リビングとテラスがつながる、のびやかなLDK


両親が所有するマンションの最上階に移り住むことになったYさんご夫婦。部屋数には満足していたものの、内装のテイストが好みではなく、またリビングとダイニング・キッチンが分かれて窮屈なことも気になっていました。陶芸作家の奥さまのご希望は、フランク・ロイド・ライトが設計した“落水荘”のような空間。その趣きある雰囲気を意識しつつ、モダンさをプラスし、心がほっとするような空間に仕上げています。多いときには20人ほどのゲストを迎えることもあるというYさんご夫婦。もともとリビングに隣接していたテラスはコンクリートが殺風景だったため、ウッドデッキを張り、セカンドリビングとして活用するプランをご提案。リビングとテラスの間の窓を全開放サッシに変え、テラスとつながる大きなLDKを設けました。週末にはたくさんのゲストが訪れ、お酒や料理をふるまっているそうです。勾配天井にはレッドシダーの木を張って、木のぬくもりを演出。ヘリンボーンに張った床のローズウッドとともに、空間に深い趣を与えました。自然素材の質感が心地よく交差する、懐かしくもモダンな空間に生まれ変わっています。
(写真左)窓を全開放サッシに変え、テラスと一体になる開放的なリビングに。心地よい風と光が舞い込む (写真右)TVボードと棚はオリジナルで造作。木の質感を活かしたシンプルなデザインに、奥さまの作品がより映える

(写真左)窓を全開放サッシに変え、テラスと一体になる開放的なリビングに。心地よい風と光が舞い込む
(写真右)TVボードと棚はオリジナルで造作。木の質感を活かしたシンプルなデザインに、奥さまの作品がより映える


手づくりのぬくもりを、ステンレスで引き締める


リビングとダイニング・キッチンの間にあった壁をなくし、大きなLDKを設けています。床にはハンドメイドのテラコッタタイルを斜めに貼り、リズミカルで懐かしい印象をつくりました。焼き物の素朴な風合いが、奥さまのお気に入りです。正面の壁には、深みのあるグリーンのタイルをダークグレーの目地で貼りました。その手前にはシャープな木目の収納カウンターを造作。食器や花、陶芸など、何を置いても絵になるカウンター。壁のタイルとともに、ミッドセンチュリーのように、あたたかな趣を演出しています。素朴な素材を使った空間をモダンに引き締めるのは、クールなステンレスキッチン。素焼きのタイルの床、深いグリーンのタイルの壁、木目のはっきりと現れた収納、ステンレスのキッチン。それぞれが個性を損なうことなく、心地よく調和しています。毎週末、こちらでやさしい日差しを感じながらゆっくりとブランチすることが、忙しいご夫婦のささやかな楽しみなのだとか。
すっきりとした状態を保ちやすいよう、キッチン全体の収納量を増やした。奥には出入り口が2つのパントリーを設け、キッチン〜パントリー〜階段ホールを回遊できる動線をつくり、家事をスムーズに

すっきりとした状態を保ちやすいよう、キッチン全体の収納量を増やした。奥には出入り口が2つのパントリーを設け、キッチン〜パントリー〜階段ホールを回遊できる動線をつくり、家事をスムーズに


プライベートな空間こそ、好きな素材とデザインにこだわる


北側にある寝室は、湿気と熱気がこもりがちでした。そこで、既存の開閉できないFIX窓を開閉可能な引き違いに変更し、通気性をアップ。さらに、全室のドアを引き戸に替えたことで、開放すればリビングと寝室の間を南北の風が通り抜けるようになりました。フローリングは明るい杉を使用し、シックなLDKとは趣を変えてやわらかな印象。はっきりとした模様を描く節が素朴でかわいらしく、また裸足で歩いたときの肌ざわりが寝室にぴったりです。壁はぬくもりのある珪藻土、天井には清潔な桐。場所ごとに使い分けた自然素材が、就寝前のひとときを落ち着かせてくれます。機能性を追求するあまり、少しシンプルになりがちな洗面室は、お気に入りのモザイクタイルを貼ってご夫婦らしさを演出しました。ランプのようにぼってりとしたタイルは、ひとつひとつ色合いや色ムラが異なり、遠い異国の情緒を感じさせてくれます。白い床・壁・天井や洗面カウンターはバスルームの窓から注ぐ光を拡散し、洗面室に明るさをもたらしています。
(写真左)寝室のFIX窓を開閉できる窓に変更。各居室の建具をすべて引き戸に変え、風が南北に通り抜けるようにした (写真右)壁には奥さまが選んだ色とりどりのタイルを。朝の身支度がたのしくなりそうな、味わい深いある洗面室に

(写真左)寝室のFIX窓を開閉できる窓に変更。各居室の建具をすべて引き戸に変え、風が南北に通り抜けるようにした
(写真右)壁には奥さまが選んだ色とりどりのタイルを。朝の身支度がたのしくなりそうな、味わい深いある洗面室に