街の紹介記事は、どれも日中の情報ばかり。だけど、仕事が終わって帰ってくるのは大抵夜。その街で暮らす人にとっては街灯に照らされた街の姿もまた、思い出を刻む舞台となります。
夜、この街はどんな姿を見せるのか。ライターsiomoonが、実際に夜の吉祥寺を歩いてみました。時間が深まるにつれて移り行く、リアルな街の情景をお届けします。
この街に住みたい、この街に友達が住んでいる、一度も行ったことないけど面白そう…この記事に興味を持ったきっかけは、どんな理由でも構いません。あなたも一緒に、夜の散歩に出かけてみませんか。
筆者紹介:siomoon
夜歩きライター。千葉県住み。吉祥寺を訪れるのは3回目(ちゃんと歩くのは初めて)。吉祥寺のイメージは、古着とお好み焼き。
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今回歩く「吉祥寺」エリアを簡単に紹介

吉祥寺は、自然があり、駅前は商店街や飲食店が充実していて、必要なものはほぼすべて揃う“住みやすい街”として知られています。
都心へのアクセスも良く、JR中央線、総武線で新宿や東京まで1本。東京メトロ東西線も中央線に乗り入れており、京王井の頭線なら渋谷へも乗換なしで行けてとても便利です。
■エリア紹介
吉祥寺は、東西にまっすぐ伸びるJR中央線を境に、北と南でエリアが大きく分かれています。
【北】
吉祥寺北町
吉祥寺東町
吉祥寺本町
【南】
武蔵野市御殿山
吉祥寺南町
今回は、まず吉祥寺本町からスタートし、反時計回りに吉祥寺の全エリアを探索してみたいと思います。
忙しく行き交う人々とネオン輝く吉祥寺駅前
17:20 吉祥寺駅 北口(吉祥寺本町エリア)

すっかり日が暮れるのが早くなった11月上旬の17時20分頃。JR吉祥寺駅の北口(中央口)から街歩きスタートです。
大勢の人が辺りを行きかう中、まず目を引いたのは、ロータリーの真ん中に堂々とそびえるツリー型のイルミネーション。
これは吉祥寺イルミネーションといって、毎年冬になると駅の周辺を彩る恒例イベントとなっているそうです。
豆知識
吉祥寺駅以外にも三鷹駅、武蔵境駅の武蔵野市の3駅周辺で行われるため、“武蔵野イルミネーション”という名でも親しまれています。
人通りはとても多いのですが、周りを見渡しても写真を撮ったり、眺めている人は不思議といません。近づくことができないせいか、すでに見飽きてしまったのか…。
そんなイルミネーションのそばを、次から次へとたくさんのバスや人が通過していきます。
17:31 吉祥寺サンロード商店街の入り口前

ロータリーのそばには、多くの人で賑わう吉祥寺サンロード商店街(以下サンロード)があります。
北口を象徴するメインストリートのひとつで、駅前から五日市街道までアーケード街が約300m続き、約160店舗が軒を連ねます。
サンロードの入り口には、お菓子の専門店「おかしのまちおか」と「サンドラッグ」という仕事帰りについ寄りたくなる強力タッグが両脇を固めており、早くも吉祥寺という街の分厚さを感じさせてくれます。

そして、忘れてはならないのがサンロード横のもう1つのアーケード商店街、吉祥寺ダイヤ街(以下ダイヤ街)。
サンロードの隣で負けじと輝かんとする感じが妙に惹かれます。
せっかくなのでサンロードの前に、まずは手始めにダイヤ街から覗いてみたいと思います。
物件を探す 街の情報を見る歴史と気品を感じるダイヤ街
17:31 吉祥寺ダイヤ街 East zone

アーケードの中は、とても落ち着いた雰囲気。人はそれなりにいますが、ガヤガヤとうるさい感じはありません。
ダイヤ街は東(East zone)と西(West zone)、南(South zone)の3エリアに分かれており、駅のある東側からこのまままっすぐ西へ抜けると、東急百貨店の前に着きます。

1961年から続く歴史のある商店街ですが、シャッターの閉まっているお店はほとんどなく、脇道にもたくさんのお店が軒を連ねています。
17:33 塚田水産

ダイヤ街を歩いてすぐに目を引く、大きな黄色い看板のお店。こちらはおでん種やさつま揚げなどの練り物を扱う「塚田水産」です。創業は昭和25年という老舗。
店頭に掲げられた“吉祥寺揚げ”というのは、魚のすり身にパン粉をつけて揚げたもので、メンチカツの魚肉版のような感じです。
パーキングエリアとかにあるB級ご当地グルメっぽくて、絶対美味しそう…ですが、まだ歩き始めたばかりなのでガマンガマン。
飲み屋にグルメ! ディープなハーモニカ横丁
17:34 ハーモニカ横丁

「塚田水産」を後にし、ふと吉祥寺駅方向を見ると、細い脇道が。しかも、かなり奥まで続いています。
シャッターは下りていますが、両脇にびっしりと小さな飲食店が立ち並んだ不思議な光景を見て、ピンときました。
ここが、噂に聞くハーモニカ横丁か! 酒飲みにはたまらない場所が吉祥寺にもあると聞いていましたが、まさかダイヤ街のすぐ隣に広がっていたとは。
気になるので早速、ハーモニカ横丁の様子を見てみましょう。

ハーモニカ横丁の西側に位置する祥和会通りを進むと、少し開けた場所に出ました。
時刻はまだ17時半過ぎ。開いているお店はまだ少ないですが、すでに晩酌を始める先輩方の姿もちらほら。

戦後の闇市からスタートしたハーモニカ横丁。
残念ながら、当時の面影がどこにあるのかわかりませんが、ふと上を見上げ、やたら入り組んだ鉄骨を見ていると、何だかタイムスリップしたような気持ちになります。

17時台はまだ、ほとんどのお店がオープン前。
これから夜が更けるにつれて、どんどん賑やかになる前のつかの間の静寂。吉祥寺のこういう一面も貴重ですね。
17:40 スパ吉

ハーモニカ横丁の朝日通りをふらっと歩いていると、思わぬお店を発見。
「スパ吉」! こちらは、美味しいもの好きの間ではよく名前の挙がるパスタのお店で、まさかハーモニカ横丁の中にあったとは知りませんでした。
普段は行列ができるほど人気の店ですが、今は休憩タイム(平日16~18時の間)。
あと20分待てば、絶品と称される「スパ吉」の極旨ミートソースパスタを一番乗りで食べられるという誘惑にかられますが、歯を食いしばり、先に進みます。
⇒夜の街を歩く…吉祥寺「本町エリア」編【Vol.2】はこちら
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更新日: / 公開日:2018.12.26










