将来的にずっと住み続けられる賃貸一戸建てを探しているのであれば、バリアフリー住宅がおすすめです。老後や子育て期間であっても、バリアフリー住宅であれば快適に過ごしやすくなります。
この記事では、そもそもバリアフリー住宅とは何かをはじめ、バリアフリーの設備の紹介や内見時のチェックポイントなどを詳しく解説します。
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バリアフリー住宅の特徴とは

まずは、バリアフリー住宅の特徴を見ていきましょう。
バリアフリー住宅とは
一般的にバリアフリー住宅とは、小さな子どもから高齢者までの幅広い世代の方が、安心して快適に生活できることを前提とした住まいを指します。
たとえば、段差をなくす、廊下に手すりをつけるなど、生活するうえで支障となるものを取り除いたり、生活動作の補助となる設備が整えられていたりする住宅を、バリアフリー住宅と呼びます。
高齢者や障がい者の方に特化した住宅のように思えますが、妊娠中の方や子どもなども生活しやすく、すべての方にとって利用価値の高い住宅といえます。
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家庭内で起こりやすい事故の種類

住まいのバリアフリーを考えるうえで、実際に家の中で起きやすい事故の特徴を知っておくことも大切です。
今回は、総務省「人口動態調査」の「家庭における主な不慮の事故による死因(三桁基本分類)別に見た年齢(特定階級)別死亡数及び百分率」を基に解説します。
家庭の中で起きる事故は溺死・溺水が多い
2021年のデータによると、家庭内における不慮の事故で一番多いのは「溺死・溺水」で5,398人でした。その中でも「浴槽での溺死・溺水」は4,997人と大多数を占めています。
次は「窒息」の3,317名で、誤えんにまつわる窒息が多いことが分かります。3番目に多いのは「転倒・転落・墜落」となり、死亡者数は2,486人に上ります。
このうち、溺死・溺水と転倒・転落・墜落は、バリアフリー設備を整えることで未然に対策を取ることができます。
バリアフリー住宅に備わっている主な設備

具体的にどのような設備・仕様が整っていれば、バリアフリー住宅といえるのでしょうか。ここでは、主な設備について解説します。
フラットなフロア
家の中で転倒のきっかけになりやすいのが、床の小さな段差です。フラットなフロアであれば、転倒事故などを回避しやすくなります。
玄関の手すりやスロープ
スロープがあれば、つまずきやすい階段での転倒を防げますし、ベビーカーや車いすでもストレスなく移動できるようになります。
また、手すりが備わっていれば、雨の日といった滑りやすい日でも安全に出入りできるでしょう。
手すりがついたトイレ
年を重ねて足腰が弱くなると、しゃがむ動作や立ち上がる動作がつらくなるものです。トイレットペーパーホルダーやタオルかけにつかまるのは危険なため、専用の手すりがあると安心です。
浴室乾燥機のついたお風呂
冬など寒い時期は、浴室とほかの部屋との温度差が大きくなり、「ヒートショック」のリスクが高まります。ヒートショックとは、温度差が原因で血圧が急に上下することで、心臓や血管に疾患を引き起こす現象を指します。
浴室乾燥機の暖房機能を利用して浴室や脱衣所を暖かくすれば、ほかの部屋との温度差が小さくなり、ヒートショックの予防に役立ちます。
また、水を使う浴室は転倒しやすい場所のひとつです。浴室の床や浴槽に滑りにくい素材が使われているかも確認しましょう。なお、浴槽の高さは40cm以下だと高齢者でもまたぎやすく、スムーズに入浴できます。
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バリアフリー住宅のチェックポイント

