引越し経験13回! 現役転勤族の妻がようやく見つけた、引越し成功の法則

転勤には引越しがつきものですが、やることが山のようにあり何から手をつけていいか悩みがち。現役転勤族の妻が、これまでの経験から導き出した引越し成功のコツを教えます。

引越し難民にならないためにも、まずやるべきことは引越し会社と物件決め。予算内で快適な住まいを手に入れるためには、ちょっとしたポイントを頭に入れて行動しましょう。

旅するように暮らす転勤生活、旅行では見えないその土地の素顔が見える

転勤族と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
会社のお金でいろいろな土地に住めて楽しそう、引越しが多くて大変、子どもは学校を転校しなくてはならない…。

みなさんが想像するように、転勤はいいことだけでなく悪いことももちろんあります。転勤の辞令が出ると、どうしても不安が先立ってしまいがちです。でも、きっと大丈夫。1番のヤマ場である物件探しと引越しさえ乗り越えれば、あとはワクワクする新しい生活があなたを待っています。

誰も自分のことを知らない街で、出会う人、発見するお店。自宅の周りを散歩するだけで、毎日心をときめかせる小さな出会いがあるのです。任地に住むのもせいぜい数年。ちょっと生活にマンネリを感じ始めるころには次の新天地へ。ずっと同じ土地に住んでいたら一生足を踏み入れることもなかったであろう場所にも、気軽におでかけできるのは実はとても贅沢なこと。

東京に住んでいても、ねぶたや七夕といった東北の夏祭りを見ることは困難です。祭り期間中は宿をとるのも一苦労。ツアーでなければなかなか予約もできないでしょう。転勤で地元に住んでいれば、思いついたらふらりと見物なんてことも当たり前。穴場の見物スポットも地元の人に教えてもらえば疲れ知らず。制作の様子や踊り手の裏話までも耳に入ってくるので、120パーセント満喫できます。学校や知り合いの関係で、何かしら参加できるチャンスが巡ってくることだってあります。

土地の名物も1番おいしくなる旬の時期にいただけます。味はもちろん、うれしいのがその安さ。鳥取に住んでいた時分の冬のご馳走は、何といっても“松葉ガニ”。全国的に知られているだけに、贈答用のカニとなるとお値段も相応のもので気軽に手を出せる代物ではありません。しかし、地元民の食卓にのぼるのは足が折れた格安のB級品。見た目の問題だけで、味は変わらず。自分たちで食べるならば十分です。

ほかにも、松葉ガニの雌で“親ガニ”と呼ばれる絶品グルメが存在するのですが、知る人ぞ知る逸品。お味噌汁にするのですが、カニみその出汁が滋味深く冬のご馳走です。値段も1杯200~300円とお手頃。それなのに、よその地域に出回らないのは、漁の期間が限定されていて鮮度も落ちやすいためなのです。住んでいればこそ、近所のスーパーで気軽に買うことができます。

どこの地域に引越ししても、必ず地元の人にしか知られていないような名産品や名物があるはず。土地勘がないうちは、地元スーパーや市場、産地直売所を巡るだけでも気分が上がりますよ。

私は親が転勤族で、結婚したのも転勤族。生まれてこの方、引越し経験13回。転勤族の妻としては11年目の現役転勤族です。生まれは東北ですが、転勤のおかげで北は青森、南は長崎まで住むことができています。

転勤でその土地に住んでいる間しかチャンスはないと、家族そろってめぼしい観光地を制覇するのはもちろんのこと。その土地の歴史や文化を学ぶ体験イベントや講座にも積極的に参加しています。現在の住まいは人気観光地の長崎なので、街を散歩するだけで歴史旧跡に突き当たります。地元の方が趣向を凝らしたテーマ設定で名所や穴場スポットを案内してくれる“さるく”という街中散策ツアーもあり、時折参加するのですがそのたびに新鮮な発見があります。修学旅行でやってきたとしても、長崎の魅力のほんの一部しかふれることができなかったでしょう。

転勤で引越しとなれば、子どもは転校することになります。知り合いだらけの居心地のいい地元で暮らし続けている子とはちがって、しなくてもいい苦労をすることもあります。それでも、幼いころからいろいろな土地を知ることは成長につながります。1つの価値観に縛られることなく多様性を認められる子どもに育つと、自分の転校の経験から信じています。

何度転勤しても引越しは家族の一大事! 縛りの多い転勤ならなおのこと

結婚後、転勤での引越しは4回です。子ども時代、独身時代を通して引越しは何回も経験しているので、引越しなんて手馴れたもの。朝飯前です。…といいたいところですが、実際のところ毎回学習しているつもりでもバタバタです。前回は物干し竿とベランダサンダルを忘れかけました。

まず確実に、独身の引越しと家族の引越し度では難易度がケタちがい。結婚後初めてと、子どもが生まれてからの引越しにはできるだけ時間的な余裕をもちましょう。物理的に、家族が増えれば荷物も増えます。さらに、家族の分だけ事務手続きも必要です。

転勤での引越しで最も重要で、優先すべきは“物件選び”と”引越し会社”の確保です。ここ数年で転勤での引越し経験がある人に聞いてみてください。口をそろえて「引越し会社の確保が大変だった」というはずです。“引越し難民”という言葉が報道されるほど、転勤シーズンの3月末~4月上旬の引越しはプラチナチケット並みになっていました。ピーク時は引越し料金も跳ね上がり、オフシーズンの2倍~3倍なんてことも。会社からの引越し手当では足が出るのは常ですが、これからはますます厳しい戦いになりそうです。早めはやめに動くことが何より大切です。

