厳選した本物素材に、さらにひと手間


1人暮らしのKさんは、リフォームを前提に築37年の中古マンションを購入しました。
イメージしていたのは、NYのロフト・アパート。
古い工場や倉庫を住まいに改造したようなラフで自由な発想と、長い年月を経た空間ならではの趣を感じさせるデザインをご希望でした。味わい深さや経年を表現するために、素材を厳選し、さらにひと工夫を加えています。
LDKのフローリングにはエイジング加工したオークの無垢材、壁の一部にはアンティ―ク煉瓦を使用。
煉瓦の目地をわざと粗く施工したり、浮づくりにした無垢材をナタで傷つけたりと、上質な素材にさらにひと手間かけて趣を引き出しました。キッチンの床には、ムラをつくりながらワックスを塗った、テラコッタタイル。
古めかしいような、なつかしいような風合いがキッチンの重厚感をぐっと高めています。
プロ用の厨房器具を置いたキッチンは、老舗のレストランさながら。
LDKの注目を集めるようなデザインと、使いやすさを併せ持つキッチンは、週末にはたくさんの友人を招いて料理やお酒をふるまうKさんにとって大のお気に入りの場所となりました。
(写真左)レトロな雰囲気のなかで、スタイリッシュなステンレスの厨房の存在感が大きい (写真右)煉瓦の目地をあえてラフに仕上げ、よりアンティーク感を強調

(写真左)レトロな雰囲気のなかで、スタイリッシュなステンレスの厨房の存在感が大きい
(写真右)煉瓦の目地をあえてラフに仕上げ、よりアンティーク感を強調


視界が抜けるレイアウトで、暮らしが変わる


窓の外は、都会的で美しい夜景が広がります。
既存の低い天井や太い梁が気になっていましたが、レイアウトを大幅に変更し、バルコニーの開口を大きく見せることで、一気に視線が抜けるように工夫。家中どこで過ごしていても、夜空に光が輝く景色をたのしめるようになりました。また、ホームパーティーを開くことが多いため、リビング・ダイニングをパーティールームとして利用し、キッチンから一望できるようにしました。
ゲストの料理の進み具合を見ながら、次に出す料理やお酒を考えていくのがKさんにとってたのしい瞬間。
風が心地よい季節には、窓を全開にしてバルコニーをリビングの一部として使うこともできるため、一度にたくさんの人を招くことができそうです。
暮らす人も、訪れる人も、ゆったりと過ごせるようにプランニングしました。リビングの一角には寝室と書斎を設け、本棚でゆるやかに間仕切り。
本棚の一部には背面を設けず、バルコニーからの光と風、景色を通せるように工夫。
「ちょっとひと仕事」と「ちょっとひと休み」が気軽にできるようになったことも、うれしい結果です。
(写真左)視線が抜けるようなレイアウトに変えたことにより、キッチンにいながら夜景が見えるように (写真右)リビングの一角に、書斎と寝室を配置してワンルームのように。寝室は引き戸で仕切ることも可能

(写真左)視線が抜けるようなレイアウトに変えたことにより、キッチンにいながら夜景が見えるように
(写真右)リビングの一角に、書斎と寝室を配置してワンルームのように。寝室は引き戸で仕切ることも可能


アートスペース、バスルームに、景色を取り入れる


お持ちのモダンな絵画やオブジェを飾ることを前提にプランニング。
玄関ホールの先には、ディスプレイの棚とオブジェを飾るスペースを設けています。
ここを通ってLDKへ向かう動線のため、出入りするたびに目に触れることに。
スポットライトで作品を魅力的に見せつつ、やや照明を落とした部屋には宝石のようにきらめく夜景が映り込みます。
通常ならただの”廊下”になりがちなスペースを、”アートスペース”として使用したことにより、ゲストへのおもてなし、住む人の心地よさをつくりました。そんな予備室を抜けると、すぐにガラス張りのバスルームが現れます。
「入浴しながら夜景を眺めたい」というKさんのために、バスルームを移動して大きな窓を設けました。
予備室の窓から見える景色をそのまま、バスルームへ取り込むための工夫です。バスルームの移動にともない、排水管を通すために上げた床の段差を利用して、本棚も造作。
小上がりのように腰掛けて景色や画集を眺めるのににちょうどよい高さで、ここがお気に入りスポットとなっている友人もいるのだとか。
(左)外出と帰宅で毎回通るアートスペースが、心のゆとりをつくる (右)隣室の窓に望む景色を眺めて、贅沢なバスタイムに

(左)外出と帰宅で毎回通るアートスペースが、心のゆとりをつくる
(右)隣室の窓に望む景色を眺めて、贅沢なバスタイムに