賃貸住宅では、隣の人や周囲への音漏れが気になるため、防音室を導入したいと考える方もいるでしょう。しかし、防音室の設置が契約内容によって制限されることがあり、さらに設置にかかる費用や手間が予想以上に大きい場合もあります。このようなトラブルを避けるためにも、防音室の設置に関する注意点をしっかり把握しておくことが重要です。
この記事では、賃貸住宅で防音室を設置する際のメリットや費用の相場、注意すべきポイントについて解説します。併せて、賃貸でも設置可能な防音室のタイプも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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賃貸で防音室を設置するメリット

楽器演奏や歌などの趣味を持つ人にとって、防音室は周囲に気をつかうことなく思う存分楽しめる点がメリットです。高性能な防音室であれば、まるでスタジオやカラオケルームにいるかのように、室内で快適に演奏や歌の練習ができるでしょう。
さらに、防音室は外部からの音も遮断するため、読書や勉強、ワークスペース、動画配信の場としても利用できます。このように、防音室は設置の手軽さとさまざまな用途で活用できる点が大きな魅力です。
近年ではDIYの必要がない、簡単に設置できるタイプの防音室も増えています。壁や床に加工を必要としないタイプであれば、賃貸住宅でも設置が可能です。
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賃貸で防音室を設置するのに必要な費用は?

防音室の設置費用は、遮音性能や設置する部屋の広さによって大きく異なりますが、簡易的なものであれば10万円程度から設置可能な場合があります。本格的な遮音性能を求める場合は、数十万円から数百万円かかるケースが多いでしょう。
また、組み立て式かレンタル式かによっても費用は異なります。たとえばレンタル式の場合、0.8畳の防音室が1ヶ月当たり約1万5,000円で借りられることがあります。設置するメーカーの工事費用、部屋の形状、階層によっても費用が異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
防音室選びで失敗しないポイント

防音室は、広ければ良いというものではありません。設置する部屋の広さや用途に合った適切な大きさ、そして設置や撤去のしやすさも重要なポイントとなります。この章では、防音室選びで失敗しないポイントを2つ解説します。
必要な遮音レベルや広さを考慮して選ぶ
防音室に求める遮音レベル(音をはね返して遮断するレベル)と広さは、音の大きさや種類によって異なります。たとえば、楽器演奏を目的とする場合、楽器の種類に応じた広さの目安は、以下のとおりです。
演奏する楽器の種類 | 防音室サイズの目安 |
|---|---|
歌の練習 クラリネット オーボエ、ウクレレ | 0.8畳 |
サックス ギター バイオリン | 1.2~1.5畳 |
トロンボーン アップライトピアノ | 2~3畳 |
グランドピアノ | 3~5畳 |
C7以上のグランドピアノ | 5畳以上 |
楽器演奏に加えて、在宅ワークなどほかの用途にも使用したい場合は、作業スペースも考慮して1.5畳以上の広さを検討するといいでしょう。グランドピアノはシリーズによってサイズが大きく異なり、たとえばC7シリーズ(155×227cm)の場合、5畳以上の広さが必要となります。
さらに、音の周波数帯と遮音等級を合わせることも重要です。部屋の広さが十分でも、遮音等級が低い場合は、音が漏れてしまう可能性があります。必要な面積と遮音レベルについては専門業者に相談すると安心でしょう。
設置や撤去がスムーズに行えるものを選ぶ
防音室の設置や撤去には、規模が大きくなるほど時間と費用がかかります。そのため、入居日や退去日に間に合わず、大家さんとのトラブルに発展するケースも少なくありません。
このような失敗を避けるため、簡易的に設置できてスムーズに撤去可能な防音室を選ぶことが重要です。特にレンタル式の防音室は、施工期間が短く済むことが多いため、入居後すぐに使いたい人や、急な引っ越しの可能性がある人に向いています。
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賃貸物件で設置可能な防音室タイプ

一戸建て住宅と比べて賃貸住宅は、設置できる防音室の種類が限られています。一般的に賃貸住宅で設置可能な防音室には、「ユニットタイプ」と「レンタルタイプ」があります。この章では、それぞれの特徴について詳しく解説するので、防音室選びの参考にしてください。
ユニットタイプの防音室
ユニットタイプは、遮音性の高いパネルを組み合わせることで、防音空間をつくる組み立て式の防音室です。壁や床、窓、ドアなど部屋全体を覆うように設置するため、高い遮音性能が期待できます。
2日前後で設置・撤去が完了するため、引越しが多い方でも安心です。また、音源や部屋の形状に合わせて、仕様や形をカスタマイズできる点も魅力です。
ただし、ユニットタイプは数十万円の初期投資が必要な場合が多いため、自分の好みに合わせた防音室をつくりたい方や、長期間使用する予定のある方に向いているといえます。
レンタルタイプの防音室
レンタルタイプは、楽器演奏や歌の練習、録音作業などに適した本格的なタイプの防音室です。本体を購入する必要がなく、月々のレンタル料を支払うだけで利用できるため、ユニットタイプに比べて費用を抑えられる場合があります。特に、短期間だけ利用したい場合や、初期費用を抑えたい場合に向いているでしょう。
また、レンタルタイプは短期間で手軽に設置でき、ユニットタイプと同様、必要なくなった際にはすぐに撤去が可能です。そのため、短期間の音楽レッスンや音楽イベント前の集中練習など、一定期間の防音環境が必要な場合でも、無駄なく使用できます。
いきなり防音室を購入することに抵抗がある人は、まずはレンタルタイプで試してみてから、ユニットタイプの購入を検討するのもいいでしょう。
防音室の設置に大家さんの許可は必要?
賃貸住宅に防音室を設置する際は、必ず大家さんの許可を得るようにしましょう。
民法では「用法順守義務」が定められており、入居者は賃貸借契約の内容に従って部屋を使用する義務があります。防音室の設置は、日常生活に必要な工事とは認められないため、契約内容によっては、大家さんの許可なしに設置することができません。
もし無断で設置した場合、たとえ費用を負担して設置した防音室であっても、撤去を要求される可能性があります。また、壁紙や床にキズがついた場合は、原状回復の責任を問われる可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、防音室の設置を検討する際は、まず大家さんに相談し、理解と許可を得ることが大切です。
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まとめ

賃貸住宅では、騒音トラブルといった深刻な問題に発展する可能性があるため、音が室外に漏れないよう配慮する必要があります。しかし、音漏れを気にしながらの生活はストレスとなり、楽器の演奏や歌も楽しめないでしょう。
防音室は、周囲への音漏れを気にせず、楽器演奏や歌、在宅ワークなどを快適に楽しむための有効な手段です。近年では、賃貸住宅でも設置しやすい、組み立て式の防音室やレンタルサービスも充実しています。遮音レベルや広さを考慮し、自分の目的に合ったものを選びましょう。
防音室の設置を検討する際は、大家さんの許可を得ることが大切です。自身のライフスタイルやニーズに合った防音室を選び、心置きなく趣味や仕事に打ち込みましょう。
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