一人暮らしを始めるにあたり、冷蔵庫は欠かせないアイテムのひとつです。冷蔵庫にはさまざまなサイズがあり、ファミリー世帯向けと一人暮らし向けでは選び方が異なります。

今回は、一人暮らしに適した冷蔵庫のサイズや価格相場、選び方のポイントなどを見ていきましょう。

賃貸物件を探す一人暮らしにぴったりな物件

 

一人暮らしでは、ファミリー向けの大容量の冷蔵庫ではなく、コンパクトなサイズの冷蔵庫を選ぶのが基本です。

 

必要以上のサイズを選んでしまうと「本体価格が高い」「電気代がかかりやすい」「場所をとってしまう」などのデメリットが生じます。

 

ただし、コンパクトサイズの冷蔵庫でも、自炊をする人としない人とで目安となる容量が異なります。以下で詳しく見ていきましょう。

 

冷蔵庫の容量は「居住人数×70L+100L(常備食材用)+70L(予備)」で考えるのが一般的です。

 

一人暮らしであれば、容量200L前後がひとつの目安になります。毎日自炊をする人であれば250L程度のモデルもおすすめです。

 

あまり自炊をしない人にとって、200Lは少し大きなサイズ感になってしまうかもしれません。そのため、150L程度のものを選ぶか、ほとんど冷凍庫を利用しないのなら100L程度も有力な選択肢になります。

 

なお、150L以下となると、基本的には冷蔵室・冷凍室の2ドアで、冷蔵室に野菜室が設けられていないタイプも少なくありません。また、100L以下となると1ドアタイプのものが多くなり、大幅に省スペース化されます。

 

冷蔵庫の価格は容量やメーカー、性能、デザイン、製造年式などによって大きく変わります。

 

そのため、一概に相場を出すのは難しい面があるものの、機能がシンプルであれば150~250Lサイズで3万~7万円程度、150L以下であれば3万~4万円ほどが目安です。

 

ただし、機能が優れた製品を選ぶと、250L以下でも価格が10万円近くになることもあります。できるだけ出費を抑えたいという人は、最低限の機能を備えた製品を選ぶといいでしょう。

 

冷蔵庫の電気代は、以下の計算式で求めることができます。

冷蔵庫の年間電気代(円)=1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)×年間消費電力(kWh)

1kWh(キロワットアワー)あたりの電気料金単価は、地域や契約している電力会社・料金プランによって異なります。

 

また、冷蔵庫の容量と電気代の高さは比例するわけではなく、製品によって異なるので、購入するモデルの消費電力をチェックすることが大切です。

 

ここでは試しに、公益社団法人・全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している電気料金の目安単価「31円/kWh」を基に、一人暮らし用の冷蔵庫の年間電気代を試算してみましょう。

ケース1150Lの製品A(年間消費電力量290kWh

31円×290kWh=8,990円

 

ケース2250Lの製品B(年間消費電力量291kWh

31円×291kWh=9,021円

上記の試算でも分かるように、冷蔵庫の電気代は容量よりも年間消費電力量がポイントになります。

 

製品を比較するときは、提示されている消費電力量をチェックし、より省エネ性能の高い製品を選ぶと節約につながります。

 

賃貸物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件

 

冷蔵庫を選ぶときは、容量だけでなく寸法もきちんと測っておくことが大切です。ここでは、寸法の視点から冷蔵庫の選び方を見ていきましょう。

 

冷蔵庫は壁にピッタリとつけて配置するのではなく、周囲に適切な空間を設ける必要があります。これは、庫内を冷やすために内部の熱を外に逃がす「放熱スペース」を必要とするためです。

 

放熱スペースを十分に確保できなければ冷蔵効率が低下し、消費電力の増加につながってしまいます。そのため、冷蔵庫ごとの「据付(すえつけ)必要寸法」を事前に確認しておくことが大切です。

 

据付必要寸法とは、冷蔵庫の周囲に必要な広さのことであり、たとえば「上部30cm以上、左右2cm以上、背面7cm以上」のように製品ごとに設定されています。

 

冷蔵庫の寿命にも影響する場合があるため、指定のスペースを空けられるように設置場所を確保しましょう。

 

なお、小型のモデルのドアは右開きが多い傾向にあります。狭いスペースに設置する場合は、ドアの開閉方向も考慮して寸法を測っておくと安心です。

 

冷蔵庫を選ぶ際には、設置場所までの搬入経路もきちんと確認しておきましょう。

 

一人暮らし向けの冷蔵庫は比較的コンパクトなので、集合住宅では問題なく搬入できるケースがほとんどですが、障害物の有無や玄関ドアの位置、階段の形状などによって搬入が難しくなる可能性があります。

 

そのため、玄関ドアや室内の廊下だけでなく、エレベーターや階段といった共用部分も問題なく通過できるか、それぞれの幅をチェックしておくと安心です。

 

最後に、一人暮らし用の冷蔵庫を選ぶ際に、見落としがちなポイントを確認しておきましょう。

 

一人暮らし用の部屋は、キッチンスペースに十分な広さがないケースが多いため、冷蔵庫の上に電子レンジなどを設置したいと考える人もいるでしょう。

 

この場合、電子レンジの発熱による冷蔵庫への影響を避けるために、天板が耐熱性になっている製品を選ぶのがおすすめです。

 

購入を決める前に、庫内の棚板の数をチェックしておきましょう。棚板の数は必ずしも多ければいいというわけではありません。

 

一人暮らし向けの冷蔵庫はそもそも容量が少ないため、棚が細かく分かれすぎていると、大きな食材を入れにくくなってしまう可能性があります。

 

棚板が3段程度のタイプを選ぶか、棚の高さを自由に調節できるタイプを選ぶのが無難といえるでしょう。

 

また、ドアポケットの収納力もポイントです。調味料のボトルや飲み物をドアポケットに収納できると、庫内のスペースを有効活用できます。

 

氷を頻繁に使う人は、自動製氷機能の有無もチェックしておきたいところです。

 

ただ、自動製氷機能は300Lクラス未満のモデルには搭載されていない場合が多いため、氷をつくる手間を減らしたい場合は、容量の大きな冷蔵庫も選択肢に入れる必要があります。

 

冷蔵庫の冷却方式には、庫内に冷却器が設置されている「直冷式」と、庫外に冷却器が設置され、ファンで冷気を庫内に送る「ファン式」の2つがあります。

 

直冷式は冷却能力が高いものの霜が庫内にたまってしまうため、定期的なお手入れが必要です。

 

一方、ファン式は自動霜取り機能が搭載されているため、メンテナンスの負担を軽減できます。お手入れが面倒な人は、自動霜取り機能が搭載されているファン式を選ぶといいでしょう。

 

賃貸物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件

一人暮らし向け冷蔵庫のおすすめ容量は?

 

200L前後が標準的な容量となり、自炊をする人なら200~250L程度、自炊をしない人なら100~150L程度でも十分快適に使えると考えられます。大きなモデルは本体価格が高く、設置場所の確保も難しくなるので、価格とサイズのバランスを見て選びましょう。

冷蔵庫のサイズ選びの注意点は?

 

製品ごとの「据付必要寸法」をチェックして、放熱スペースを確保しましょう。また、搬入経路となる玄関や室内の廊下、共用部分などのサイズをチェックすることも大切です。

冷蔵庫選びで見落としがちなポイントは?

 

耐熱天板や自動製氷機能、自動霜取り機能の有無などを確認しましょう。また、使い勝手を考えて、庫内収納の棚板の数やドアポケットの広さも確認しておきたいところです。

 

賃貸物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件 家具付き・家電付きの物件

公開日: