東京23区の北東部に位置する荒川区には、大小さまざまな公園があり、23区の中でも自然を感じられる場所が多いです。下町の雰囲気が色濃く残っているエリアと、再開発が進むエリアが同居する地域です。

以前は都内の別の区に住んでいたわが家ですが、妊娠がわかってから荒川区に引越してきました。転居を決めたのは別の理由でしたが、実際に住んでみて子育てに関する支援が手厚く、子育てしやすい街であると感じています。

今回は、荒川区で暮らして5年目のママライターである私が、荒川区で子育てをする魅力についてお伝えします。荒川区の物件を探す

三ノ輪橋駅都電乗り場

まずは、荒川区の基本情報です。

荒川区の概要

荒川区は23区の北東部にあり、台東区・北区・足立区・墨田区・文京区に囲まれています。面積は、10.16k m2と23区中22位の広さで、台東区に次いで面積の小さい区です。

昔ながらの商店街が残る下町ならではの街並みが魅力ですが、無接道敷地では建築基準法上、建て替えができないため老朽化が進んでいます。そのため、居住環境だけでなく防災面においても大きな問題となっているのです。

上記のような問題を解決し、安心して暮らせる街のために新設されたのが、「荒川区近隣まちづくり推進制度」。建築基準法の連担建築物設計制度を活用した荒川区独自の制度で、いくつかの条件を満たしていれば無接道敷地でも建て替えが可能になりました。それにより、地域によってはショッピングモールや大きな商業施設が増えたため、最近では子連れの家族も多いです。

近年は、再開発エリアの西日暮里・南千住などを中心にマンション建設が進み、2024年7月現在、約22万人が暮らしています。

交通の便もよく、JR線・東京メトロ・京成本線・つくばエクスプレス線・日暮里舎人ライナーのほか、都内に唯一残る都電である東京さくらトラム(都電荒川線)など、9つの路線が通っています。

わが家が子育て環境に荒川区を選んだワケ

私も夫も23区内で生まれ育ったので、居住先を決める際もできれば23区内で探そうと意見が一致しました。

しかし、23区内はどこも家賃が高く、駅までの距離や築年数で妥協しないと、なかなかこれという物件に巡り合えません。引越そうとした時期が、できれば賃貸ではなく、分譲マンションを購入しようというタイミングだったので、新築マンションの価格と利便性のバランスの取れたエリアはないか調べました。

その際に見つけたのが、荒川区でした。新築マンションの価格が他の区よりも圧倒的に安いのに、交通の便がよい点に惹かれました。当時出産を控えていた私は、公園が多くて自然豊かな街ならば、子どもが生まれてからも遊ぶ場所に困らないのではないかと思い、とても魅力的でした。

随所に見られる下町らしい雰囲気にも親しみを感じたので、荒川区内の新築マンションを購入することに決めたのです。

公園で遊ぶ親子

私は東京メトロ三ノ輪駅周辺のマンションで、夫と4歳になる娘と一緒に暮らしています。ここからは、実際に荒川区で子育てをしてみて感じたことや、よかったことなどをお伝えします。

数字で見る荒川区の子育て事情

荒川区の人口は、1943年に35万人強とピークを迎えましたが、戦時中に減少しています。1960年までに28万人程度まで持ち直しますが、そこから1998年まで時間をかけてゆっくりと減少し、約18万人まで落ち込みました。その後、再開発の影響もあってか、増加傾向にあります。

現在、荒川区の15歳未満の人口は、約2万4000人です(2023年1月1日時点)。人口総数について占める割合は、65歳以上の人口が22.8%(20年前は20.8%)、15歳未満が11.1%(20年前は11.1%)と高齢者の割合が増え、少子高齢化が進んでいます。

荒川区の保育施設は、以下のとおりです。

認可保育所(区立):11園

認可保育所(私立):41園

認可保育所(公設民営):6園

こども園(区立):1園

こども園(認定):2園

2004年以降、合計3,292人の保育定員を拡大しています。2024年4月1日現在、保育所待機児童数は33人で、すべて1歳児です。荒川区の区立幼稚園は、2023年4月1日の時点で8園あり、3歳から入園可能です。

荒川区の子育て支援情報

私は過去に保育に関わる会社で働いていたことがあり、各行政の子育てに関する取り組みなどを目にする機会が多くありました。その中でも、荒川区は子育てしやすい環境が整っていると感じています。

ここでは、特に素晴らしいと思った子育て支援事業を5つ紹介します。ただし、これらの情報は今後変更される可能性があるので、最新情報は荒川区公式ホームページでご確認ください。