引越しの見積もりをとるためには、日程、荷物の量はもちろんのこと、必ず聞かれるのが“住所”です。できることなら、住まいも決まっていれば見積もりはより正確になります。なぜかというと、新居が1階なのか高層階なのか、エレベーターの有無、住まいの前までトラックが入れるか、トラックを置ける駐車スペースがあるかということによって、必要な人員やトラックの数が左右されます。引越し会社だって、危ない橋は渡りたくありません。物件が決まっていなければ、もしものことを考えて、安全側の見積もりをつくります。引越しを安くスムーズに行うには、物件選びがカギとなることがお分かりでしょうか。

そんなこといわれなくても、さっさと物件を決めたい人もいるでしょう。ですが、会社勤めのツラいところ。自分の好き勝手に住まいは選べない方が多数派です。会社の規定により家賃の上限が決まっていたり、広さの制限が設けられていたりしているところもあります。そもそも、会社が提示した中からしか選べないということもあるのです。あれこれ縛りが多い中、新任地も遠方。気ばかり焦り、良さそうな物件は次々と埋まっていく…。引越しのリミットがあるなかで、地味にストレスが溜まるのが物件探しなのです。

わが家が過去に転勤した中で、駅に近い場所でマンションを探したことがありました。今の住まいから新しい任地は、まず飛行機移動の距離。子どもの学校や夫の仕事の都合から、引越しまで現地で物件探しをする余裕もありませんでした。予算的にも、自腹で下見に出かけるのは痛い出費です。そこで夫の勤め先の現地支店の方に代わりに物件を見に行ってもらうことで、何とかことなきを得ました。

ほかの転勤族の方に話を聞くと、内示が出てから引越しまでの期間はまちまちです。短い人では半月以下なんてケースもありました。幼児がいたりすれば、荷造りだけでせいいっぱい。だからこそ、転勤族の物件選びは便利に楽に済ませましょう。

物件選びにはコツがある! 転勤族が培ってきた成功法則を公開

これまでの転勤生活を振り返って、転勤族が物件を探す際に頭に入れておきたいことが見えてきました。

人によって、住環境に求める優先順位は変わってきます。職場に近く通勤に便利な場所がいいのか、子どもの教育を考えて文教地区にするのか。物件はアパートなのかマンションなのか、一戸建てか。ペットがいるのでペット可の物件がいいなど。楽器が趣味なので防音の物件などもあれば、事前に書きだしておきましょう。何も決めずに物件を眺めても、決められず時間ばかりが過ぎていきます。

1.短期間・単身赴任なら家具付き物件が楽

何度か引越し経験がある方なら同意してもらえると思うのですが、家具は引越しを重ねるごとに傷つきます。立派な家具ほど、狭い階段や玄関を通すのが大変です。そこらにぶつけて傷やへこみもできます。毎回同じ間取りの部屋のはずもなく、置き場所に苦心することもしばしば。

悪いことはいいません。もし、転勤のスパンが2~3年、もしくは単身赴任ならば家具付きの物件も選択肢に入れてください。引越しの荷造りが格段に楽になりますし、引越し代金そのものも安くあがります。転勤中は身軽に過ごし、いざ定住となったら吟味して好みの家具を選ぶのです。割り切った考えですが、シェアが当たり前の今どき。悪くないです。

2.条件が良くてもすぐに入居できないことも

駅近などの人気物件では、希望する日程で入居できないこともあります。実際、以前の引越しで、前の住人が出るまで5日間ほどホテル暮らしをするはめになったことがあります。会社から認められるはずもなく、宿代は自腹。洗濯物もたまりますし、散々でした。皆さんには即入居の物件をおすすめします。

3.予算を抑えるために初期費用はできる限り低く

理想はあるとして、現実的には予算と相談して決めることになります。大まかに住みたいエリアが決まっていれば、あとは物件しだい。

引越しでは、敷金・礼金・保証金などを契約時に支払うことが通例です。ただ、数年ごとに繰り返す引越しで毎回初期費用が発生するとなると、家計にも正直響きます。最近では初期費用の設定が低く決められている物件も出てきています。上手に利用しましょう。

4.車や自転車の活用を考慮した物件選び

車や自転車をお持ちなら、駐車場・駐輪場もお忘れなく。条件に合った物件だからといって、駐車場・駐輪所なしのところに決めてしまうと後が大変です。別に借りればいいだろうと軽く考えてしまうと、土地勘もないなか当てもなく探し回るハメに…。

地域によっては、そもそもの駐車場の絶対数が少なく料金も高額に設定されていることもあります。何とか見つけたとしても、家から徒歩10分なんてことも。利便性からみても、“駐車場・駐輪場あり物件”が結果的にはお得です。

5.遠方なら“オンライン内見”も活用を

遠方で下見に行けない人は、ネットでの物件探しを取り入れている人も多いでしょう。ストリートビューと組み合わせれば、最低限の情報はつかめます。

さらに最近では進化し“オンライン内見”まで対応する物件が登場しています。オンライン物件とは、不動産会社のスタッフがこちらの希望する箇所を個別に見せてくれるというもの。収納があっても実際に中がどうなっているのか気になりますよね。“オンライン内見”は、絶対転勤族の強い味方になってくれます。

使えるものは賢く使って、引越しを成功させましょう。同じ転勤族として応援しています。

ワタベユキエ

ワタベユキエ

転勤族の子が転勤族と結婚し、生まれてこのかた引越し回数13回。転勤のおかげで、北は青森から南は長崎まで在住経験あり。

独身時代は広告業界に10年勤務。紙媒体の取材・編集もこなす。結婚後はたしなむ程度のwebライター。実体験を盛りこんだブログ『どうする?転妻』で、引越し・転勤・転校からお得情報まで随時発信中。

※このページの内容は、2019年2月28日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください