一人暮らしで毎日湯船に浸かりたいと考えていても、気になるのが毎月のガス代です。浴槽にお湯を張る場合とシャワーだけで済ませる場合では、使用する湯量や時間によって費用が変わります。
また、同じ量のお湯を使っても、都市ガスかLPガス(プロパンガス)かによって、ガス代は異なるものです。この記事では、2026年6月時点の料金データをもとに、お風呂1回当たりのガス代やシャワーとの違い、日常で取り組みやすい節約方法を解説します。
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お風呂に1回入ったときのガス代

お風呂で使うガス代は、契約しているガスの種類や料金体系、使用するお湯の量、水温と設定温度の差によって決まります。まずは、都市ガスとLPガスの料金の違いを確認したうえで、浴槽に1回お湯を張る場合の目安を見ていきましょう。
都市ガスとプロパンガスの比較
一般財団法人日本エネルギー経済研究所・石油情報センターが公表する「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報」によると、2026年6月30日時点の全国平均価格は、5m3使用時が5,908円、10m3使用時が9,662円です。
いずれも基本料金と消費税を含む金額で、5m3使用時と10m3使用時の差額から計算すると、使用量が1m3増えた場合の料金差は約750.8円となります。一方、東京ガスの東京地区等における2026年6月検針分の一般契約料金は、月20m3までの場合、基本料金が759円、調整単位料金が1m3当たり172.04円です。
ここで、LPガスを月5m3使用するケースと、熱量がおおむね同等となる都市ガスを月11m3使用するケースを比べると、LPガスは5,908円、都市ガスは約2,651円です。実際の料金は、地域や事業者、契約プランなどによって異なりますが、一般にLPガスのほうが都市ガスより高くなりやすい傾向があります。
なお、LPガスの調査価格は基本料金を含む総額です。一方、都市ガスは原料費調整制度によって、原料価格の変動が従量料金単価に反映されます。単純に1m3当たりの単価だけを比べるのではなく、基本料金を含めた月額料金や、同じ熱量を得るために必要な使用量、契約地域の料金表を合わせて確認することが重要です。
賃貸物件のLPガスは入居者が事業者を自由に変更できないケースも多いため、内見や契約前に料金表を確認しておくと、入居後の想定外の負担を避けやすくなります。物件を選ぶ際、特に毎日湯船に浸かる場合は、家賃だけでなく、利用できるガスの種類や給湯にかかる費用も含めて、毎月の負担額を比較しましょう。
お風呂1回当たりのガス代
一般的な浴槽を200Lとし、10度の水を45度まで温める場合を考えてみましょう。給湯効率を90%、都市ガスの発熱量を1万750kcal/m3、LPガスの発熱量を2万4,000kcal/m3として試算すると、ガス代の目安は次のとおりです。
ガスの種別 | 1回のガス代 | 30日間の従量相当額 |
|---|---|---|
都市ガス | 約124円 | 約3,734円 |
LPガス | 約243円 | 約7,299円 |
※試算式:必要熱量÷(発熱量×給湯効率)×1m3当たりの料金。都市ガスは2026年6月検針分の調整単位料金172.04円/m3、LPガスは同月の全国平均価格から算出した従量部分750.8円/m3を使用しています。基本料金、水道代、追いだき、浴室内で使うシャワーの費用は含みません。
毎日30日間、同じ条件で浴槽にお湯を張ると、入浴に使う従量相当額だけで都市ガスは約3,734円、LPガスは約7,299円となります。さらに基本料金や料理などで使うガス代が加わるため、実際の請求額はこれより高くなるでしょう。
また、水道水の温度が低い冬は、同じ45度まで温めるために必要なエネルギーが増え、ガス代も高くなります。ガス代は、湯量が多いほど、また水温と設定温度の差が大きいほど増えていきます。
