“地域危険度”ってどうやって測るの?

今回ご紹介するのは、平成25年に公表された「地震に関する地域危険度測定調査(第7回)」です。この調査では木造、鉄筋コンクリート造などの建物構造、建築年代、階数、棟数、建物用途ごとの火気等の使用状況、道路や公園の整備状況などをもとに危険性を測定しています。

この調査の特徴は、地震がいつどこで起きるのか分からないという前提のもと、特定の地震を想定するのではなく、各地域で同じ条件で地震が起こったと設定した上で危険度を測定していることです。つまりその地域の地盤や建物の特徴が分かるということになります。

危険度のランクは全町丁目の中でどの程度のランクに位置しているのかを測る相対評価となります。そのため、安全性が向上していても、他の地域の安全性がさらに向上している場合には、ランクが下がることもあります。

ランクの図

ワーストランキング上位の町はあの3つの区に集中

それでは第7回の「地震に関する地域危険度測定調査」の総合危険度ランキング ワースト20から見ていきましょう。建物倒壊危険度と、火災危険度の順位をもとに算出した総合危険度は、以下のようになりました。

総合危険度ランキング ワースト20
総合危険度ランキング ワースト20

ワースト1位は「荒川区町屋4丁目」となりました。2位は「足立区千住柳町」、3位は「墨田区京島3丁目」でした。

上位には荒川区、足立区、墨田区が並んでいます。地盤は沖積低地が並んでいます。沖積低地とは、形成された年代が新しく、主に海面下での堆積物でできているため、地震が起こった場合に揺れが増幅されやすい傾向にあると言われています。

1位の「荒川区町屋4丁目」は建物倒壊危険度では7位、火災危険度では3位といずれも危険度が高い順位にあったため、結果的に総合危険度で1位となりました。2位の「足立区千住柳町」は火災危険度が1位となっています。これは主に建物棟数密度が高いことが影響していると考えられます。3位の「墨田区京島3丁目」は建物倒壊危険度が4位、火災危険度が7位と、いずれも危険度が高い結果となりました。

これを地図で見てみると・・・、なんと危険度が高い場所と低い場所とある境界線で分かれる結果となりました。

地図で見る危険度の高いエリア

総合危険度ランクを地図で見てみましょう。すると、荒川、隅田川沿いの下町に危険度ランクの高いエリアが集中していることが分かりました。

この結果はあくまで地震の危険性を分かりやすく示すためにした指標であり、特定の地震を想定したものではありませんが、前もって地震に備えるためにしっかりと特徴を認識しておきましょう。

総合危険度ランキング 地図 (地震に関する地域危険度測定調査(第7回)より)
総合危険度ランキング 地図 (地震に関する地域危険度測定調査(第7回)より)

では危険度が低いのはどこ?

では一方で、危険度が低い町はどこになるのか、あわせてご紹介しておきましょう。同順位で6つの町が挙がりました。昭島市、立川市、稲城市、多摩市など、23区以外が多く並ぶ顔ぶれとなっています。

地盤は、沖積低地のほか、台地、丘陵も多く見られました。台地、丘陵は形成された年代が古く、比較的固い地盤のため、地震が起きた場合でも揺れが増幅されにくい傾向にあると言われています。

それでは危険度ランキングで順位の変動はありうるのでしょうか

総合危険度ランキング ベスト20
総合危険度ランキング ベスト20

前回よりも危険度が上がった町は・・・

前回よりも総合危険度の順位が下がり、危険度が上昇した町を紹介します。

1位は「北区赤羽南2丁目」で3533位から1567位へと順位が上昇しています。また2位、4位、5位に町田市がランクインしています。

順位の変動は大きいものの、ランクは1や2が多く、危険度はさほど高くないエリアとなっています。このランキングは相対評価となっていますので、他の町が努力すれば特に変わらなかった町は危険度が上がるということがありえます。常に進化し続けることが求められています。

前回よりも危険度が上がった町ランキング
前回よりも危険度が上がった町ランキング

危険度が下がった町

それでは前回よりも危険度が下がった町をご紹介しましょう。

1位は「品川区広町1丁目」で1936位から3767位となりました。「品川区広町1丁目」は建物倒壊危険度、火災危険度ともに危険度が下がっています。周囲を鉄道や目黒川に囲まれた工場の多い工業地ですが、地区計画が見直されています。2位は「足立区花畑6丁目」、3位は「武蔵野市吉祥寺東町4丁目」となりました。「足立区花畑6丁目」も建物倒壊危険度、火災危険度ともに危険度が下がりました。「武蔵野市吉祥寺東町4丁目」は建物倒壊危険度が791位から3123位へと大きく順位を下げています。

前回よりも危険度が下がった町ランキング
前回よりも危険度が下がった町ランキング

それでは最後に、ランク5からランク3へと順位が2つも改善した町をご紹介します。

ランク5から2つも改善した町とは!?

では危険度がランク5と高かった町の中で、総合危険度ランクに変動が見られた町をご紹介しましょう。

「豊島区長崎3丁目」はランク5からランク3へと大きく危険度を下げました。ランク5からランク4へと危険度を下げた町は18ありました。

ランク5から改善した市区町村
ランク5から改善した市区町村

「地震に関する地域危険度測定調査」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。地震が来ることを想定していなかったエリアで地震が起こることもありえます。そのため普段から私たちが住んでいる町を知り、もし何かあったらどこに逃げればいいのか、どのように住む場所を選ぶのか、参考のひとつとしてご覧いただければと思います。また、改善の余地があるということもこの調査の特徴と言えます。

この調査の詳細は 「地震に関する地域危険度測定調査」(第7回)(平成25年9月公表)にあります。

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出典元:
東京都都市整備局
「地震に関する地域危険度測定調査」(第7回)
「地震に関する地域危険度測定調査」(第6回)

※掲載中の各データは公表された情報を元にしています。

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