一人暮らしを始めるにあたって、生活インフラのひとつであるガスの料金が気になる人も多いのではないでしょうか。

ガス代は高いというイメージがあるかもしれませんが、季節やガスの種類によって料金は異なります。そのため、1ヶ月にどのくらいのガス代がかかるのかを把握したうえで、ライフスタイルに応じた物件を選んでみましょう。

この記事では、一人暮らしにおけるガス代の平均額や都市ガス・プロパンガス(LPガス)の違いなどを解説します。

賃貸物件を探す都市ガスが使える物件

 

総務省が公表している2022年「家計調査」によれば、単身世帯のガス代は1ヶ月当たり3,331円となっています。

 

この金額は都市ガス、プロパンガスの区別をしておらず、あくまで平均であるため、契約しているガスの種類やプラン、持ち家と借家、住んでいる地域や季節などによって料金は異なります。

 

また、冬場は特に暖房器具や給湯などでガスを使う機会が増えることから、ガス代は高くなる傾向にあるといえるでしょう。

 

賃貸物件を探す 都市ガスが使える物件

 

部屋探しを行うときは、ガスの種類にも目を向けておく必要があります。都市ガスとプロパンガスでは仕組みや料金設定に違いがあるためです。

 

都市ガスは地下の導管を通じてガスが供給されるため、多くの利用者を対象とした都市部を中心に設けられています。

 

一方で、プロパンガスはガスボンベさえ設置すればどこでもガスを供給できるので、人口の少ないエリアでも利用可能です。

 

また、火力の面では発熱量の高いプロパンガスの方がエネルギー効率はよく、火力も強いのが特徴です。

 

ただし、一般家庭向けの都市ガス用のコンロは、プロパンガス用のコンロよりも多くのガスが放出される仕組みになっているので、実際に使用するときに火力の違いを感じることはほとんどありません。

 

ガス料金は、毎月の使用量や契約しているプランによって異なります。また、電気料金などとセットにすることで割引になるキャンペーンなども展開されているため、一概に都市ガスとプロパンガスの金額を比較することはできません。

 

ただ、一般的には都市ガスよりもプロパンガスの方が高くなる傾向があります。その理由は、プロパンガスは運送コストなどの経費が都市ガスよりもかかりやすいためです。

 

一般財団法人・日本エネルギー経済研究所が公表している「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)」のデータによれば、2023年8月時点の全国平均価格は、基本料金が2,000円前後です。

 

従量料金(使用量に応じて発生する料金)については、「5m3で5,471円」「10m3で8,910円」となっています。一人暮らしのガスの平均使用量は1ヶ月5m3程度(プロパンガスの場合)なので、基本料金を含めた1ヶ月のプロパンガス代の目安は7,500円前後です。

 

一方、都市ガスの場合、東京ガスを例にすると、2023年10月時点で毎月の基本料金が759円、基準単位料金は1m3当たり約145円です。

 

都市ガスを毎月11m3(LPガスの熱量は都市ガスの約2.2倍であるため、「5m3×2.2=11m3」として計算)使用したとして試算すると、基本料金を含めた1ヶ月の都市ガス代は2,354円程度となります。

 

あくまで一例ではありますが、両者を比較すると、プロパンガスは都市ガスよりも割高であることが分かります。

 

入居してからガスの種類を変更するのは難しいため、入居前にどちらのガスを選ぶのかをよく検討しておきましょう。

 

都市ガスに比べて、プロパンガスは料金が高くなる傾向にありますが、どのような場所でも都市ガスを選べるわけではありません。

 

都市ガスは地下の導管を伝って供給されるため、導入コストがかかってしまい、多数の利用者がいなければ費用を回収することができません。そのため、住居数の多い都市部を中心に利用されています。

 

一方、プロパンガスはガスボンベを運べばどこでも供給できるので、人口の少ないエリアや住居ごとの距離が離れている地方でも利用できます。住む予定の地域が都市ガスに対応しているかどうかも、部屋探しのときにはチェックしてみてください。

 

賃貸物件を探す 都市ガスが使える物件

 

ガス代が高いと感じやすい原因はガスの種類だけでなく、日頃の使い方も影響します。たとえば、次の点に該当するような場合は、毎月のガス代が高くなりやすいでしょう。

  • シャワーやお風呂でお湯を使いすぎる
  • 料理や洗い物でお湯を利用する

  • ガス会社の料金プランが高い

それぞれの点について解説します。

 

ガス代は基本料金のほかに、使用量に応じた従量課金となる仕組みなので、当然ながらガスを使いすぎれば料金は高くなります。

 

よくある原因のひとつとして、シャワーやお風呂でガスを使いすぎてしまうことが挙げられます。シャワーを出しっぱなしにすると、ガス代が高くなり水道代も無駄にかかってしまうので注意が必要です。

 

シャワーヘッドを節水対応や手元のボタンでお湯を止められるタイプにすれば、ガス代を削減できるでしょう。シャワー時間を短くする、設定温度を下げるといった方法も節約につながります。

 

また、追いだきもガス代を高くする原因となります。お風呂を沸かしたらすぐに入り、追いだきする回数を減らすように意識しましょう。

 

料理や洗い物でお湯を使いすぎてしまった結果、ガス代が高くなるというケースもあります。

 

そもそも、一人暮らしの場合でも複数人で暮らしている場合でも、1回の調理で使うガス代はそれほど変わらない場合が多いのですが、人数が少ない分、金額の負担が大きくなってしまいます。

 

そのため、料理をまとめてつくって冷凍したり、洗い物はつけ置きにしてお湯の使用量を減らしたりするなどの対策を行ってみましょう。

 

日頃から節約を意識しているにもかかわらずガス代が高いときは、契約しているプランそのものが相場よりも高い可能性があります。

 

特にプロパンガスの場合は、住んでいる地域や契約を結んでいるガス会社によって料金が大きく違ってくるケースもめずらしくありません。

 

ただし、契約プランの決定権は物件のオーナーにあるため、個人で変更することは難しいでしょう。

 

毎月のガス代を節約する方法としては、主に次のようなものが挙げられます。

  • 家電を活用してガス代を節約する

  • お風呂の追いだきを使わないように工夫する

日々の暮らしでは、調理家電をうまく活用してみましょう。電子レンジや電気圧力鍋を使えば、光熱費の節約だけでなく、調理時間の短縮にもつながります。

 

また、寒い冬の時季などにお風呂の追いだき機能を頻繁に使えば、ガス代が高くなります。お風呂が沸いたらすぐに入って追いだき機能を使う回数を減らす、お湯の量を少なめにしてゆっくりつかるなど、入浴の仕方を工夫することが大切です。

 

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一人暮らしのガス代の平均額は?

 

総務省の2022年「家計調査」によれば、単身世帯のガス代は1ヶ月当たり3,331円となっています。ガス会社との契約プランやガスの種類、住んでいるエリアによって料金が異なる点に注意が必要です。

都市ガスよりも、プロパンガスの方が高い?

 

プロパンガスは供給コストが高くなるため、どうしても都市ガスより割高になる部分があります。都市ガスを使えるエリアは人口の多い地域に集中しているので、部屋探しのときは念頭に置いておきましょう。

 

賃貸物件を探す 都市ガスが使える物件

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