5人家族で世帯年収が700万円あると、ゆとりのある生活を想像しがちです。

しかし、家賃や教育費が負担となり、貯金が難しいと感じる家庭も多いでしょう。特に家賃は毎月の支出のなかでも多くの割合を占めるため、適正額を知ることが大切です。

そこでこの記事では、年収700万円の5人家族(夫婦+子ども3人)にとって無理のない家賃の目安と、暮らしやすい間取りの選び方を解説します。年収に応じた家賃の適正額を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ファミリー向け物件3LDKの物件4LDK以上の物件

ここでは、年収700万円の手取り額をもとに、無理のない家賃の目安について解説します。

年収700万円の世帯では、手取りの年収は540万円前後になります。月額に換算すると45万円程度です。

 

手取りとは、額面給与から所得税・住民税・健康保険料・年金保険料などが差し引かれた金額のことです。扶養家族の人数によって控除額は異なりますが、一般的には額面給与の約8割が手取りの目安とされています。

 

手取りのなかから食費や教育費、家賃などをまかなう必要があり、特に家賃は固定費のなかでも多くの割合を占める支出です。家計のバランスを保つには、手取りを基にした家賃設定が重要となります。

家賃は手取りの25%程度が適正とされています。

 

年収700万円の手取りは約540万円、月額に換算すると約45万円となるため、家賃の目安はおよそ11万円です。この範囲であれば、生活費や教育費を圧迫せず、貯蓄に充てる分も確保しやすくなります。

 

一方で、家賃が13万円を超えると手取りの約30%に達し、家計に余裕がなくなる可能性があります。貯蓄が思うようにできず、将来の選択肢が狭まってしまうこともあるでしょう。

 

また、賃貸物件は、管理費や更新料、駐車場代などが別途かかるケースが多いため、これらも住居費に含めて検討することがポイントになってきます。

 

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5人家族が快適に暮らすには、人数に合った広さだけでなく、ライフスタイルや子どもの年齢に応じた間取り選びが重要です。ここでは、間取りごとの特徴と、その間取りがどのような家庭に向いているかを詳しく解説します。

子どもがまだ小さいのであれば、3LDKが適した間取りといえます。幼児期であれば個室を与える必要がないため、部屋数が少なくても問題ありません。また、リビングと続き間になっている居室があれば、扉を開放してリビングを広く使うのもいいでしょう。そうなれば、家族全員で過ごす時間が自然と増えます。

 

たとえば、以下のような部屋の構成が考えられます。

  • 夫婦の寝室、あるいは家族全員の寝室

  • 子ども部屋

  • 多目的スペース(リビングとつなげるなど)

また、コンパクトな間取りは家賃を抑えやすく、固定費を軽減できる点も魅力です。貯蓄や子育ての時期を大切にしたい家庭には、コミュニケーションがとりやすく、かつ家賃を抑えやすい3LDKが現実的な選択肢となるでしょう。

家族それぞれのプライバシーを大切にしながら、つながりも保ちたい家庭には4LDKが向いています。部屋数が多く、親子それぞれが自分の空間を持ちやすいため、ストレスの少ない暮らしを実現できます。

 

たとえば、以下のような部屋の構成が考えられます。

  • 夫婦の寝室

  • 長男(長女)の個室

  • 次男(次女)と三男(三女)の共有部屋

  • 仕事部屋(またはフリースペース)

小学生以上の子どもがいる場合は、学習に集中できる静かな個室があることが望ましいです。個室があれば、将来的に子どもが成長しても対応できるため、長く快適に暮らしたい家庭に適した間取りといえるでしょう。

在宅ワークや趣味の時間を大切にしたい家庭には、5LDKが理想的です。部屋が5つあるため、それぞれの活動に合わせた空間を確保できます。

 

たとえば、以下のような部屋の構成が考えられます。

  • 夫婦の寝室
  • 子ども3人それぞれの個室
  • 仕事部屋または趣味部屋

夫婦ともに在宅勤務の場合でも、個別の仕事部屋があれば生活と仕事をしっかりと分けられ、集中しやすい環境が整います。また、各居室に収納スペースがあれば、各人専用の収納を確保できるため、荷物が多い家庭には大きなメリットです。