参照サイト:荒川区公式サイト(子育て支援ページ)

妊娠中や育児中についての相談を、24時間・年中無休で受け付けてくれる事業です。さらに、応対してくれるのは、有資格者の専任スタッフなので安心です。

特に初めての育児の場合は、ちょっとしたことでも不安になったり、悩んでしまったりすることがあります。そんなとき、夜中や明け方にも相談できるのは心強いです。

私が相談したときにも親身になって耳を傾けてもらえて、それだけでホッとしたことを覚えています。

対象:荒川区在住で0歳~18歳未満の子がいる保護者

通話料:無料/携帯電話からも通話可能

多胎妊婦または多胎児を養育する家庭の、妊娠・出産・育児による心身の負担を軽減するため、家事や育児のお手伝いをしてくれる事業です。多胎児が3歳の誕生日を迎える前日まで、利用できます。

子の年齢で利用できる上限時間が決まっていますが、産後~1歳までの期間で240時間ほど、自宅でサポートを受けることが可能です。利用料金が1時間あたり300円と格安なのが、素晴らしいポイントです。

わが家はひとりっ子ではあるものの、産後2年くらいは慣れない育児にてんてこ舞いでした。双子・三つ子の場合は2倍、3倍、それ以上の大変さであると想像します。どうしても手を借りたいときにこういった行政サービスが受けられるのはありがたいでしょう。

支援時間:月曜~土曜 午前9時~午後5時(1世帯あたり1日4時間を利用限度とする)

“35”は“さんご”と読みます。荒川区がボランティア団体と連携し、子が6ヶ月に満たない母親の支援をしてくれる事業です。訪問してくれるのは、地域のボランティアと都立大学の学生さんです。原則、週に1回2時間ほど、赤ちゃんのお世話や沐浴補助、家事などをお願いできます。

6ヶ月未満の子のお世話や見守りをお願いできる行政サービスはめずらしく、利用料金が安価で頼みやすいです。地域ボランティアの方は、子育て経験のある先輩が多いので、育児の相談もすることが可能です。あまり他人と関わることのない産後期の話し相手にもなってくれるので、新米ママにはありがたい支援といえます。

支援時間:月曜~金曜 午前9時~午後5時(1世帯あたり1日2時間)

区内の民間賃貸住宅に入居する際、保証人を確保するのが難しいひとり親世帯に、保証料を補助する事業です。初回だけでなく、更新の際の保証料も4回まで補助を受けることが可能です。年数でいうと、10年分の保証料を区に負担してもらえます。

荒川区では、妊娠・出産の届け出を行った世帯に対し、経済的な支援を実施しています。具体的には、妊娠期には“出産応援ギフト”、出生後に“子育て応援ギフト”として、クーポン券を配布してもらえます。

“出産応援ギフト”は5万円相当、“子育て応援ギフト”は10万円相当とかなり高額なクーポン券です。子が生後4ヶ月になるまでの期間であれば申請可能なので、詳しくは公式サイトをご確認ください。

参照元:荒川区の補助金・助成金情報(住まいインデックス)2024年7月25日時点

ブロックで遊ぶ親子

ここからは、わが家が感じた荒川区で子育てをする魅力を伝えます。

荒川区で子育てをする魅力

わが家が魅力を感じた点は、主に2つです。

荒川区のあらゆる事業の中で、私がいちばんお世話になったのが、上記で紹介した“35サポネット”です。私は産後ヘルニアになってしまい、週2日の通院が必要でした。子どもが生まれたばかりで近場に預けられる親類もおらず「週1日なら土曜に夫に預けられるんだけどな…」と悩んでいたときに、こちらの事業を紹介していただきました。

当時、心身共に健やかでいられたのは、こちらの事業のおかげだと思っています。通院の時間が作れたのはもちろん、日々の育児の些細な悩みや愚痴を聞いてもらえたので、気持ちがリフレッシュできました。

「少しだけひとりになりたい」「お世話を頼んで休みたい」と考えたときに利用するのもおすすめです。

私は現在、三ノ輪駅の周辺に住んでいます。三ノ輪はちょうど区境で、駅を中心に荒川区と台東区に分かれます。以前からこの辺りを知る人は、もしかしたら治安が悪いというイメージを持っているかもしれません。しかし、わが家のある荒川区方面は、ファミリー層向けのマンションが次々と建っており、治安が悪いと感じた経験はありません。地域の方との交流も多く、安心して子育てできる環境です。

