部屋の間取りは、住み心地や使い勝手を左右する重要なポイントです。特に一戸建ては、間取りの幅が広いため、じっくりといろいろな物件を比較検討したいところです。

今回は、間取りに関する基礎知識を解説したうえで、賃貸一戸建てで人気の間取りを紹介します。

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物件の間取りは、基本的に数字とアルファベットの組み合わせで表示されます。

 

頭につく数字は居室数で、アルファベットは部屋の性質や用途を示しており、次のようなものが用いられます。このうち、L、D、Kは組み合わせて表記されることが多いです。

  • ・ L:リビング

    ・ D:ダイニング

    ・ K:キッチン

    ・ S/N:サービスルーム/納戸

また、DKとLDKの表示には、不動産公正取引協議会連合会によって、最低限の広さの目安が以下のように定められています。

 

DK

 LDK

居室が1つの場合

4.5畳以上8畳未満

8畳以上            

居室が2つ以上の場合

6畳以上10畳未満

10畳以上

つまり、1DKなら「居室1つ+4.5畳以上8畳未満のダイニング・キッチン」で構成された物件を示し、1Kなら「居室1つ+4.5畳未満のキッチン」で構成された物件を示していることになります。

 

なお、「S」や「N」は、居室に必要な採光性や換気性能を持っていないものの、ある程度の広さがあるスペースを指しており、サービスルームや納戸と呼ばれています。

 

たとえば、2SLDKと表記されていた場合は、以下のように「2つの居室+10畳以上のリビング・ダイニング・キッチン+サービスルーム」で構成された物件を示します。

 

2SLDKの間取り例

 

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国土交通省「住生活基本計画における居住面積水準」によれば、世帯人数ごとに必要な面積は以下のように示されています。

 

                   必要な面積(平米)

1人世帯

2人世帯

3人世帯

4人世帯

最低居住面積水準

25       

30

40(35)

50(45)

誘導居住面積水準(都市型)

40

55

75(65)

95(85)

誘導居住面積水準(一般型)

55

75

100(87.5)

125(112.5)

※ ( )は3~5歳児が1名いる場合

 

最低居住面積水準は健康で文化的な生活を送るのに最低限必要な面積を、誘導居住面積水準は多様なライフスタイルに合わせてゆったり生活できる広さを示しています。

 

ここでは、上記の基準をもとに、1人暮らし、2人暮らし、2~4人暮らしのそれぞれにおける間取りの考え方を見ていきましょう。

 

1人暮らしの場合は、基本的にはワンルームや1Kでも十分快適に生活を送ることができます。そのうえで、賃貸一戸建てを借りるのであれば、複数の居住空間がある間取りもおすすめです。

 

2人暮らしの場合は、必要な寝室の数から間取りを決めていくのが近道です。カップルや夫婦などで寝室が1つでも問題がなければ、1DKや1LDKなどの間取りも対象となります。

 

一方、友人同士のルームシェアなどでそれぞれの寝室が必要な場合は、2Kや2DKがメインの選択肢となるでしょう。

 

そのうえで、少し広さにゆとりが欲しいといった場合には、2LDKなどにも視野を広げる必要があります。

 

2~4人暮らしの場合も、基本的には必要な個室数から適した間取りを決めていくのがセオリーです。

 

そのうえで、広い団らんスペースが欲しいならLDKタイプ、家賃を抑えたいならDKタイプを選ぶのがおすすめです。

 

賃貸一戸建ては、マンションなどの集合住宅と比べてつくりの自由度が高いため、さまざまな間取りタイプがあります。

 

ここでは、1DK~4LDKの間取りについて、主な特徴を紹介します。

 

1DKは、1つの居室と4.5畳以上8畳未満のDKを組み合わせた間取りです。ダイニングで食事ができるため、生活空間と食事スペースを分けたい人におすすめな間取りといえます。

 

同じように居室とキッチンスペースが分かれている1LDKと比べると、家賃が安い傾向にあるのも魅力です。

 

なお、一口に1DKといっても、一戸建ての場合は以下のようにさまざまなバリエーションがあります。

 

1DKの間取り例1

 

1DKの間取り例2

1DKの間取り例

 

居室の広さや配置によって使い勝手も大きく変化するので、間取り図を細かくチェックすることが大切です。

 

1DKの物件

 

8畳以上のLDKと居室が1つある間取りです。広々としたLDKを確保できるため、居室は寝室専用として使いやすいのが特徴です。

 

1LDKの間取り例1

 

1LDKの間取り例2

 

1LDKの物件

 

2つの居室と4.5畳未満のキッチンスペースが組み合わさった間取りです。2つの個室が必要な場合で、なおかつ家賃を抑えたい人にはピッタリの間取りタイプといえます。

 

2Kの間取り例

 

2Kには、上記の事例のように「振り分けタイプ」と呼ばれるつくりの物件が多いです。キッチンを共通の入り口として、それぞれの個室が分かれているため、友人同士でのルームシェアなどでも使いやすいのが特徴です。

