ラフでかっこいい。けど、クールすぎない空間
お子さまが生まれたばかりのYさんご夫婦。広々としたリビングに、コンクリート現しの壁や天井など、”かっこいい”リノベーション空間をご希望でした。物件の購入前に、購入予定マンションの図面をご持参でクラフトを訪れ、”理想の空間が可能かどうか”を確認したうえで物件を購入。物件購入の検討段階でご相談いただけたことが、ご希望通りの空間を実現できた理由の一つです。家具が好きだというYさんご夫婦は、素朴な木の質感を感じさせるシンプルな家具をいくつもお持ちでした。デザイナーは事前にこれらを拝見し、ご希望だった「かっこよさ」と、お好みの「素朴さ」が共存するような、ラフな空間をご提案。使わない和室はなくし、そのぶんLDKを拡大。さらに天井を高くするため、天井材を撤去し、クロスを剥がした壁とともに躯体に直接塗装しています。コンクリート躯体表面の凹凸によって、ラフでざっくりとした雰囲気に生まれ変わりました。白い壁や天井が、無垢のフローリングや素朴な家具を引き立てます。ダイニングテーブルには、昔のアメリカの工場で使用されていたようなペンダントライトを3つ。無骨な表情で食卓を照らします。小さなお子さまとフローリングに直に座ることが多いというYさん。床暖房対応の挽き板フローリングを使用し、冬でもあたたかく、かつ無垢材のやわらかな肌触り、視覚的なぬくもりを感じられるようにしています。かっこいいけど、クールすぎない。そんな暮らしやすさを大切にしながらプランニングを行いました。

(写真左)システムキッチンの側面に、木目模様がはっきりとしたホワイトオークのパネルを張って家具のように
(写真右)ソファに座ったとき、窓の外の緑が自然と視界に入るようにレイアウト。視覚的な心地よさもプラス
リビング・ダイニングに溶け込むキッチンとPCデスク
いつもお子さまの様子を見守ることができるよう、キッチンとPCデスクはそれぞれリビング・ダイニングを見渡せる位置にレイアウト。ともにホワイトオーク材で造作し、リビング・ダイニングに溶け込ませていることがポイントです。ダイニングの一角には、奥さまのPCデスクをオリジナルで造作しました。リビングのAVボードとつながるカウンターは、うねるような木目模様が印象的なホワイトオークを使用。無機質になりがちな白い壁にほどよいぬくもりを与えています。家事の合間にちょっと調べものをしたり、手紙を書いたりと、空いた時間を有効活用できる、使い勝手のよいスペースとなっています。独立していたキッチンは、ご家族と話しながら料理ができるようオープンの対面式に変更。システムキッチンの側面にはPCデスクと同じホワイトオークのパネルを張って、空間全体のイメージを統一しました。リビング・ダイニングから見たとき、まるで大きな家具が鎮座しているといった印象です。レンジフードから伸びた太い排気ダクトや、埋め込まずに露わにした電線管は白く塗装。工場のような素っ気なさを演出しつつ、すっきりとした清潔感を感じさせています。目地なしで貼った白いサブウェイタイルは、さりげないアクセントに。キッチンの裏に大きなパントリーを設けたことで、整頓された状態を保ちやすくなりました。

(写真左)ダイニングの一角には奥さまのPCデスクを造作。お子さまの様子を見守りながら調べ物を
(写真右)壁の一部に貼ったサブウェイタイルは、表面の歪みがライトによってゆらめく
素材や設備で遊ぶ。ストーリーのある空間づくり
プライベートな洗面スペースは、素材や設備にこだわってストーリー性のある空間に仕上げました。洗面室の壁は、白いタイルを馬目地貼りに。ダークグレーの目地で、タイルそのものが空間の主役になるようなインパクトを与えています。楕円形のミラーや、柱のような台座に洗面器を乗せたペデスタルシンクなど、レトロなアイテムをさりげなく配置し、肩肘張らない小粋さを演出。パイプスペースを活用して収納を設け、空間の無駄をなくしたこともポイントです。左手にはタオルウォーマーを設置しました。玄関はYさんとデザイナーのコラボレーション。靴収納を撤去して間口を広げ、ベビーカーも楽々入れるようにしました。土間部分はモルタルでラフに仕上げつつ、クロスする溝のシャープなラインがスタイリッシュな印象です。趣のあるアイアンミラーはYさんご自身が気に入って購入したもので、空間をクールに引き締めています。床はリビング・ダイニングと同じフローリングを敷設し、ドアを開放したときに空間のつながりを感じられるようにしました。ドアを開けた瞬間から、住み手のこだわりを感じさせるプロローグのような玄関となっています。

(写真左)白いタイルをグレーの目地で張り、楕円形のミラーやペデスタルシンクを配置しました
(写真右)間口を広げた玄関。モルタルでラフに仕上げた土間と、お気に入りのアイアンミラーがアクセントに