荒川区の子育て環境

子育て環境で注目したい2点を紹介します。

荒川区はとにかく公園が多く、区内には大小合わせて多くの公園があります。わが家の子どもが通う保育園からも、歩いて行ける範囲に何ヶ所もあるため、毎日違う公園に遊びに行くこともできます。

子どもたちが集まりやすい大きな公園といえば、荒川自然公園と汐入公園です。特に荒川自然公園は、アスレチックや野球場、テニスコートなどの設備が充実しています。大人も子どもも楽しめる公園で、夏季はプールに入れます。

私が気に入っているのは、自転車や足踏み式のゴーカートが借りられる“交通園”です。公園の敷地内に、本物そっくりの信号や横断歩道があり、遊びながら交通ルールを学べます。少しずつ乗り物にも慣れていけるので、安心して遊べます。

荒川自然公園の自然豊かな風景写真

施設名:荒川自然公園

所在地:荒川区荒川8-25-3

アクセス:東京さくらトラム 荒川二丁目 停留所 すぐ / コミュニティバスさくら 荒川自然公園入口 下車すぐ

荒川区は独自で「あらかわさんぽ」というアプリを配信していて、区内で観光できる公園やイベントなどの発信を行っています。

近年、子どもの利用する施設が新しくなり、きれいになったのもうれしいポイントです。たとえば、区営の遊園地である“あらかわ遊園”は、30年ぶりの大規模改修を行い、2022年4月にリニューアルオープンしました。

約40億円をかけてほとんどの遊具が一新された施設は、毎週末多くのファミリーで賑わっています。遊具のほかにも、動物と直接触れ合える“どうぶつ広場”には、アルパカやヤギ、ヒツジがいて、見ているだけでも癒やされます。わが家は子どもが動物好きなので、乗り物に乗っている時間よりも、“どうぶつ広場”にいる時間の方が長いです。

施設名:あらかわ遊園

所在地:荒川区西尾久6-35-11

アクセス:東京さくらトラム 荒川遊園地前 停留所 徒歩3分

また、2017年3月にオープンした、図書館・文学館・子どもひろばが一体になった“ゆいの森あらかわ”も、魅力的な施設です。図書館には約60万冊の蔵書と、約900席の座席があり、ゆっくり本と向き合えます。

子育て世帯にはうれしい絵本も3万冊あり、わが家でもお世話になっています。施設利用の際には、託児室で子どもを預けられるのも助かります(ただし利用には事前審査・登録のうえ、予約が必要)。

ゆいの森あらかわの建物写真

施設名:ゆいの森あらかわ

所在地:荒川区荒川2-50-1

アクセス:東京さくらトラム 荒川二丁目 停留所 徒歩1分

東京メトロ千代田線/京成線 町屋駅 徒歩8分

荒川区の住まい事情

荒川区の家賃事情はどうなっているでしょう。

私は独身時代、文京区の賃貸マンションに住んでいました。たとえば、現在わが家が住んでいる3LDKの間取りの場合、文京区の家賃相場は33.64万円、荒川区は24.52万円です。同じ23区内ですが、約10万円も安く住むことができます。

続いて、近隣の区と比較してみましょう。3LDKの間取りで、台東区の家賃相場は31.65万円、墨田区は25.20万円となっています。子育て環境が整備されている23区内であることを考えると、屈指の安さであることが分かります。

家賃参照元:LIFULL HOME'S家賃相場 東京都(2024年7月13日時点)

荒川区で子育て世帯に特におすすめしたいエリアを紹介します。

荒川区の子育て世帯におすすめエリア(1)南千住エリア

LaLaテラス南千住の外観

まずおすすめしたいのが、南千住エリアです。駅前が再開発されており、ショッピングモールの“LaLaテラス南千住”、医療モールを中心とした“BiVi南千住”、“ロイヤルホームセンター”などが1ヶ所に集まっていて、生活しやすいエリアとなっています。

JR常磐線、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスなど3線が乗り入れ、アクセスもよいです。

荒川区の子育て世帯におすすめエリア(2)荒川区役所前エリア

荒川区役所

東京さくらトラムの荒川区役所前エリアもおすすめです。私が住んでいるのはちょうどこの辺りで、区役所、警察署、消防署、郵便局が近く、安心感があります。スーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院も徒歩3分圏内にあるので、普段の生活にはまったく困りません。住宅街らしい静かさがあり、個人的にとても気に入っています。

荒川区は23区の中で家賃相場が安く、子育て支援も手厚いので、安心して住める街です。特に、初めてママになるという方には「あったら助かる」という制度が充実しているため、快適に暮らせるでしょう。東京都内へのお引越しを検討中の方は、ぜひ荒川区も候補に入れてみてください。

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