気に入った賃貸一戸建ての物件が見つかったら、内見を行います。以下のチェックリストを参考にして、実際のバリアフリー設備を確認しましょう。
バリアフリー物件の内見でチェックしたい場所
ポイントは、自分だけでなく家族のことを考えながら確認することです。家族それぞれの視点を意識してみると、自分では気づかなかった箇所を見つけられるようになります。
玄関 | 靴を脱いで上がる段差は高くないか |
靴を脱ぎ履きできる空間は十分か | |
ドアは力を入れなくても開くか | |
ゆっくりと閉まるドアクローザーが備わっているか | |
廊下 | 各部屋の扉は開きやすいか |
照明の明るさは十分か | |
電気スイッチは大きいか | |
スイッチが手の届く場所にあるか | |
床は滑りやすくないか | |
階段に手すりがあるか | |
リビング | 細かな段差があるか |
床が滑りやすくないか | |
リビングの間取りで出っ張りがあるか | |
トイレ | トイレの高さはちょうどいいか |
出入り口に段差があるか | |
手すりがあるか | |
手すりは手の届く位置にあるか | |
洗面所・浴室 | 洗面所の水栓はレバー式のハンドルか |
浴室の床は滑りにくいか | |
浴室乾燥機があるか | |
浴槽の高さはまたぎやすいか | |
手すりがあるか | |
出入り口に段差があるか |
賃貸物件でもリフォーム工事は可能?

賃貸一戸建てで、バリアフリーリフォームを行いたいと考えている方もいるでしょう。賃貸物件でリフォーム工事が可能なのか、注意点や利用できる補助金制度と共に解説します。
管理会社や大家さんから許可を得られれば可能
賃貸物件では借主によるリフォームが禁止されていることが一般的ですが、管理会社や大家さんによっては許されるケースもあります。
そのため、契約前に管理会社や大家さんに相談し、許可を得られればリフォームが可能になります。
ただし、リフォームできる範囲や工事内容は事前にしっかりと共有しておく必要があります。また、契約時には退去時の原状回復義務についても、きちんとすり合わせておきましょう。
通常、賃貸一戸建ての契約時には、原状回復義務の契約を交わします。リフォーム可となった場合は、原状回復義務を免除してもらえるケースもありますが、免除されないケースもあります。
免除されなければ、リフォームした箇所を元に戻す必要があるため注意が必要です。
リフォームには補助金制度を活用しよう
賃貸物件でも、リフォームにかかる費用を一部負担してくれる補助金制度があります。
その賃貸一戸建てに長く住むつもりなら、補助金を活用したリフォームを検討してみてもいいかもしれません。補助金の要件を満たせば、コストを抑えながら住みよい住環境を実現できます。
たとえば2023年10月時点、以下のような補助金制度があります。
- 国土交通省による「長期優良住宅化リフォーム推進事業」
- 介護保険制度による「高齢者住宅改修費用助成制度」
- 各自治体が独自に行う補助金制度
長期優良住宅化リフォーム推進事業では、手すりの設置や段差の解消、玄関スペース拡大などの工事に対して補助金が交付されます。
補助率は「工事費の3分の1」で、住宅の性能に応じて限度額が設定されています。軽度の工事であれば数万円の補助金、大きな工事であれば補助額が100万~200万円となるケースもあります。
ただし、上記の制度を受けるには、工事の前に必ず「インスペクション」をすることが条件に挙げられています。このインスペクションで劣化事象が見つかった際は、リフォーム工事で補修する必要があります。
また、一般的にリフォームの補助金制度には申請期間が設けられています。期限内にスムーズに手続きができるよう、必要書類を用意しておきましょう。
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記事のおさらい
バリアフリー住宅はどんな家?
一般的にバリアフリー住宅とは、小さな子どもから高齢者までの幅広い世代の方が、安心して快適に生活できることを前提とした住まいのことです。生活するうえで支障となる段差などを取り除き、生活動作を補助する手すりなどが備わっています。
家庭内で起こりやすい事故はどんなもの?
総務省の2021年のデータによると、家庭内での事故で一番多いのは「溺死・溺水」で、主に浴室で起きています。2番目に多いのは、誤えんなどによる「窒息」、3番目に多いのは「転倒・転落・墜落」となっています。
バリアフリー住宅でのチェックポイントは?
段差や手すりの有無、床の滑りやすさ、ドアの開けやすさ、照明の明るさ、照明のスイッチが手の届く場所にあるかなど、複数のチェックポイントがあります。家族それぞれの視点で使いやすさを確認しましょう。
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