例えば、10度の水を使う場合でも、浴槽の湯量を200Lから180Lに減らし、設定温度を45度から40度へ下げると、1回当たりの目安は都市ガスで約96円、LPガスで約188円です。200L・45度の条件と比べると、1回につき都市ガスで約28円、LPガスで約55円を抑えられ、30日ではそれぞれ約840円、約1,650円の差になります。
お風呂のガス代は、1回ごとの金額をみると小さな差に感じるかもしれません。ですが、毎日の積み重ねによって月々の支払額に影響します。体調や季節に合わせて湯量や温度を調整する、追いだきを減らすなど、無理なく続けられる方法を取り入れましょう。
お風呂とシャワーのガス代の違い

シャワーは1分間に約12Lのお湯を使うものとして、10度の水を45度まで温める条件で試算します。使用時間ごとのガス代の目安は以下のとおりです。
使用時間 | 使用湯量 | 都市ガス | LPガス |
|---|---|---|---|
5分間 | 60L | 約37円 | 約73円 |
10分間 | 120L | 約75円 | 約146円 |
15分間 | 180L | 約112円 | 約219円 |
20分間 | 240L | 約149円 | 約292円 |
浴槽に200Lのお湯を張る場合のガス代は都市ガスで約124円、LPガスで約243円です。そのため、シャワーが15分程度までであれば、同じ温度条件では浴槽にお湯を張るよりも安くなります。
一方、シャワーを20分間使うと湯量が240Lになるため、都市ガス・LPガスのどちらでも浴槽にお湯を張るより高くなります。ただし、夏場など水温が20度の場合、200Lを45度まで温める費用は都市ガスで約89円、LPガスで約174円です。この条件では、10度の水を使う15分間のシャワーより、浴槽にお湯を張るほうが安くなる計算です。
つまり、「シャワーなら必ず安い」とは限りません。短時間で済ませられるならシャワー、長く浴びて使用する湯量が多くなる場合は、適量をためた浴槽のほうが費用を抑えられることがあります。節約するには、入浴方法だけでなく、使う湯量と時間を意識することが重要です。
なお、ここで示した金額はガス代のみであり、水道代は含みません。浴槽はためる湯量、シャワーは使用時間や水量に応じて水道代も変わります。
監修者より
一人暮らしの場合は、自分の生活リズムに合わせて入浴方法を選べるため、毎日の使い方を少し見直すだけで節約につながります。たとえば、あまり汗をかかなかった日や暑い日はシャワーで短時間に済ませる、ゆっくり体を温めたい日は湯船につかるなど、目的に応じて使い分けるのもひとつの方法です。また、節水型シャワーヘッドを利用する、体や髪を洗っている間はこまめに止めるなど、流しっぱなしを防ぐ工夫をすれば、ガス代と水道代の両方を抑えやすくなるでしょう。
ガス代を節約する3つのコツ

ガス代を節約するために、日常生活で実践できるコツを紹介します。
浴槽のお湯を少なめにする
浴槽にためるお湯の量が増えるほど、ガスの使用量も増え、ガス代が高くなります。逆に、お湯を少なめにすればガス代の節約につながります。
夏場の暑い時期は、お湯を少なめにしても、十分に体を温められるでしょう。使用するお湯を減らすことで、ガス代だけでなく水道代の節約にもつながります。
夏場はお湯の温度を低く設定する
お湯の設定温度が高いほど、水温との差が大きくなり、ガス代が多くかかります。気温が高い夏場は、使用するお湯の量を少なめにするだけでなく、温度を低めに設定してみるといいでしょう。
ただし、いきなり温度を下げてしまうと体調に悪影響を及ぼす恐れがあるので、徐々に下げてみてください。1~2度お湯の温度を下げるだけでも、ガス代の節約につながります。
お風呂が沸いたらすぐに入る
お風呂を沸かしたら、できるだけ早めに入りましょう。お湯が冷めてしまうと追いだき機能を使うことになり、ガス代が余計にかかってしまいます。