 

家賃はやや高くなる傾向にありますが、暮らしの快適さや精神的なゆとりを重視する家庭は5LDKも検討してみてもよいでしょう。

年収700万円は、単身であればゆとりある生活が可能です。しかし、5人家族では毎月の支出が多く、余裕を感じにくいこともあるでしょう。特に、教育費や住居費が家計を圧迫しやすいため、計画的な支出管理が求められます。

 

総務省の「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)」によると、世帯年収650万~700万円の家庭における月間の平均支出は、以下のように示されています。

 

なお、同データでは持家率が高いことから、ここでは住居費を除いてまとめています。

用途分類

月額支出

食料

8万4,588円

光熱・水道

2万2,683円

家具・家事用品

1万3,911円

被服・履物

9,882円

保健医療

1万4,872円

交通・通信

4万5,834円

教育

1万2,302円

教養娯楽

2万7,981円

その他の消費支出

5万4,531円

合計

28万6,584円

引用:総務省|家計調査

 

賃貸に住んでいる場合は、上記の金額に家賃(管理費等含む)を加えた金額が毎月の支出額となります。家賃を含めれば、日常の支出だけで40万円を超えることもあり、手取り収入の大部分が消えてしまう可能性もあります。貯蓄やレジャー費に余裕を持たせるには、家賃やその他の生活費を見直し、無駄を減らす工夫が求められるでしょう。

 

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5人家族が住まいを選ぶ際には、「持ち家」と「賃貸」のどちらが自分たちの生活に合っているかを慎重に検討することが大切です。子どもの成長や家族構成の変化、将来の働き方などによって適切な住まいは異なります。

 

ここでは、それぞれに向いている人(家庭)の特徴や、考慮すべきポイントを具体的に解説します。

持ち家が向いている人の特徴は、以下のとおりです。

  • 同じ地域に長く住みたい

  • 老後の住居費をできるだけ抑えたい

  • 子どもの教育環境を変えたくない

  • 住宅ローンを組めるだけの安定した収入がある

家族の暮らしを安定させたいと考える家庭には、持ち家という選択が適しています。

 

住宅を購入すれば、将来的に家賃の支払いが不要となり、老後の住居費を抑えることにつながります。住まいが定まれば子どもの学区も固定されるため、転校の心配もなくなります。

 

また、年収700万円で収入が安定していれば、無理のない返済計画で住宅ローンを組み、3~4LDKの一戸建てやマンションを購入することも十分に可能です。資産としての価値が残る点も含めて、長期的な住まいの安定を重視する方にとって、持ち家は有力な選択肢といえます。

賃貸が向いている人の特徴は、以下のとおりです。

  • 転勤や引越しの予定がある

  • 住宅ローンが負担に感じる

  • 初期費用をできるだけ抑えたい

  • 修繕やメンテナンスの手間をかけたくない

住環境に変化が生じやすい家庭にとっては、賃貸住宅の方が柔軟性に優れ、負担が少ないでしょう。

 

たとえば、今後数年で勤務地の異動や子どもの進学、親の介護などによって住み替えの必要がある場合、賃貸であれば状況に応じて移り住むことが可能です。

 

また、住宅購入時に必要となる頭金や登記費用などの初期費用が不要で、修繕や設備の管理も基本的には大家や管理会社が対応してくれます。そのため、経済面と手間の両面で負担を抑えられるでしょう。

 

将来の変化に備えて、住まいを柔軟に選び続けたい方にとっては、賃貸が現実的で安心感のある選択肢といえます。

年収700万円の5人家族にとって、無理のない家賃設定やライフスタイルに合った間取りの物件に住むことは、日々の暮らしの安定に大きく影響します。持ち家と賃貸には、それぞれ異なるメリットがあるため、自分たちの将来設計や家族の状況に合わせて判断することが大切です。

 

また、教育費・光熱費・保険料など、家賃以外に毎月かかる固定費が多くあるので、住居費だけに予算をかけすぎないように注意することも大切です。

 

具体的な物件を探す際には、LIFULL HOME’Sを活用し、エリアや予算、間取りの条件を整理したうえで比較・検討してみてはいかがでしょうか。

 

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