二人暮らしを始めると、一人暮らしのときよりも電気代が高くなり、家計に負担を感じることがあるでしょう。電気代を節約するためには、こまめな消灯やコンセントの抜き差しが基本として思い浮かびますが、実は「契約アンペア数」を見直すだけで、意外にも簡単に電気代を削減できることをご存じでしょうか。

今回は契約アンペアの基礎知識や確認の方法、契約変更の仕方を紹介します。この記事を読むことで、契約アンペア数を見直す方法が分かり、無駄な電力を削減して電気代を効率的に節約できるようになるでしょう。
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アンペアとは、電流の強さを表す単位のことで、アルファベットの「A」で表記されます。家庭内にどれだけの電流を流せるかを表しており、数値が大きいほど多くの家電を同時に使用できます(アンペア数は消費電力(W)÷電圧(V)で計算できます)。

 

たとえば、一人暮らし用の部屋で二人暮らしを始めた場合、家電の使用頻度が増えるため、以前は問題なかった電力容量では足りなくなることがあります。その結果、ブレーカーが頻繁に落ちてしまう現象が発生するでしょう。これが「アンペア不足」による現象です。

 

しかし、契約しているアンペア数を増やすと電気代も上がってしまうため、快適な生活を維持しつつ電気代を抑えるには、ライフスタイルに合ったアンペア数に調整することがポイントとなります。

 

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二人暮らしに最適なアンペア数は、使用する家電の種類や電力会社の契約内容によって異なります。一般的に30アンペアから40アンペアが平均とされ、エアコンや冷蔵庫など、生活に必要な家電を使用するには十分な容量です。ちなみに一人暮らしの場合は、20~30アンペアで契約するケースが多いようです。

 

ただし、電子レンジやドライヤーなど、消費電力の大きい家電を同時に使用すると、瞬間的に電力が不足し、ブレーカーが落ちてしまうことがあります。朝の忙しい時間帯や料理中にブレーカーが落ちてしまうと、日常生活に支障をきたす可能性もあります。頻繁にブレーカーが落ちる場合は、アンペア数と契約内容の見直しを検討しましょう。

主な家電製品のアンペア数の目安は、以下のとおりです。

家電製品

アンペア数の目安

照明

1アンペア

テレビ

3アンペア

冷蔵庫(400L)

3アンペア

洗濯機

3アンペア

こたつ

5アンペア

エアコン(通常時:冷房)

6アンペア

エアコン(通常時:暖房)

7アンペア

電気カーペット

8アンペア

掃除機

10アンペア

電気ストーブ

10アンペア

電気ケトル

11アンペア

ドライヤー

12アンペア

食器洗い乾燥機

13アンペア

アイロン

14アンペア

炊飯器

14アンペア

IHクッキングヒーター

14アンペア

電子レンジ

15アンペア

たとえば30アンペア数で契約している場合、部屋に電気をつけた状態(1アンペア)で、電子レンジ(15アンペア)とIHクッキングヒーター(14アンペア)を同時に使用するとブレーカーが落ちる可能性があります。

 

冬は暖房器具を使うことが多く、たとえばエアコンの暖房(7アンペア)や、電気ストーブ(10アンペア)、電気カーペット(8アンペア)がよく使用されます。これらの家電を同時に使うと、30アンペアでは足りなくなることもあるでしょう。

 

このように、各家電のアンペア数をおおまかに把握しておくことが、アンペア数の契約を見直しするうえで大切なポイントといえます。

電力会社との契約アンペア数が大きくなればなるほど、基本料金も高くなります。電気代が高いと感じている方は、契約内容を見直してみましょう。例として、東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」プランの基本料金は、以下のとおりです(2025年1月時点)。

アンペア数

基本料金

10アンペア

311円75銭

15アンペア

467円63銭

20アンペア

623円50銭

30アンペア

935円25銭

40アンペア

1,247円00銭

50アンペア

1,558円75銭

60アンペア

1,870円50銭

平均的な二人暮らしのアンペア数である30アンペアと40アンペアの場合、基本料金はそれぞれ935円25銭と1,247円です。しかし、50アンペアになると1,558円75銭となります。

 

このように、30アンペアと50アンペアでは、電気を使わない生活をしていたとしても基本料金に大きな差があることが分かります。このことからも、最適な電気料金を設定するには、自分たちのライフスタイルや家電の使用頻度に合った契約アンペア数を選ぶことが重要といえるでしょう。

契約アンペア数は、電力会社のマイページにログインして確認する方法と、自宅の分電盤で確認する方法があります。

 

分電盤は、玄関や、洗面室、寝室等の天井付近に設置されていることが多いでしょう。分電盤のアンペア数の表記は、電力会社によって異なる色で表示されます。以下は、東京電力、中部電力、九州電力のカラーガイドです。

アンペア数

10

15

20

30

40

50

60

東京電力

中部電力

紫・緑

灰・黒

九州電力

なお、検針票や請求書が郵送されている場合、書面でも契約アンペア数を確認できます。

 

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契約アンペア数を下げることで電気代を抑えられますが、電気を自由に使えない状態になるのはストレスでしょう。

 

この章では、快適な生活を維持しながらアンペア数を抑えるためのポイントについて解説します。これから二人暮らしを始める方や、今の電気代が高いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

夏と冬は、エアコンやこたつなど生活にかかせない家電を使う季節であるため、電気代が高くなる傾向にあります。そのため、この季節でどのくらいの電気を使用しているのかを把握することが重要です。ピーク時の使用量を把握しておくことで、その時の電力消費を参考に適切な契約アンペア数を選択できます。

 

ただし、家電製品のアンペア数はあくまでも目安です。長年使用している家電は、表示以上の電力を消費している場合もあります。その際は、最新の家電への買い替えも検討しましょう。

ブレーカーが落ちないようにするためには、同時に使用する家電の数を減らすことが効果的です。特に電子レンジやIHヒーター、アイロンなどは高いアンペア数を必要とするため、同時に使わない工夫をするだけで契約アンペア数を減らせるでしょう。

 

たとえば、電子レンジで加熱している間はIHヒーターでの調理を中断する、料理中はテレビを見ない、お風呂に入るときは照明を消すなど、意識的に同時使用を避ける習慣をつけることが大切です。電気ケトルや炊飯器など、タイマー機能がついている家電は、タイマーを使って自動的に電源が切れるように設定するのも効果的でしょう。

 

まずは、日頃から同時使用する家電製品をリストアップしてみましょう。そのうえで、消費電力の高い家電を同時使用しないようにルールを決めるのがおすすめです。

契約アンペア数の変更方法は電力会社によって異なりますが、一般的には電話、FAX、メール、またはWeb上の「マイページ」等から手続きできます。

 

ただし、電力会社によっては1年契約などの契約期間があり、契約期間中のアンペア数の変更ができない場合や、手数料が発生する場合があります。契約を変更する前に、変更可能な時期や手数料について確認しておきましょう。

 

なお、契約変更の際にはお客様番号が必要になります。事前に確認しておくとスムーズに手続きが進みます。

二人暮らしの電気代を抑えるには、電力会社との契約アンペア数を見直し、最適な状態にすることも効果的です。そのためには、各家電のアンペア数を確認し、高いアンペア数が必要な家電を同時に使用しないようにルールを設定するといいでしょう。

 

電子レンジやドライヤーを使う時間帯をずらしたりするなど、ちょっとした工夫で電気使用量はぐっと抑えられます。この工夫で節約できた分を、食事など二人の思い出づくりに活用すれば楽しさも増し、きっと節約のモチベーションにもつながることでしょう。

 

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