一人暮らしの場合は同居人の生活リズムを気にする必要がないので、入る時間を決めてからお風呂を沸かしましょう。
都市ガス・プロパンガスの注意点

都市ガスとプロパンガスには、それぞれ料金以外にもいくつか注意しておくべきポイントがあります。都市ガスは利用できるエリアが限られており、地域によってはプロパンガスからの切り替えができない場合があります。
また、賃貸物件は入居者が自由にガスの種類を変更するのが難しいので、物件探しの段階で注意しましょう。
特に、もともと都市ガスの部屋に住んでいた場合は、使用していたコンロは都市ガス対応のため、プロパンガスの部屋へ引越す際には買い替えが必要です。
プロパンガスの部屋から都市ガスの部屋に引越しをする際も同様に買い替えの手間やコストがかかるので、ガスの種類は見落とさないように気をつけましょう。
監修者より
LPガスと都市ガスは、災害時の復旧方法にも違いがあります。LPガスは各家庭に設置されたボンベから供給されるため、災害時でも個別に点検を行いながら、比較的早めの復旧が可能です。一方、都市ガスは地下のガス導管を通じて広範囲に供給されるため、地域全体で復旧作業を進める必要があります。
よくある質問
最後に、一人暮らしのお風呂とガス代について、よくある疑問をQ&A形式で確認しておきましょう。
Q1:お風呂を1回沸かすと、どれくらいガス代がかかりますか?
A:200Lの水を10度から45度まで温める場合、都市ガスは約124円、LPガスは約243円が目安です。毎日30日間入浴すると、従量相当額は都市ガスで約3,734円、LPガスで約7,299円となります。実際の請求額には、基本料金や料理などで使用したガス代も含まれます。
Q2:お風呂とシャワーでは、どちらのガス代が安いですか?
A:15分程度までのシャワーであれば、浴槽に200Lのお湯を張るより安くなる場合があります。ただし、20分間使用すると湯量が約240Lとなり、浴槽にお湯を張るより高くなる試算です。水温や設定温度によっても変わるため、シャワーの時間と湯量で判断しましょう。
Q3:ガス代を節約するには、何をすればよいですか?
A:浴槽に張るお湯を必要以上に増やさない、夏場は無理のない範囲で設定温度を下げる、お湯が沸いたら早めに入浴して追いだきを減らす、シャワーは流しっぱなしにしないことが基本です。物件を選ぶ段階で、利用できるガスの種類と料金体系を確認しましょう。
Q4:お風呂のガス代は夏と冬でどのくらい違いますか?
A:水温10度と25度を比べると、200Lを45度まで温める費用は、都市ガスで約124円から約71円、LPガスで約243円から約139円へ下がる試算です。水温が10度の場合は、水温25度の時期と比べて約1.75倍の費用がかかる計算になります。
Q5:一人暮らしのガス代が急に高くなった場合、何を確認すればよいですか?
A:検針期間と使用量、給湯温度、シャワー時間、追いだき回数、単位料金の変化を確認しましょう。都市ガスの場合は、原料費調整制度によって従量料金単価が月ごとに調整されます。前月と生活状況が変わらないのに使用量が大幅に増えている場合や、ガス臭などの異常がある場合は、ガス会社へ連絡してください。
Q6:追いだきとお湯の入れ直しは、どちらが安いですか?
A:浴槽に十分な量のお湯が残っていて、温度がそれほど下がっていなければ、一般的に追いだきのほうが水道代もかからず、費用を抑えやすい傾向があります。一方で、お湯が冷めきっている、残り湯が少ない、衛生面が気になる合は、入れ直したほうが適している場合もあります。
Q7:賃貸物件を探すとき、ガス代について何を確認すればよいですか?
A:都市ガスかLPガスかに加え、LPガスの場合は基本料金と従量単価を確認しましょう。毎日湯船に浸かる人は給湯によるガスの使用量が増えやすいため、家賃の差だけで判断せず、毎月の光熱費を含めた総額で比較することが大切です。
更新日: / 公開日:2023.12.12










