上部門 最優秀賞「家具美術館な家」株式会社grooveagent

部門:1000万円以上  費用:1300万円(税込)  形態:自由設計リノベ

リノベーションオブ・ザ・イヤー2018 1000万円以上部門 最優秀賞「家具美術館な家」「家具美術館な家」株式会社grooveagent

「夫婦で4年間住んでいたデンマークで集めたお気に入りの家具をゆったり置けること」がテーマ。

床は薄いグレーのPタイル、壁と天井も白の塗装仕上げで、細かな仕切りはなく、徹底したミニマルな空間に。すべての家具がくっきりと際立ち、まさに美術品のように見える家を造り上げました。

⑤無差別級部門 最優秀賞 「ここで何しようって考えるとワクワクして眠れない!~『喫茶ランドリー』」株式会社ブルースタジオ

部門:無差別級  費用:プライスレス 

リノベーションオブ・ザ・イヤー2018 無差別級部門 最優秀賞 「ここで何しようって考えるとワクワクして眠れない!~『喫茶ランドリー』」「ここで何しようって考えるとワクワクして眠れない!~『喫茶ランドリー』」株式会社ブルースタジオ

墨田区千歳の住宅街にオープンした「喫茶ランドリー」は、「私設の公民館」を目指した複合施設。 元は工場だったというビルは、それぞれの居場所で、誰もが思い思いにくつろげる空間へと生まれ変わりました。

喫茶スペース、洗濯機のある家事室などがあり、イベントスペースとしても幅広く使用されています。

街のなかにまったく新しいコミュニケーションの場を提案した喫茶ランドリーは、「まさにリノベーションのフロンティアを体現した作品(審査委員長・島原万丈)」。

リノベーションが街そのものを変えていく可能性を感じさせる作品として、強いインパクトを与えました。

バラエティ豊かな特別賞にも注目

今回多数のエントリーから、グランプリ・施工費別の優秀賞に加え13もの特別賞が選考され、ワーク&ライフスタイル提案賞、ベストマーケティング賞、世代継承コミュニティー賞など、さまざまな観点から賞が贈られました。

なかでも、賃貸や再販といった比較的凡庸なデザインになりがちな物件にも、ターゲットを明確に絞ったオーダーリノベに遜色のない、こだわりの作品が出てきているのことに注目が集まりました。

各受賞作品はこちらからご覧いただけます。

こんな団地になら住んでみたい!

コストパフォーマンスデザイン賞 「リビ充団地」(タムタムデザイン+不動産プラザ+不動産中央情報センター)株式会社タムタムデザイン

部門:500万円未満 費用:340万円(税込)

リノベーションオブ・ザ・イヤー2018 コストパフォーマンスデザイン賞 「リビ充団地」の画像「リビ充団地」(タムタムデザイン+不動産プラザ+不動産中央情報センター)株式会社タムタムデザイン

福岡県北九州市に、昭和48年に建築された大きな団地。玄関から台所、和室が3部屋という典型的な団地の間取りでした。

玄関土間を広げ、無垢材フローリングのリビングに、カウンターの長いシンプルなキッチン。

光が行き届く明るい空間に生まれ変わった団地の一室は、若い子育て世代も暮らしの彩りが十分に楽しめるような間取りとインテリアが魅力です。

おわりに

リノベーション・オブ・ザ・イヤーのノミネート作品を決めるのは、FacebookなどSNSを通じた一般の人々です。

2018年、たくさんの人々の「いいね!」を獲得した、優秀作品の数々には、いずれも「見ていて感じがいい」「心地がいい」といった共通点がありました。

私たちの暮らしを、もっと心地よく、楽しいものにしてくれる、リノベーション。 それは、自分の好きなものや価値観を、予算の中で、どれだけ表現できるかという挑戦でもあります。

成功のヒントは、リノベーション・オブ・ザ・イヤーの受賞作のなかに、たくさんちりばめられていました。 人生を豊かにしてくれる、リノベーション。 あなたも、リノベーションで、新しい人生の楽しみを手に入れてみませんか。

「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」とは

一般社団法人リノベーション協議会が主催するコンテストで、部門は施工費別に、「500万円未満部門」「1000万円未満部門」「1000万円以上部門」「無差別級部門」の4つ。 2018年12月13日に伊藤国際学術センター(東京大学本郷キャンパス内)で授賞式・講評会を開催しました。

参考:一般社団法人リノベーション評議会プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000008586.html