 

2Kの物件

 

2つの居室と6畳以上10畳未満のDKがある間取りです。2Kと比べると、食事のためのダイニングスペースを確保できるのが特徴です。

 

2DKの間取り例1

 

2DKの間取り例2

 

1つ目の間取り例のように振り分けタイプの2Kをより広くしたようなものから、2つ目のように1階と2階で完全に生活空間が分かれているものまで、一戸建ての2DKには幅広いバリエーションがあります。

 

2DKの物件

 

2つの居室と10畳以上のLDKが組み合わさった間取りです。

 

ファミリー向けのアパート・マンションで広く採用されている間取りタイプであり、小さな子どものいる家庭やスペースにゆとりが欲しい2人世帯などに適しています。

 

2LDKの間取り例

 

2LDKの物件

 

3つの居室と6畳以上10畳未満のDKがある間取りです。個室が3つあるため、大人3人でのルームシェアや、個室が必要な年齢の子どもがいる家庭に適しています。

 

3DKの間取り例

 

3DKにもさまざまな配置のバリエーションがありますが、上記の間取り例のように、DKと1つの居室が隣接したタイプのつくりがスタンダードです。

 

DKと居室の仕切りを取れば、2LDKのように使うこともできるので、汎用性の高さがメリットとなります。

 

3DKの物件

 

3つの居室と10畳以上のLDKで構成された間取りであり、集合住宅であれば広めのファミリー向けマンションなどで採用されています。一戸建てでも多く用いられているタイプであるため、物件の選択肢は比較的広いです。

 

3LDKの間取り例

 

3LDKの賃貸一戸建てとなると、2階建ての物件が主流となります。この場合、「LDKの階数」「各居室の割り振り」などによって住み心地が変化するので、適したタイプのものを見極めることが大切です。

 

3LDKの物件

 

4つの居室と6畳以上10畳未満のDKを組み合わせた間取りです。4DKの一戸建て物件には、築年数が経過したものが多いのも特徴です。

 

これは、DKという間取りタイプが、LDKが流行した1990年代よりも前に多く用いられていたことに由来します。築年数が経過している分、広さの割に家賃が安い物件が見つかることもあるのが魅力です。

 

4DKの間取り例

4DKの間取り例

 

4DKの物件

 

4つの居室と10畳以上のLDKで構成された間取りです。専有面積が広いのが特徴であり、なかには100平米を超える物件もあるなど、大人数のファミリー世帯に適した間取りといえます。

 

4LDKの間取り例

 

4LDK以上の物件 賃貸一戸建てを探す

 

ここでは、賃貸一戸建てのなかでも、特に人気の集まりやすい間取りタイプを紹介します。

 

LDKは家族が集まる団らんスペースであるため、ほかの居室よりも広くつくられることが一般的です。日当たり条件の良い南向きに配置された間取りが好まれる傾向にあります。

 

南向きの物件

 

対面キッチンは料理をしながら家族とのコミュニケーションを図れるため、ファミリー世帯に人気の高い設備です。特に小さな子どもがいる家庭では、子どもから視線を離さずに作業ができる点が人気の理由となっています。

 

カウンターキッチン付き物件

 

壁面収納は、収納家具を設置することなく収納スペースを確保できるのが魅力です。玄関に併設されたシューズインクローゼットや、キッチンに併設されたパントリーなども人気の設備です。

 

最後に、賃貸一戸建てを選ぶときに注意しておきたいポイントを紹介します。

 

一戸建ての賃貸物件は、個人のオーナーが使っていた自宅を貸し出すというパターンが多いため、管理をオーナー自身が行っているケースもめずらしくありません。

 

そのため、管理会社が管理する集合住宅と比べて、設備の修繕やトラブルなどの対応が手薄になってしまうリスクがあります。事前に細かな管理のルールをチェックしておけると安心です。

 

賃貸一戸建ては、契約の更新ができない「定期借家契約」物件が多いのも特徴です。定期借家は原則として、事前に決められた契約期間が満了すると退去しなければなりません。

 

長く住み続けたい場合は、契約の更新ができる普通借家契約の物件の方が適しています。契約形態にも注意してチェックすることが大切です。

 

借りる物件のエリアによっては、近所付き合いを頻繁に求められたり、町内会や自治会の参加が義務付けられていたりするケースがあります。

 

また、ゴミ出しのルールなどもエリアごとに異なります。そのエリアの特徴についても、事前に不動産会社の担当者などに確認しておくと安心です。

 

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賃貸一戸建てで人気の間取りは?

 

適した部屋数や広さは居住人数によっても異なりますが、共通して人気があるのは「南向きのLDK」がある物件です。また、「対面キッチンのある物件」「壁面収納やシューズインクローゼットなどの収納が充実した物件」も人気です。

賃貸一戸建てを選ぶときの注意点は?

 

一戸建てを借りる場合には、管理体制を細かくチェックすることが大切です。また、契約形態や居住するエリアの特徴・ルールなども確認しておきましょう。

 

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